つるま自然の森について(一般質問より)

2016年7月2日 23時03分 | カテゴリー: 活動報告

昨年10月、中央林間地区街づくりビジョンが策定・公表されました。「緑と文化に包まれ、誰もが住みたいと思える中央林間の実現を目指すための指針」となるものであると市長は冒頭で述べられています。
中央林間地区の北東部にある森については、街づくりの整備方針の中で「緑の保全・整備」として「中央林間自然の森(つるま自然の森)」は中央林間駅から近く、都市部に残された貴重な自然資源です。今後も、緑豊かな中央林間地区のシンボル、親しみやすい市民の活動の場として、多胡記念公園や宇都宮記念公園、緑野青空子ども広場(ツリーガーデン)などの公園や緑地とあわせ、保全を図っていきます。」と示されています。これ以降は、「つるま自然の森」という名称で質問させていただきます。
街づくりビジョンの中で改めて「つるま自然の森」の保全を明確にしたことについては、高く評価するものです。市長は、森を保全するとして、平成20年に、当時の大谷議員や河崎議員への答弁で、地権者の理解をえながら積極的に買い取っていくと宣言されています。昨年3月の答弁では、現在、買い取って公有地化した面積は4500平方メートル、森全体に占める割合は13パーセントとの事です。  市民の貴重な財産でもある森は、ただ自然に任せていたのでは良好な状態で保全することができません。積極的な人間の手の介入があって初めて健康な森として維持することができるのです。森の保全と近隣の住人や関係者とのかかわりについて質問いたします。

1 森の重要性と保全活動の認識について

つるま自然の森がある内山地区一帯は、公所住民の入会地として、古くから薪炭林(薪を取るための林)として利用されてきた歴史があります。
大和市のHPでは、この森は、次のように紹介されています。
「武蔵野台地と相模台地の境にあたるこの森の周辺は、昭和30年代には珍しい蝶が多く生息していたことから、蝶の研究者の間では有名な場所です。また、平成3年には神奈川県で公募した「かながわの探鳥地50選」で1位に選定されています。
大和市ではその保全のために1992年には約3000㎡、2014年には約1500㎡の土地を購入し、市有地としています。
またこの間、貴重な緑を守るための保全活動が盛んに行われてきました。
地権者の理解を得ながら、現在、森を良好な状態に保つ活動をしているのは、ボランティア組織である「つるまの森保全協力会」の方々です。市みどり公園課、スポーツ・よか・みどり財団などの指導と連携、内山の街づくりを考える会や内山の市街地整備推進協議会などの支援を得て、毎月第1第3土曜日に森の手入れを行っています。森を守り育て、次の世代に手渡すために、その活動は20年以上続けられてきました。「森」で息づく300種以上の生物は、この方たちの手によって守られていると言っても過言ではありません。
質問します。

① つるま自然の森の保全について本市の方向性をお聞かせください。

(環境農政部長答弁)
この森は、北部地域の森の拠点であり、野草、野鳥が生息kしている貴重な樹林地として山林所有者との借地契約を維持継続するとともに、地権者の意向を踏まえ、用地の取得を行う事により保全を図っている。

② つるまの森保全協力会の森の保全に関する役割を市はどのようにとらえていますか。

(環境農政部長答弁)
維持管理については、公益財団大和市スポーツよかみどり財団に草刈りや樹木の選定、伐採等を委託している。つるま保全の森協力会は財団と協力、連携しながら美化活動や動植物調査に長年取り組んでいる唯一のボランティア団体であり、森の保全に対して貴重な役割を果たしているものと捉えている。

 

