市民参加の街づくりについて(3月議会一般質問より)

2017年4月6日 10時19分 | カテゴリー: 活動報告

中央林間まちづくりの工事がいよいよ始まります。近隣の住民は期待と不安で見守っています。ソフト面の運用について市民の意見を取り入れた有効な施設となることが期待されます。

以下、質問の全文と答弁の要旨です。

 

中項目1 中央林間まちづくり整備開始にあたって

2017年度は、いよいよ中央林間のまちづくりの本格的な整備が行われます。駅前の商業施設には、市民課の分室や子育て支援施設、図書館が整備され、旧緑野住宅跡地では、スポーツを中心とした多世代型の交流拠点が建設される予定です。

中央林間は、大和市の中では比較的若い世代が集う街であり、小学校や保育園、幼稚園に通う子どもも多く、子どもたちの遊び場の確保にも苦慮している現実があります。新しい施設の開発によってより快適で楽しみの多い場所が作り出されることを市民は期待しています。

どんなものが出来上がるのだろうかという期待の中で、市民の声が反映された多くの人が使いやすい施設になるのかどうかという不安の声もまた聞かれます。

中央林間街づくりビジョンに関しては、過去に私も一般質問で取り上げましたが、森の名称変更の問題では、森に関わりのある方たちから不満の声が聞かれました。のちに行われた説明会では、なぜ発表する前に知らせてくれなかったのかという近隣住民の意見が多く上がっています。

また、中央林間で現在工事中の大型マンション建築に関しては、市の行う事業ではないものの道路関係や学校の問題など近隣市民に多大な影響がある事業として、市は情報を知り得た時点で市民に教えてほしかったなどという意見が多く聞かれました。

「大和市自治基本条例」の中には、「『大きく和する』という願いをその名に込めた大和市では、市民一人ひとりが個人として尊重されること及び自らの意思と責任に基づいて自己決定することを自治の基本理念とし、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて努力を重ねていかなければなりません」という文面があります。それに基づいて「大和市市民参加推進条例」が作られ、執行機関の責務として「市民に積極的に情報を提供し、市民参加に努めねばならない」と記されています。

自治条例の理念の実現である街を市民が作り見守るのだという姿勢は、計画の段階から市民参加があって初めて生まれるものです。市民が自分たちで作り上げたと思える街は、思いがこもり、末永く大切にされるものとなるでしょう。

これから実際に中央林間のまちづくりを進めていくためにそのソフト面の運用について、本市はどのように市民参加を促していく予定なのかお聞きします。

質問

・まちづくりを進めるうえで、市民参加についてどのように考えているのか、市長のお考えをお聞かせください。

答弁

重要な計画策定や条例制定から地域に密着したまちづくりに至るまで様々な事業について意見交換会やパブリックコメント等市民参加の手法を実施し、市民の意見を伺いながら市政運営を行っている。
まちづくりに関する様々なテーマについて議論を行う市民討議会では、若者を含め、多くの世代から貴重なご意見をいただいています。
まちづくりを進めるうえで市民参加は重要な要素であると考えており、多くの市民の声に耳を傾けることで大和で暮らしてよかったと実感できる施策につながるものと考えております。

 

中項目2 パブリックコメントについて

パブリックコメントとは、市のホームページによると次のように規定されているものをいいます。行政が政策の立案等を行う際に、(1)その案を公表し、(2)その案に対して意見等を広く募集し、(3)提出された意見等を考慮して政策立案を行うとともに、(4)提出意見に対する行政の考え方を公表する手続です。行政運営に市民の意見を反映させる重要な方法であることから、市民参加の手続のひとつとして規定しています。とのことです。

パブリックコメントは、手軽で市民から多くの意見を集めることが期待される方法です。しかし、このような手法があることを多くの市民は知っているでしょうか。特に市政への関心の薄い人たちや若い人たちに知られているのかどうか疑問です。周りの若い人たちに、パブリックコメントを知っているかどうか聞いてみましたが、「名前は聞いたことがあるけど、どういうものか知らない」という人がほとんどでした。若い世代にこの制度が浸透しているとは考えにくいのではないでしょうか。言葉に関心がないと、いくら広報などで周知しても目に留まることは少ないと思います。

