特別支援学級について (12月一般質問より)

2015年12月28日 08時39分 | カテゴリー: 活動報告

 特別支援学級については、9月の一般質問でも取り上げました。その結果、特別支援学級から放課後児童クラブへの送迎、ファミリーサポートセンターの障がい児に対する支援年齢拡大を検討など改善の方向に向かいつつあります。
 
しかし、保護者の方たちの話を聞くうちに、まだまだ改善の余地があると感じ、再び質問に取り上げることにしました。前回は、主に働いている保護者の方に焦点を当てましたが、今回は、学級内の改善の提案を行っています。大和市では、相談支援ファイル「かけはし」を療育機関と学校、家庭の連絡方法の一つとして導入していますが、保護者の方たちの話によると適切に活用されている学校が少ないことがわかりました。改善の提案を行うことにより、より具体的な記入の仕方に変えていくよう研究していくという答弁を得られました。同時に障がい児教育の専門家集団である療育機関との連携を強化することにより、学校側も指導がより容易になり、児童・生徒の学校生活も快適になることが予想されます。
 
また、特別支援教育ヘルパーの方のお話を伺うと、児童との係わりのための十分な情報が与えられていないケースやハードな業務にもかかわらず賃金面で改善の余地があることがわかりました。特別支援教育の向上のためには、ヘルパーの関わりも重要です。ヘルパーのモチベーションをあげるためにも賃金の改定が必要なことなど、提言しました。

  

 以下全文を掲載いたします。

 

 特別支援学級について

  現在の特別支援教育は、児童生徒ひとりひとりの必要度に合わせ、教職員、特別支援教育ヘルパー等の支援により成り立っています。支援の必要な子どもたちを安全に見守り、その子に合わせた教育を行っていくのは並大抵のことではなく、日ごろの関係者の努力には頭が下がります。特別支援学級を受け持ったことのある先生にお話を伺った際には、進級時の引継ぎや療育施設との連携もしっかり行っているとのことでした。しかし、保護者からはそれとは異なる訴えがあり、保護者の感じる現状とは格差があるようです。

 特別支援学級に通う子どもたちは、普通学級に通う子どもたち以上に教職員との日常のかかわりが深く、教師の接し方や言動に学校生活の質が大きく左右されます。対応を間違えると、不登校になったり、うつ状態に陥ったりする危険もあります。教育形態をもっとシステム化し、教職員の技量や経験だけに頼らなくてもよいセーフティーネットを構築することが重要と考えます。

 1 相談支援ファイル「かけはし」について

 「かけはし」については9月の一般質問で山田議員が言及されておりますが、改善について私のほうにも保護者の方々より意見や要望がありましたので、質問いたします。

 現在、大和市教育委員会では、必要と思われる子どもの保護者に、相談支援ファイル「かけはし」を渡しています。これは現在、保護者が任意で使うもので、必要な児童のすべての関係者が利用しているわけではありません。学校から提出を求められることもないようですし、定期的に見直しをしている学校も少ないようです。保護者が必要な情報や資料を適宜補充していくようにできているものだということですが、充分に役立つようにきちんと管理するには、保護者の努力を要します。

 「かけはし」は、保護者が何を求め、どのような将来ビジョンを持っているのか、学校に書式という形で伝える貴重な制度です。きちんと運用することにより、療育機関、学校、家庭の連携手段として有効活用できるものとなるはずです。現に「かけはし」を有効に使っている学校は、特別支援学級の指導がうまくいっていると聞いています。

 かけはしの中身を見せていただいたところ、記入欄はとても小さく、自由記述なので、書く人の主観に左右されやすいものになっています。書き方については、渡すときに説明し、また講習を行っている機関もあるようですが、文章記入式なので、書きづらいと感じる保護者もいるようです。

 障がいの特性により各々必要な情報は異なるとは思いますが、例えばトイレについて、食事について、着替えや言葉のかけ方など、項目ごとにマニュアル化することにより、支援の必要な児童の特性を学校や関係者に知らせ、共有できる有効な手段となります。