2 名前の変更について

中央林間地区街づくりビジョンでは、この森を「中央林間自然の森」と記述し、これまで慣れ親しんできた「つるま自然の森」に新たな名前を付けています。その説明として、先に引用した文章の欄外に脚注として次のように書かれています。 「「つるま自然の森」は市街地に残る貴重な緑地です。この森の大切さを多くの方に知ってもらい、いつまでも守り続けていくという想いとともに、中央林間に存在するということをわかりやすく内外に発信するためにも、今後はこの森を「中央林間自然の森」と呼ぶこととします。」
脚注にこのように書かれています。これは余りにも唐突なやり方ではないでしょうか。つるまの森保全協力会や地元内山の主だった方々にさえ、事前の相談はおろか説明すらありませんでした。ビジョンが周知されるにしたがって、みなさん驚かれています。
森に深く関わっている近隣の方々やつるまの森保全協力会の方々に「つるま自然の森」を「中央林間自然の森」に名称変更する案を載せている」という連絡はありませんでした。もし、そのような連絡があったとしたら、森に関わっている多くの方々から、ビジョン案のパブリックコメントにもっとたくさんの声が寄せられたものと想像します。
パブリックコメントには、つるま自然の森の名称について「慣れ親しんだ名称を残してほしい」「市民公募してほしい」など3件の意見が寄せられましたが、その回答欄には、「市街地に残る貴重な緑地が「中央林間に存在している」ことをわかりやすく市内外に発信し、多くの方々に関心を持っていただくため、「中央林間自然の森」と呼ぶこととしました」と回答とは言い難い文面を載せています。名称変更にあたって、長年にわたり森を愛し保全してきた方たちや、地元内山の方々、また地権者の意向が反映されているとはいえません。
名称や地名は、その土地の長い歴史を背負っています。「つるま」は、鶴が飛来したという「鶴舞の里」に由来し、明治初期までは「武蔵国多摩郡鶴間村」と呼ばれた地域で、現在では東京都町田市、相模原市南区、そして大和市に地名として残っています。  「つるま自然の森」は、大和市と相模原市にまたがる森の総称として使われており、2001年、相模原市側の森は、「東林ふれあいの森」と名称が変わりました。大和市では、1988年に「つるま自然の森」の名称が決まって以来、地域の方たちにもその名が浸透しています。新たな地名で歴史が次々に忘れられていく今、歴史ある名を残すべきではないでしょうか。 質問します。

「つるま自然の森」の名称を変えた理由は何でしょうか。

(街づくり計画部長答弁)
・中央林間自然の森は北の街の拠点として中央林間駅周辺の貴重な緑としての思いを市内外に発信するための新たな名称である。
・中央林間ビジョンを進めるにあたっては、市民の方々へ広く情報提供し、意見をいただきたい。

以上で、質問を終わります。

 

(答弁後の提案)

つるま自然の森の周辺には、実際に森に深く関わっている方々の存在があります。
森は、設立60年を超える「中央林間内山自治会」の中に含まれます。
内山地区の地権者等で構成されている「内山の市街地整備推進協議会」は、内山の市街化整備を進めるうえで、定期的に市と協議しながら街づくりを進めていますが、この3月に発行したパンフレット、「地区計画」~内山を住みよくする長期計画のルールづくり~の中では、つるま自然の森を内山の「みどりの拠点」、「守り育て次の世代に手渡す」ものとして位置づけています。
20年間、森を守り続けている「つるまの森保全協力会」は、森の美化と環境保護に貢献したとして、2009年、市制50周年にあたり、市から表彰を受けています。
ビジョンが発表されてから半年以上が経ちましたが、ほとんどの方が森の名称が変更になったとは知らない状況です。「中央林間自然の森」という名称は、確かに「中央林間に存在している」と説明するには判りやすい名称ではあります。しかし、何の説明や意見交換も設けずに、森に関わる方たちが慣れ親しんだ名称を一方的に変更することは、理解しがたいものがあります。
これは、市と市民の信頼関係の問題です。ビジョンでは森の名称について、本文にではなく脚注で触れています。このような形で「正式な名称です」と公表しても、森に関わる市民の方たちが、はいそうですかと受け止めることは困難です。本来ならば、市はパブリックコメントを出す前に、関係者と話し合いの場を設け、協力して事を決めていくという姿勢を示すべきでした。市民不在のまま、街を変えていくことは、大きな反発を生みます。現状のままでは、中央林間地区街づくりビジョンのもとに新たな中央林間地区を作り出そうとする市にとってマイナス要因となります。
繰り返しになりますが、ビジョンで示されている森保全の方向性は、森に関わる大多数の方が望んでいることであり、市の方針も明確です。名称については、市と市民の信頼関係を良好に保つために、公開の場を設け、市民と話し合いをすべきです。
つるま自然の森の名称変更について、市民が納得し合意していくためには、実際に森と深く関わっている団体や地元の方々等を対象に、市は説明会や意見交換会を開催する必要があると考えます。早急な開催を強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。