例えば中央林間地区街づくりビジョン案では、パブリックコメントを寄せた人は、35人おり、全部で117件の意見が寄せられていますが、若い世代が関心をもって書いたと予想される子どもが少しでも関係するコメントは1件でした。
募集の案内は、HPと広報やまとで行っています。広報やまとは大和市政の情報源として、比較的市民によく読まれていると思いますが、関心のない人は読み飛ばしてしまう可能性が高いと思います。大和のHPを常時チェックしている市民もそれほど多いとは思えません。
また、パブリックコメントの募集期間は、現在30日間となっています。大和市市民参加推進条例の第16条 2には、「意見の提出期間は30日以上とする」とありますから、条例に則っていますが、もし関心のある事業の意見の募集を人伝に聞いて、意見を寄せようと思ってもたった1か月では、募集期間が終わっている可能性もあります。
もし、もっと目につくところに募集の案内があれば、市民の目にも止まりやすくなり、より多くの意見を集めることが可能になるのではないでしょうか。

質問

①2013年度から2015年度のパブリックコメントの実施件数と寄せられた意見の状況をお聞かせください。

②パブリックコメントの案内は、例えば街づくり関係なら自治会や近隣住民、子ども関係なら保育園や幼稚園、また保護者の集まることの多い場所などの公共施設に通知や掲示をするべきと考えるがいかがでしょうか。また、市は駅や公園付近に掲示板を増設整備しています。掲示板に「○○について意見を募集中なのでぜひご意見をお寄せください」等の案内を掲示したらどうでしょうか。
スマートフォンなどを主に使う世代に対し、来年度から実施予定の「子育て何でも応援メール」や乳幼児の保護者が目にする機会の多い「らくらく予防接種」などのSNSツールにパブリックコメントを募集していると表記したり、コメント返信の画面に誘導するなど、市民がより発言しやすい機会を増やすべきと考えるがいかがでしょうか。

③市民の影響の大きい施策に関しては意見の提出期間を2倍にするなど、募集期間を延長し、より市民の意見を求めやすくする必要があると考えるがいかがでしょうか。

答弁

①平成25年 12件
平成26年 17件
平成27年 13件

法律改正など、街づくりに関する計画や施設の設置など、市民の関心の高い案件には、100を超える意見が寄せられています。

②③一括

パブリックコメントは、広報やまと、市HPへの掲載、市政PRボードの活用により周知を行っています。(PRボードは委員の公募などは掲載しているが、パブコメ行っているという掲載はなし。手法としてはPRボードを行っているという苦しい言い訳。SNSのじっしは、今のところ難しい。)
市役所、学習センター、コミセン等において資料の閲覧を供して意見を寄せやすい環境づくりに努めております。
期間については、市民が充分検討できるよう、案の公表日から30日以上を規定している。(といっても全部30日)事案ごとに適切な期間を設定していく。
今後も事案に適した周知方法、募集期間を設定し、市民から数多くの意見が寄せられるよう努めてまいります。

 

中項目3 市民参加推進条例について

2007年10月に施行された「市民参加推進条例」には、次のような条文があります。
第5条 執行機関は、市民に積極的に情報を提供し、市民参加の推進に努めなければならない。
2 執行機関は、市民が参加しやすい市民参加の機会を積極的かつ公平に提供しなければならない。
3 執行機関は、市民参加の手続きにより述べられた意見等を十分考慮し、その繁栄に努めなければならない。
4 執行機関は、市民参加の手続きにより述べられた意見等に対する検討の結果について、わかりやすく説明しなければならない。
5 執行機関は、市民が年齢、障がいの有無、国籍等にかかわりなく市民参加の機会を得ることができるよう努めなければならない。

市民参加の手続きの対象は、第6条にあげられています。
(1)総合計画及び市の基本的な事項を定める計画等の策定または変更
(2)市の基本的な方針を定める条例又は市民に義務を課し、若しくは権利を制限することを内容とする条例の制定または改廃
(3)広く市民の公共の用に供される施設の設置に係る計画等の策定又は変更
(4)市民生活に大きな影響を及ぼす制度の導入又は改廃
(5)市民生活に大きな影響を及ぼす事業の計画の策定または変更

また市民参加の手続きの方法等に関しては、第7条で述べられ、以下のような条項があります。

執行機関は、市民参加の手続きを行うときは、適切な時期に次に揚げる方法のうちから、適切と認める1以上の方法により行わなければならない。
(1)審議会等の設置
(2)意向調査の実施
(3)意見交換会等の開催
(4)意見公募手続きの実施
2 執行機関は、対象事項のうち、特に市民への影響が大きいと認めるものを実施しようとするときは、前項各号に掲げる方法のうちから、意見交換会の開催を含む2以上の方法により、市民参加の手続をそれぞれ適切な時期に行わなければならない。
となっています。

またその時期については、第3条において「市民参加は、政策形成等のできるだけ早い時期から行うものとする」とされ、逐条解説の中には、できるだけ早い時期とは「計画等の案が固まった時期ではなく、その案を検討している時期を言います」と記されています。