 そこで質問します。

 1.「かけはし」はどのような目的で使われることになったのか、経緯をお聞かせください。

答弁→就学前の子どもについて療育施設などで行った有効な支援の情報を記入する支援シートを補完し、継続した支援を行う目的で平成20年度に作成しました。

 2.より多くの方に使ってもらえるよう記入内容を工夫すべきではないかと思うが、いかがか。

答弁→より多くの子どもたちへの継続的な支援に有効活用していただけるよう、保護者の意見も伺いながら記入方法や内容等について研究してまいります。
学校に対しても進級時の引き継ぎ、計画の見直しの際など必要に応じて活用するようコーディネーター連絡会などを通じ改めて働きかけてまいります。

 

2 療育機関との連携について

  「かけはし」は、きちんと活用することにより、療育機関と学校、家庭の連携に有効な手段となると思いますが、それ以上の連携もまた必要と考えます。

 子どもが学校に入学してから後も特別支援学級に通う児童・生徒は療育機関にも通っています。学校との連携については、9月の一般質問時、「特別支援教育巡回相談チーム」を各学校に派遣すること、「研修会の実施」など、各部の専門家の知見を活用し、支援の充実を図っている旨、答弁をいただきました。また、今年度からは、支援の必要性が高い新入学児童について、就学前に在籍していた機関の職員と学校の教員とで連絡会を実施し、よりよい支援と方法について引き継ぎや情報交換を行っているとのことです。

 しかし、現場では、療育機関で3年も前に達成した課題を学校で行い、先生が「できた」と喜んでいた、保護者はそれを聞いて、ため息とともに何も言う気がなくなってしまったという話も聞いています。療育機関と今までよりももっと緊密に連携をとり、記録がきちんと残されていれば、このような事例はなくなり、その子なりの学習も前に進みやすくなるはずです。また、教職員は指導がより容易になり、労力も減るはずです。

 そこで質問します。

 1.療育機関と学校は、どのように連携しているのでしょうか。

答弁→支援の必要性が高い児童について就学前に在籍していた療育施設と連絡会を実施する他、必要に応じて連絡を取り合っております。巡回相談等において療育施設の職員のアドバイスを受け、指導に生かしている例もあります。

 2.療育機関の情報は、学校内でどのように生かしているのでしょうか。

答弁→個人情報の取り扱いに十分留意しながら、児童・生徒に関わる教職員が情報を共有することでより良い支援につなげております。

 

3 特別支援教育ヘルパーについて

  特別支援学級には、子どもを支援する要員としてヘルパーの方たちがおられます。ヘルパーの中には、自分の子どもに障がいがある方もおり、学校でよくしてもらったからその恩返しのつもりで役立ちたいとか、自分の子供の将来のために知識を得たいと考えている方もいらっしゃいます。子どもに障がいがなくとも支援の必要な子どもたちのためになりたいと考えている方が多く、市が主催する研修会にも多くのヘルパーが積極的に参加されていると聞いています。

 業務内容を聞いてみると、夏は水着に着替えて子どもと一緒にプールに入り、運動会や遠足の行事の時には勤務時間を過ぎても付き添う必要があるなど、負担がかかる業務が多くあります。また、子どもの命を預かる責任の重い仕事であることは言うまでもありません。

 しかし、給与は時給906円と神奈川県の最低賃金並みで、勤務日は1日6時間以内、月10日前後と決められており、不安定かつ他の仕事と両立できない状況です。非常勤の任期雇用であるため、昇給制度もありません。単なる補助要員という立場なので、勤務日に心配なことがあっても児童に継続して関わることができないのもストレスになるという方もおられます。

 障がい児教育に貢献しようと意欲のある人も現場の実情に失望し、もっと積極的に働くことのできる場を求めてやめていく方もおられるということです。勤務年数が多い方もおられるようですが、現状の勤務や賃金対応についてヘルパーの方たちに希望を聞いたり、アンケートをとったことはないようです。

