地域公共交通に関する教育や普及啓発について          (2016年12月議会 一般質問より)

2016年12月16日 09時33分 | カテゴリー: 活動報告

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高齢者の運転による事故が多発しています。大和市でも今後ますます公共交通の重要性が増します。
市民全体で公共交通について考えていくために、小学校での学習を提案しました。

 

 

1、本市の現状

 市民が住み続けたい街の重要な条件の一つに「交通」があります。本市は市内に8つの駅を持ち、土地も比較的平坦なところから、交通利便の良いまちとして市民にも認識されています。しかし、大和市総合交通施策では、基本方針として「もっと移動がたのしくなる「やまと」を目指して」を掲げ、市民が、日常生活の様々な場面に応じて移動手段を選択できる便利なまちを実現すべく、さまざまな施策に取り組んでいます。2004年4月から本格的運用が始まったコミュニティバス「のろっと」は、利用者数も安定し、今や市民の足の一つとして頼られる存在になっています。加えて2014年10月からは「やまとんGO」も本格運転を開始し、交通不自由地の減少に役立っています。

 道路が狭くコミュニティバスでもカバーできない地域における交通手段の確保を目的に、市と住民組織が協働で実施している「のりあい」は、交通事業としてだけではなく、市民が支え合う地域を作り出したひとつの運動としてこれからの地域づくりの指針ともなりうるユニークな取り組みです。

 その他にも「高齢者おでかけ支援事業」や「福祉有償運送」への協力など、本市の公共交通への積極的な取り組みは、大変評価できるものです。

2、今後の公共交通の重要性

 公共交通は、高齢化社会を迎えた日本、そして本市においてますます重要になります。昨今、多発している高齢者の運転による事故は、深刻な問題です。高齢者が運転をやめるためには、それに代わる足の確保が必要です。現在の施策をさらに推進するとともに、市民全体が公共交通に関心を寄せ、より暮らしやすいまちにするため、自分たちで考えていく仕組みづくりもまた重要であると考えます。

3、教育の提案、利点

 その対策の一つとして子どもたちへの教育への取り組みがあります。

公共交通の学習は、市の地理についての学習に直結し、公共交通のことを知ると、市政が自分たちの生活に密接に結びついていることがわかります。

コミュニティバスは車を運転しない方には好評ですが、市民全体ではまだまだ利用が少ないのが現状です。特に車を所有する若い世代やその子どもたちがその生活範囲で利用することはあまりなく、自分のこととして、公共交通について考える機会が少ないと言えます。しかし、身近な足として想像し、みなで考えることは可能です。例えば、北大和小学校付近の下鶴間から市役所まで「のろっと」がなかった場合を考えてみます。

歩いて駅まで行く。つきみ野から中央林間へ田園都市線で行き、中央林間で小田急線に乗り換え、鶴間まで乗る。市役所まで歩いて到着。待ち時間にもよりますが、着くまでに40分ほどかかる上、その内、徒歩が20分近くあるので炎天下や雨の場合は大変です。

「のろっと」なら乗り換えなしで約25分。学校付近のバス停もつきみ野駅より近い場所にあります。これを考えるだけでも、コミュニティバスの利便性は実感できます。最近は北部ルートも乗車率が高くなっています。

 バスは、市内の多様な場所に簡単に行くことが可能です。バスに興味を持つことで、市の地理や自然豊かな公園、市の歴史や公共施設に興味が広がる可能性があります。また、マイカーを使用しないことでCO2が削減され、環境対策として有効であることや公共交通は何のためにあるのかを考えることで、障がい者や高齢者の問題に行きつくことが可能です。そして、より暮らしやすい街にするためには、どのようにしたらよいのか考えるヒントが得られます。子どもが学ぶことを通して、保護者等がマイカー中心の生活を見直す機会にもなります。

 例えば「のろっと」や「やまとんGO」についてならば、路線や停留所について調べ、考えることで自分たちや小さな子ども、障がい者や高齢者など交通弱者といわれる人たちが乗りやすく、利用しやすいようにするためには、どうすればよいかなどの学習ができます。 学習をするとともに、例えばより便利な交通手段となるにはどうすればよいかなど、コンクール等を行えば、子どもに考える契機を与えるとともに良い案が出たならば、市政への提案ともなり得るでしょう。

4、札幌市の施策の紹介

札幌市では、小学生が社会科や総合的な学習の時間で公共交通について学んでいます。1年生から6年生まで全学年で行い、そのために市は公共交通を通じてまちづくりの在り方を学ぶための読本を独自で作成しています。また、読本と同時に教師向けの指導書もあり、効率よく街や公共交通について学ぶことができるシステムができています。(紹介ビラを配布)

