中央林間内山地区大型マンション建設について(9月議会一般質問より)

2016年10月7日 12時35分 | カテゴリー: 活動報告

中央林間内山地区、ビクターと光文書院の跡地に857世帯のマンション建築が計画されています。2~3000人規模の住民増加が見込まれる計画です。

この計画は、内山など近隣住民のみならず、中央林間やつきみ野など、付近の道路を日ごろ使用している住民にとっても生活に多大な影響を及ぼす事業です。また、子どもが多く、小中学校があふれている北部の教育環境にも影響します。

この夏、建築業者と住民参加による「説明会」が行われましたが、近隣住民は自分たちの住環境が大きく変化する事実に加え、市への届け後、1年もたって初めて知らされたことに大きなショックを受け、市に対する不満を募らせています。

大和市には「大和市開発事業の手続き及び基準に関する条例」があり、開発に際しては、開発事業者と市長や教育委員会で協議をせねばならないという決まりがあります。また、「中央林間地区街づくりビジョン」で市長が述べておられるように「今後も多くの方が住み続け、緑と文化に包まれた誰もが住みたいと思える中央林間」にするためには、現在、実際にそこで暮らしている市民住民の満足がなくては、実現は困難です。街づくりに際しては、行政が率先して事を進めていくことは、もちろん重要です。しかし、それに対して市民が反発してしまっては元も子もありません。街とは、市の行政とは、第一に市民のためのものであるという原点の再考もこの問題は含んでいます。

市民との話し合いや道路、保育所や学校、建築工事などについて、主に条例に照らし合わせた観点から、現在の状況と今後の対応についてお聞きします。

中項目1、入居者についての予測

説明会資料では、建築の大まかな概要のみが示されており、各個別住宅の面積や価格帯は示されておりませんが、説明会参加者の話によると住宅面積はおよそ70~80平方メートル、価格帯は3700万円から5000万円とのことです。  中央林間は、現在でも共働きの世帯が多く、保育園もたくさんある地域ですが、これらの若い方たちに加えて、決して低価格とは言えない住宅価格設定や駅近辺という条件は、戸建から住み替える高齢者の需要も予測されます。
保育園や学校の需要要件から、入居者の年齢層は今後の北部地域の人口計画に大きく影響します。
質問します。

・現在、入居者の年齢予測はどのようになっているのでしょうか。将来の中央林間地区の展望を見据え、それについて、開発業者と市との話し合いは行われているのでしょうか。

答弁(部長) (  )は、議場での言及はなし

入居者の年齢予測については、保育所、小中学校の受け入れ態勢に大きくかかわってくるものと考えられます。現在、事業者と調整を行っているところですが、本格的な協議はこれからです。

(事業者は必ず、保育所についてはこども部と学校については教育委員会と協議をすることになっている。)

中項目2、近隣住民のとの話し合いについて

8月7日、林間学習センターにおいて設計・施工の株式会社 長谷工コーポレーションによる説明会が開かれました。近隣住民、「つきみ野中学校区家庭・地域活性化会議」「内山自治会」及び、自治会地区内の住民・地権者で組織する「内山の市街地整備推進協議会」「内山の街づくりを考える会」の各役員が出席し質疑や意見交換を行いました。
住民側は、この説明会での説明を不服とし、開発業者5社に対し、9月、要望書を提出いたしました。
市職員は、その説明会には一切、関わっていないとのことですが、今後開発業者と住民の仲介者としての役割が求められてきます。
「大和市開発事業の手続き及び基準に関する条例」第11条は、近隣住民等と開発事業者の協議について示しています。
近隣住民等は、前条第1項本文の規定による説明を受け、当該開発事業に関し意見があるときは、説明を受けた日から14日以内に、対象開発事業の計画及び実施に関する協議を求める内容を記載した書面により、開発事業者に協議を申し込むことができる。

2 開発事業者は、前項の協議の申し込みがあったときは、遅滞なく、協議に応じなければならない。

3 開発事業者は、近隣住民等と協議を行ったときは、速やかに、協議の状況を記載した報告書を市長に提出しなければならない。

4 市長は、協議状況報告書の内容について近隣住民等から照会を受けたときは、協議状況報告書に記載された情報を提供することができる。

解説によれば、この条項は、近隣住民等がこの条例の趣旨にのっとり、開発事業者との協調による開発事業の推進のために当該事業内容について協議を申し出ることができること等を定めている。とのことです。

また、同条例第41条には
近隣住民は、自ら開発事業に対する理解を深めるために専門的知識を有する者の派遣を必要とするときは、規則で定めるところにより、市長に専門的知識を有する者の派遣を求めることができる。

2 市長は、近隣住民の求めに応じ、近隣住民の当該開発事業の理解を深めるために必要と認めるときは、専門的知識を有する者の派遣その他支援を行うことができる。

とあり、

本条は、近隣住民による専門的知識を有する者の派遣要請等について規定したものである。
近隣住民に対し、都市計画、建築等の事業に精通する専門家が助言等を与えることにより、近隣住民が都市計画、建築等に関し、自らの理解を深め、専門的な関係図書を主体的に読み解くことが可能となり、近隣住民と開発事業者との協議が円滑に行われることを目指すものである。