質問

①第7条の2で「特に市民への影響が大きいと認めるもの」とありますが、どう判断して決めるのでしょうか。

②中央林間街づくりビジョンは、市民への影響が大きい事業だと思いますが、計画の段階で意見交換会を含む2以上の方法で市民参加の手続きを行ったのでしょうか。

③中央林間地区街づくりビジョンの工事がいよいよ始まる今の段階で、ソフト面の運用についての意見交換会を行ったらどうでしょうか。

答弁

①総合計画策定、新たに市民に負担を求めるものを想定。多くの市民の参加の機会を確保する必要があるので、条例上は意見交換会を含め2つ以上。

②まちづくりビジョンの策定にあたっては、これまでに寄せられた中央林間地区に対する様々な意見や要望、市民意識調査の結果を踏まえ、素案をまとめ、この素案に対し、平成27年8月にパブリックコメントを実施し、35人の方から117件のご意見をいただいた。

③旧市営緑の住宅跡地の学習センターと東急中央林間ビル内の図書館については、今後、所定の条例改正を行う際、市民参加推進条例に定められた手法により、広く市民意見を募る予定である。

 

中項目4 中央林間地区の場所づくりに関して

中央林間地区における街づくりの基本方針は、「緑と文化に包まれた 誰もが住みたいと思えるまち 中央林間」の理念のもと 1、駅を中心とした便利で安全なまち
2、多世代が交流するまち
3、健康で豊かなまち
となっており、その中には、個別方針として「多世代の交流ができる新たな場の提供」「多世代の新たな健康維持の場の提供」があります。
特に多世代の交流ができる新たな場の提供に関しては、近隣住民は、非常に関心を持っています。「市営緑野住宅跡地」と「東急ストア3階の公共施設」について現在の計画状況を確認します。

質問

各施設はどのような使用のされ方を想定して計画されているのでしょうか。それによって何が期待できるのかお答えください。

・市営緑野住宅跡地1階
①市民交流スペース
②プレイルーム
③親子交流サロン
④子ども広場

東急ストア3階
①子育て支援施設
②図書館(市民交流スペース)

答弁

・旧市営緑野住宅跡地の施設の1階には、様々な交流活動に利用できる市民交流スペース、文化芸術活動や生涯学習を支援する多目的室、主に乳幼児が自由に遊べるプレイルーム、地域の子育て交流が行える親子交流サロンを設ける予定。

・2階は、健康維持や屋内球技が利用可能なアリーナ、シャワー室などを整備。

・屋外子ども広場には、複合遊具を配置して立体的な遊びの空間を創出し、子どもたちの好奇心や冒険心を掻き立てる施設とする予定。

・東急中央林間ビルの公共施設には、ゆったりとくつろげる図書館、行政機能の充実を図る市民課窓口、「送迎ステーション」託児、子育て相談を行う子育て支援施設を設置。

 

中項目5 子どもの遊び場に関して

子育てに関する情報や保護者の意向は、日々変化し続けています。子育て世代の要望は、昔と変わらぬものもあれば、時代によって変化しているものもあります。  昨年、現在子育てをしている若いお母さんを中心に親と子どもの居場所づくりに関する話し合いの場を設け、知り合いに広く呼びかけてアンケート調査を行いました。500を超える声が集まりました。その声は、本市のこども部に届け、市政の運営に生かしてもらいたいと要望しています。アンケートの中には孤立した子育ての中で、何かを相談したい、子育てに関する話し相手が欲しいなどの昔からある要望もあれば、子どもの遊び場は清潔を一番重視するなどの今らしい要望も多く挙げられました。
実際に当事者に聞いてみなければ気づかない事柄はたくさんあります。
たとえば、シリウス内屋内こども広場は、0~2歳児の無料の「ちびっこ広場」と3歳児以上の有料の「げんきっこ広場」がありますが、開館当初、「げんきっこ広場」では、保護者の同伴が必要にもかかわらず、2歳児以下の子どもは入ることが出来ませんでした。
保護者から実際お聞きした話では、友達同士で一緒に登録して遊ぶことを楽しみに待っていたにもかかわらず、行ってみたら赤ちゃん連れの保護者は入れないことが分かり、グループ内で入場出来る人と出来ない人が出てしまい、気まずい思いをしたということです。
施設における安全管理上のお話しがあるかもしれませんが、開館以降、屋内こども広場には多くの問い合わせがあり、12月には、保護者が子どもの事故防止に十分な注意をすることを前提に、3歳未満の弟・妹の入場について可能になったとのことですが、これなどは、実際に施設の運営を始めてから、小さい子を持つ保護者にヒアリングを行ったことで、分かった事例だと思います。
もし、事前のヒアリングが行われ、小さい兄弟姉妹がいる場合の対応を十分に考慮して開館していたら、安全面の確保ができれば兄弟姉妹も受け入れることが可能になるなどの説明により希望を持たせることで、開館時拒否されたという感覚は持たれなかったのではないでしょうか。