子供向け読本では、

・公共交通って何だろう

・札幌市の公共交通

・札幌市に公共交通があると、どんなよいことがあるだろう

・札幌市の路面電車の移り変わりを調べよう

・札幌市のバスはいつ頃できてどのように変わったのか調べよう

・札幌市の地下鉄はいつ頃できてどのように変わったのか調べよう

と、分かれています。

 教師用指導書では、単元の目標や調べるところ、調べる観点、調べる方法が示されます。また授業のポイントや導入、展開、まとめの方法などが示されます。

 例えば「市の様子」の項目では「自分たちの住んでいる身近な地域について、特色ある地形、土地利用の様子、主な公共施設などの場所と働き、交通の様子、古くから残る建造物などを観察、調査したり、地図にまとめたりして調べ、地域の様子は場所によって違いがあることを考えるようにする。」や「古い道具と昔の暮らし」の項目では「地下鉄開通後の市民の暮らしの変化を調べる活動を通して、公共交通の充実による市民生活の向上について考え、適切に表現することができる。」など、単元の具体的な目標が示されています。

 札幌市がこのような取り組みを始めた背景には、自動車の普及や少子化の影響により、公共交通機関の利用が減り、その維持が難しくなっていることがあります。都市部の鉄道には現在のところ衰退の影はありませんが、地域ではモータリゼーションの進展によるさまざまな問題が起きており、地域公共交通を維持し発展させていくためには、高齢者だけでなく子どもや大人も利用し活用することが求められています。

質問

1、本市の公共交通をさらに充実させるため、これから行う予定の施策はあるでしょうか。

2、市域内の「のろっと」、「やまとんGO」について、この5年間の乗車数の推移について伺います。

3、西鶴間・上草柳の「地域と市との協働“のりあい”」の今後について、地域での話合いはどのようになっているのでしょうか。

4、市民への啓発や情報提供はどのように行われているのでしょうか。

5、本市が力を入れている地域公共交通について、意義や目的等を子どもが学校で学ぶ機会はありますか。

6、市民全体で公共交通について考えていく契機とするために、学校での教育を推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁(概略)

1、(市長)

 本市は、現状は地域公共交通網が充実し市域の広い範囲で利便性が高いが、少子高齢化の進行を踏まえると、現状の環境維持とともにさらなる充実が必要である。

 今後は、引き続き大和市総合交通施策の施策を進め、誰もが使いやすい移動サービスの実現に向けた取り組みを進めていく。

2、(街づくり計画部長)

 のろっとの利用者数は、毎年概ね33万人で推移しており、やまとんGOは、毎年増加傾向で推移している。(毎年の実数も読み上げる)

3、「のりあい」事業を継続していく上で顕在化している様々な課題について、本市を含めた関係者による検討会議を開催し、課題解決に向けた新しい運行方法を検討していく。

4、現在、市のホームページ等での情報発信、公共施設への時刻表兼ルートマップの配架、デザインラッピングを施したバス車両の展示等を行っている。

 今後は、新たにバスマップを作成(現在作成中。民間路線バス、コミバスを網羅)し、市内転入者へ配布するなど、更なる普及啓発、情報提供に取り組んでいく。

5、(教育部長)

 本市では、小学校3年生の社会科「モット知りたいわたしたちのまち大和市」の授業で、教育委員会が作成している副読本「やまと」を使って、市内の主な道路や駅の位置を確認しながら、地域の人々の暮らしが公共交通とどのように関わり合っているかを学んでいる。

6、また「のろっと」や「やまとんGO」を題材に、地域公共交通を交通弱者対策としての役割を担っているとの視点から考えることも重要であるととらえており、今後も公共交通についての学習を進めていきたいと考えている。

 

 

答弁後

 

ご答弁、ありがとうございました。

 先日の新聞(12月11日神奈川新聞)に相模原市の「シルバーライセンスリターンプロジェクト」の記事が載っていました。高齢運転者の交通事故が相次ぐ中、相模原署と相模原市、タクシーやバス会社、医療・介護従事者などが連携し、運転免許証の自主返納を支援する取り組みを始めたということです。

 今後、本市においてもこのような取り組みが必要になることと思います。そのためには公共交通のより一層の充実が不可欠です。また、市民全体で公共交通の重要性を認識することも必要です。子どもたちへの教育のさらなる充実を含めた施策をこれからも進めていただきますよう要望いたします。