という解説がつけられています。

つまり条例は、近隣住民と開発事業者との協議が円滑に行われることを目指しており、ここにも行政側の関わりの重要性が現れています。

質問します。

・行政機関は今後、開発業者と近隣住民等の間にどのように関わっていく予定でしょうか。

 

答弁(市長)

当計画が白紙の段階から市としては景観の配慮、保育所の対応、通学路の安全確保について事業者に要望しているところである。

また近隣の合意が得られるよう真摯に協議をしていただけるよう要望しております。

(市が事業者と住民の間に入って仲裁することはしない。できない)

 

中項目3、小中学校の受け入れ態勢について

「大和市開発事業の手続き及び基準に関する条例」では、

第35条 開発事業者は、計画戸数が50戸以上の開発事業にあっては、学校の受入れ学区について、教育委員会と協議しなければならない。

2 開発事業者は、計画戸数が500戸以上の開発事業にあっては、学校の収容能力について、市長と協議しなければならない。

とし、解説では、

本条は、大規模な開発事業によって予想される児童生徒数の増加に対応した公益施設としての学校の受入れ態勢等について、開発事業者に対して協議の義務付けを規定したものである。

第2項関係

文部科学省の基準による「住宅建設により予想される児童生徒数の算定」において、計画戸数500戸の場合に各学年で1学級に相当する人数の増加が想定されるため、学校の収容能力について市長と協議し、場合によっては学校用地の提供等についても協議しなければならないこととした。

となっています。

このマンションの建築計画では、入居戸数は857戸です。条例の解説に書かれていた「住宅建設により予想される児童生徒数の算定」から計算すると、マンションから小学校に行く児童は386人、中学生は189人となります。条例に則れば、学校の受け入れについては教育委員会と、学校の収容能力については市長と協議がなされたはずです。

質問します。

・小中学校の受け入れ態勢はどのようになっているでしょうか。

答弁(教育部)

文科省の算定より大幅に下回ると予想されます。
中学校はつきみ野中学校、小学校は緑の小学校の学区であるが、中央林間小学校を予定しています。

(鶴間のオハナでは、学校に行く子どもは文科省算定の10分の1以下だった。通学校の最終決定は本年度中にも教育委員会で行う)

 

中項目4、保育所について

中央林間は、小田急線と田園都市線という2つの鉄道の駅があり、通勤に非常に便利であることから、都市部の会社に勤めるサラリーマンに人気の場所です。共働きの世帯も多く、私が関わっているファミリーサポートセンターでも毎日の保育園への送迎依頼があるのは、主に中央林間の方たちです。保育園も大変多い場所ですが、近年の増設により、近くの公園が保育園の子どもで混み合うなどの弊害も生じてきています。

条例では、

第36条 開発事業者は、計画戸数が500戸以上の開発事業にあっては、保育所の設置及び収容能力について、市長と協議しなければならない。

とあり、解説では、

本条は、大規模な開発事業において公益施設の配置及び規模を考慮して開発事業者が事業計画を作成するために必要となる協議について義務付けを規定したものである。

協議の対象となる開発事業の規模については、開発事業区域の居住者の利便の増進を図るため、住区構成と施設配置の観点から500戸以上の開発事業とし、従前の大和市街づくり指導要綱において指導対象としていた事業規模との整合性にも配慮した数値とした。

また、協議の内容については、開発事業者が自ら整備することのほか、開発事業の性格によっては用地として確保していくことも想定される。

となっています。

現在販売されている長津田の362戸のマンションでは、マンション内に認可保育所を設け、目玉の一つとして宣伝しています。857戸のマンションでは、さらなる需要が見込まれます。

質問します。

・開発事業者に自ら整備を求めていく、あるいは用地の確保も想定されるとなっていますが、マンション内保育所について具体的要望など協議や提案は行っているのでしょうか。

答弁(中項目1と一括)

マンション内などの保育所を設置することについては市としては要望しています。

 

中項目5、道路と駅前について

条例第27条によると、

開発事業者は、開発事業区域に接する道路の幅員が6メートル未満の場合にあっては、道路の中心線から開発事業区域側に水平距離3メートルの線まで道路として整備するものとする。この場合において開発事業者は、道路の構造及び維持管理について市長と協議しなければならない。
となっています。
マンション計画地区に隣接する北側道路は、住民の方の計測によりますと車道5.4m、南側歩道1.5m、北側歩道約1mです。歩道を合わせますと、条例の基準値を超えていますが、建築に際しては、現在の状況を把握し、交通状況が悪化しないように市は見守り、構想する必要があると考えます。