 また、個人情報の観点からヘルパーは家庭と学校との連絡帳を見ることができず、中には支援する子どもの障がいについて説明を受けたことがないと言うヘルパーの方もおられます。

 そこで質問します。

 1.本市における特別支援教育ヘルパーの人数と、5年以上勤務している方の人数をお教えください。

答弁→現在80名。5年以上37名。(10年以上の人もいる)

 2.特別支援学級の子どもたちについての情報共有はどのようになっているのか。

答弁→より効果的な生活介助の実施のために、業務遂行上、必要最低限の情報について担任と共有を図っております。

 

4 在籍児童・生徒の通知表について

  全ての子どもが学校内において公正に評価され、達成感や自信を持てるようにするのが学校教育の基本と言えます。特別扱いすることは、インクルーシブ教育の考えに反します。学校に行っている限り、全ての子どもが知力、学力、体力を向上させる教育を受ける権利があります。普通学級の子どもたちに対しては、学習指導要領に則り、学習の成果を点数などで評価した通知表が渡されますが、特別支援学級に通う子どもの通知表は、基本的に評価項目がなく、文章のみで構成されています。

 10月に「障がい児を普通学級へ・全国区交流集会」が横浜で開かれたので参加しましたが、通知表を全く渡されていない子どもがいることが驚きとともに取り上げられていました。

 そこで質問します。

 1.特別支援学級の学習指導要領は存在するのでしょうか。

答弁→特別支援学級の学習指導要領はありませんが、特別支援学校の小学部・中学部の学習指導要領を参考に編成することができます。

 2.特別支援学級の在籍児童・生徒についてはどのように評価し、通知しているのでしょうか。

答弁→成長の様子を文章で記述する場合や、強化によっては数値で評価する場合もあり、ひとりひとりの実態に応じた方法で通知表を作成し、学期末に通知しております。

 

 ご答弁、ありがとうございました。

 相談支援ファイル「かけはし」については、記述方法や内容等について今後も研究してくださるとのことです。その際は、実際に使っている保護者や教職員、療育施設職員などの意見を十分に取り入れ、子どもたちのためにより使いやすく充実したものとなるよう検討を期待いたします。

 療育機関との連携は、専門家の知識や療育の方法などを学校の教職員が取り入れることにより、学校内での指導や児童・生徒との関わり方がよりスムーズにいくために絶対に必要なことです。今ある制度を最大限活用する他にも、更に連携を取りやすくするシステムづくりに向けて努力していって欲しいと思います。

 現在の本市、特別支援教育ヘルパーの約半数は、5年以上継続して勤務されていることがわかりました。子どもたちに長年接していることで、特別支援学級に在籍している児童・生徒の障害の知識や子どもたちへの関わり方など、教職員がヘルパーから学ぶ事例も多いことと推測いたします。子どもたちの学校生活の質に大きくかかわる業務であるにもかかわらず、現在の非常勤職員としての時給906円は、低過ぎるといわざるを得ません。ヘルパーと同じく資格の要らない非常勤職員としては、放課後児童クラブの支援補助員が学校内外にて勤務していますが、募集要項によると、時給は1060円となっています。どちらの業務も行った方の感想では、特別支援教育ヘルパーの方が、負担の多い業務であるという感想を持たれていました。近隣市ヘルパーの時給を調べてみましたが、本市が最低でした。綾瀬市、相模原市、伊勢原市などは千円を超える時給を払っています。本市もヘルパーの賃金を上げることを検討するとともに、長年務めている方で希望される方には、非常勤特別職への道も考えるべきではないでしょうか。ヘルパーのモチベーションを上げることはすなわち、特別支援教育の向上にも寄与するものと考えます。

 通知表についてですが、評価項目を設定し、それに向かって努力することは、児童・生徒のみならず、教師側の評価、資質向上につながるものと考えます。個々のニーズに応じた対応をすることも大切でしょうが、ひとりひとり子どもが違うのは、通常級においても同じです。これからインクルーシブ教育が推進されるようになると、評価の仕方は検討しなければならない問題となります。通知表についても今後、模索していって欲しいと思います。