昨年、保育園運営に関わる仲間たちと大和市内の保育園と公園の関係及び使用状況を調査しました。待機児童対策のため、急激に増えた保育園には、園庭のないところが多いため、子どもたちは近くの公園に遊びに行っています。いざ行ってみると他の保育園児が遊んでいるため、他を探すため公園遍歴をすることも多くあるとのことです。公園も少ないため、遊び場を充分に確保できているとはいえない状況です。保育園児が公園を占領していると、園に通っていない地域の子どもたちの遊びにも影響します。
北部地域にできる「市営緑野住宅跡地」の子ども広場やプレイルームは、子育て世代の保護者にとっても子どもの貴重な遊び場として期待されています。また、東急ストア3階の図書館も絵本などを読みながら親子でゆったりと過ごせるスペースとして楽しみにされています。
シリウス子ども広場のような事態にならないよう、場所の運用に関しては、現場の意見を充分に聞き出し、期待に副うものとなることが望まれます。

質問

・中央林間地区街づくりビジョンの中の交流スペースや親子交流サロン、子ども広場等について保育園や幼稚園、学校などの子どもに関わる現場の意見、また現在子育て中の保護者の意見を訊く機会を設けるべきと考えるがいかがか。

答弁

・まちづくりビジョン及び「旧緑野住宅跡地施設整備基本計画」に基づき、保育士など専門職からの意見や提案、先進都市への視察などをふまえ、基本設計をまとめ、昨年11月に公表した。

・基本設計の公表時には、自治会など地域への説明会を実施し、その際には、現在子育て中の保護者ならではの視点でのご意見をいただいた。

・現在進めているより詳細な実施設計がまとまり次第、自治会など地域への説明会を実施するとともに、広く情報提供を行っていく。

 

答弁後要望

パブリックコメントについて、HP上に公表されている提出された意見件数をみますと、例えば平成27年度は、13件中ひとけた以下の意見数のものが12件でした。うち、0件が7つです。条例の一部改正についてなどが多いので、意見が寄せられない場合があるのも理解ができますが、100件以上の意見が寄せられたパブリックコメントは3年で42件中、4件だけというのは寂しい限りです。
繰り返しになりますが、市民にパブリックコメントという制度が十分に周知されているとは思えません。市政に対し、意見を言ってよいのだ、市は自分たちの意見を募集しているのだという認識を持つ方が多ければ多いほど、内容の濃い意見が集まることが予想されます。
PRボードも活用しているとのご答弁でしたが、現在は委員の公募などが多く、パブリックコメントを募集しているというお知らせはありません。事業に見合った募集期間の延長やSNSの活用を含め、さらなる周知の検討をお願いいたします。
市民参加推進条例の中で、意見交換会を含む2つ以上の方法で市民参加を行うとする「特に市民への影響が大きいと認めるもの」は、「総合計画策定、新たに市民に負担を求めるもの」例えば、増税などとのことです。はっきりとご答弁いただけませんでしたが、「中央林間街づくりビジョン」は、条例の中では、「特に市民への影響が大きいと認めるもの」の中には入っていません。よって、プランの策定に当たって意見交換会は行われていません。これは、ふつうの市民感覚から、非常にずれていると言わざるを得ません。
総合計画などの大きな事案は、よほど市政について詳しい人でないと意見を言うことすらできません。街づくりビジョンなどでも、計画の漠然とした段階では、何を言っていいのかわからないのが普通だと思います。

中央林間東急の3階の施設と旧緑野住宅跡地の施設について、ご答弁で説明していただきましたが、現状、つまり設計図ができ、全体の構想がわかって初めて「このような使い方がしたい」という意見を出せるのが一般市民ではないでしょうか。そのソフト面の運用について、今からでも積極的に意見を求め得ていくべきです。施設が出来上がり、期待して赴いた市民を失望させることがないよう、事前に十分な説明を行うのも行政の役目です。

市長からは、まちづくりを進めるうえで市民参加は重要な要素であると考えている旨のご答弁がありました。意見を交えながら、「自分たちが作り上げたまち」であると実感できる市民が増えるよう、努力していってほしいと思います。