現在の歩道はたいへん狭く、また南側歩道は高くなっているため、自転車はほぼ必ず車道を通ります。朝など通勤通学時には、つきみ野中学や大和高校に向かう生徒や会社員などで歩道は人であふれ、車道にまではみ出して歩いています。現在、小学生の通行はそれほど多くはありませんが、このマンションに住む子どもが仮に中央林間小学校に通うようになった場合、通学時には300人以上の児童の通行が予想されます。
また、大和高校入り口の信号では、現在も右折待ちの車による渋滞がたびたび発生しています。
現時点でのマンションの設計図では、マンションの駐車場出入り口は北側と東側に作られており、また人の出入り口も北側にあります。
マンション住民が増えますと、道路のさらなる混雑が予想され、危険も増します。
仮にマンションの南側に道路を作れば、車の流れもスムーズになり、渋滞解決の一つにもなりえます。現在、建てられているセ・パルレ建設の折には、道路を作ることができ、今に至っています。
また、中央林間地区街づくりビジョンでは、駅前広場の構想を載せておりますが、2000から3000人の住民の増加は、駅の利用十他の変化も起こることが予想されます。

質問します。

①市は、このマンション建設を期に建築業者と協議し、北側道路を拡充し、市民の安全を確保するべきではないでしょうか。

②渋滞緩和のため、大和高校入り口の交差点に右折レーンを新設するべきと考えますが、いかがでしょうか。

③現在の渋滞緩和のため、マンション建設計画が出たときに、南側通路を作ることについて、市は協議を行ったのでしょうか。これから話し合っていく中で、南側に道路を作る提案も行ってはいかがでしょうか。

④大型マンション建設により、中央林間駅前広場設計に影響することはあるのでしょうか。

 

答弁

①②道路幅員の許可基準は満たしています。現況の歩道は狭いため、歩道の安全確保を要望しています。

(南側歩道は現在の約1メートルから3メートルに広げる。受け入れてもらえそう)

右折レーンにつきましては、今後、神奈川県警と協議すると聞いています。

③当初、市からも事業者へ提案を行っている。事業者からは一体的な土地利用を図りたいとのことで、協力は難しいとの回答を得ている。

(事業者としては、敷地面積をなるべく減らしたくない)

④中央林間駅周辺には従前より工場や事務所があったことから駅前広場設計に影響を及ぼすものではないと考えております。

中項目6、工事について

これだけの大規模な建築工事になりますと、工事中の近隣住民への影響は甚大です。
現在の計画では、着工は平成29年3月中旬、平成32年3月末完了となっています。現在立っているビクターや光文書院の解体工事は、間もなく始まる予定です。
工事中は、大型車両の出入りや騒音、また解体した建築の廃材のことなど、近隣住民の関心は高まっています。
説明会では、工事中の遵守事項をあげ、十分配慮するとしていますが、工事について専門的な知識を持たない住民の中には、不安を持つ方もおられます。

質問します。

①工事中の大型車両の乗り入れは、特に北側道路の混雑を加速する恐れがあります。大型車両の進入口を再考するなど、市は十分に協議する必要があると考えますがいかがでしょうか。

②解体廃材について、例えばアスベストがあるのではないかなど、健康上不安に思う住民がいると聞いていますが、廃材搬出作業の基準などは厳格に規定しているのでしょうか。

協議した内容があればお示しください。

回答

①工事中の安全計画について、事業者には地元住民の方々と工事協定を締結するよう指導を行っていく。

(必ず締結することになっている。協定を組んであれば、市民から不満等が出たときに、市から事業者に対して注文を付けやすい。)

②アスベストや危険な溶剤等の解体作業や搬出については、法に基づき適正に行われるようパトロールを実施するなど市として十分に注視していく。

(パトロールとは、周りを見回ること。必要に応じて中に入ることもある。
大気汚染防止法の関係では生活環境保全課
建設リサイクル法の関係では建築指導課
廃棄物処理法の関係では神奈川県(生活環境課が代理で見回る)
工事従事者に対する有害物対策としては労働基準法により国が監視

アスベストは、廃材の中に含まれている。吹き付けてあるタイプではなく、スレート(固形物)という形になっている。その場で割ったりして埃として拡散しないよう、解体の仕方も注意して行うとのこと。)

答弁後提案

ご答弁、ありがとうございました。主に条例を参照にした観点から質問してまいりましたが、市民の生活に大きくかかわる道路や保育所等の問題は、現状では市から事業者に対しては、要望という形でしか行えないという事実がよくわかりました。と同時に、答弁からはこの問題に対する市の真摯な姿勢が窺えないように感じます。学校へ入学する子供の予想数は、例えば鶴間のマンションでは文科省算定の10分の1以下だったとのことですが、それ以下の年齢の子供は多いと聞いています。仮に同じ現象が中央林間のマンションに起こった場合、保育所の大きな需要が発生します。施設内保育所の設置は要望しているとのことですが、実現に向けて、要望以外のアプローチは行っていないのが現状です。その他にも道路や学校のことなど、予想される未来に対しての検討を部や課をまたがって真剣に考えていただきたいと思います。

内山自治会など、近隣の住民は、事業者に対して要望書を提出するなど具体的なアクションを起こしています。大手建設業者と自治会等では、力のアンバランスは目に見えています。市の行政は、市民のためにあること、市がそれを示してくれることを市民は求めています。これから細かい協議に入っていく事柄もあるかと思います。このマンションの建設後、在住の市民や入居する新しい市民が快適な生活を送るためにはどのような街が最良であるのか、市民とともに考えていく方向にかじを切っていくことを強く要望いたします。