「共謀罪」反対の意見書を提出しました

2017年4月6日 10時31分 | カテゴリー: 活動報告

神奈川ネットは3月の議会で議員提出議案として「共謀罪」に反対する意見書を提出しました。言論の自由を守るため、通してはならない法律と考えますが、4月6日には衆議院本会議で審議が始まってしまいます。大和市議会では、この意見書は賛成少数で不採択となり、提出は見送られました。

以下、本議会で発言した賛成討論です。

 

「共謀罪」の成立要件を絞り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案は、私たち市民一人ひとりの心の中に、国家が介入しうる法律です。

現在の社会では、刑事犯罪は基本的に「既遂」を罰します。しかし、この法律はただ共謀した、話し合いをしたというそのことを対象にしています。これを取り締まるためには、警察があやしいと思った市民の発する情報、すなわち、電話や電子メールなどの通信手段を監視する必要が生まれます。すなわち、警察による「市民監視」を生み出す法律です。

政府は「一般の人が対象になることはありません」と述べています。これは裏を返せば「共謀罪の対象になるような人は、一般の人ではない」ということです。「危ない」発言をした人は、一般の人ではなくなってしまいます。これは誰にでも起こりうることです。

これによって、どのような社会が到来するでしょうか。まず、人々の間に「こんなことを口にしてはいけない」という制御の気持ちが生まれます。それによって言いたいことを言うという自由な発言が縮小されます。各人の心に怖れが生まれ、何かが話題に上っていることを耳にした人は、自分の身を守るために警察に通報するかもしれない。市民同士による監視社会が誕生します。

まさかそんな世の中が来るはずはない、と思っている方が大半だと思います。市民の関心もそれほど高いとはいえません。しかし、私たちは今こそ、歴史に学ぶ時です。戦前の治安維持法が世の中を覆い尽くした時から、たった80年も過ぎてはいません。

法律は暴走しかねない。これを肝に銘じ、もっと恐れるべきです。暴走し始めたら、政治や社会はそれをコントロールできない、その過去の事実を恐れるべきです。これは、どんな政治的思想の持主であろうと持ち合わせていなければならない感覚だと思います。

テロを予防するための法律ということですが、テロは共謀しなくても一人でも起こすことが可能です。共謀罪は必要ない。そう断言し、賛成討論といたします。

 

以下、意見書案です。

組織犯罪処罰法改正による仮称「テロ等準備罪」の新設に反対する意見書(案)

政府は、仮称「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の今通常国会での成立を目指している。
共謀罪の法案は、過去2003年から3度にわたり提出されているが、捜査機関による乱用や人権侵害への懸念による反対の高まりで、その都度廃案になっている。今回の仮称「テロ等準備罪」は、テロ対策を前面に出し、共謀罪の構成要件を絞り込んだものとされているが、テロ対策は、現行の法律で十分対応できるため、新たな法整備の必要性は薄い。

「テロ等準備罪」は、犯罪的行為が実行されたことに対する処罰を行うという近代刑法の原則を否定し、共謀したという事実や推測のみをもって処罰しようとするものである。日本の判例では2人以上集まれば団体とされるため、市民団体、労働団体などすべての団体が対象となり得る。結社の自由を押し潰す全ての団体の取締法となる危険がある。

法案が成立した場合に市民生活、社会に及ぼす影響は計り知れない。いかに対象犯罪を絞り込んだとしても、成立要件の曖昧さのゆえに、捜査機関による恣意的な運用が懸念される。市民相互の信頼が失われ、厳しい監視社会の到来が危惧されるだけでなく、個人の基本的人権の擁護を前提とした民主主義の原則および憲法が保障する言論の自由を侵害するものである。市民に近い地方議会として、そのような状況は看過できない。

よって、本市議会は、組織犯罪処罰法の改正による仮称「テロ等準備罪」の新設に反対する。