一時保育についてのフィールドワークを行いました

2017年11月6日 21時22分 | カテゴリー: 活動報告

 


神奈川ネットワーク運動はこの夏、子ども子育て支援調査プロジェクトを立ち上げました。
神奈川県市町村における保育所の一時預かりの現状を調査するとともに、現場の意見を聴くフィールドワークを行っています。10月から11月にかけて、メンバーが一時保育に力を入れている保育所を訪ね、現状を伺いました。お邪魔したのは、下記の施設です。

10月26日(木)
NPO法人 のはらネットワーク「子育て子育ち支援センター一時保育さんぽ」(横浜市都筑区荏田南)
特定非営利活動法人 ピッピ・親子サポートネット「ピッピ保育園」(横浜市青葉区荏田西)
10月31日(火)
特定非営利活動法人 ワーカーズ・コレクティブ「キッズポケット」(横須賀市 久里浜)
11月2日(木)
NPO法人 さくらの森・親子サポートネット「さくらの森保育園」(大和市桜森)

「保育園落ちたにほん死ね」に象徴されるように、今、子育て世代にとって保育園に入れるかどうかが非常に注目され、首都圏では、各市町村も待機児童ゼロをめざして保育園を作り続けています。働かねば生活できない、そのために子どもを保育園に預かってもらわねば困る。それは切実な問題ですが、そこにばかり税金が投入され、子育てに専念し、孤育てに陥っている親子、なるべく子どものそばにいたいと考える保護者に対しての支援が不足しているように感じます。本当は週2~3日だけ働きたいのに、それでは子どもが保育園に入れない、という理由でフルタイムで働く等の本末転倒な事例もあります。

保育園の一時預かりには、非定型的保育と緊急的保育があります。国の制度では、緊急的保育は、どんな理由でも預けることが可能なはずですが、保育士不足など保育園側の受けいれ体制に不備があり、希望してもなかなか預けることがかなわないのが現状です。また、その料金も市町村や園によって様々です。

今回、プロジェクトメンバーが訪問した保育所は、一時保育を熱心に行い、親と子のサポートに力を入れている施設です。
子どもが幸せであるには、その保護者が幸せであり、子育てを楽しめることが必要です。子育てを楽しむためには、子どもをおおらかに見守る気持ちの余裕が必要です。まわりの助けが得られず、孤育てに陥っている保護者の中には、その余裕がなくなっている方もおられます。一時保育は、子どもを一時的に預かることで、保護者が余裕を取り戻し我が子に向き合うことができる、その支援でもあります。

保護者が育てにくい、と感じるお子さんの中には、何らかの障がいがあるなど、社会的支援が必要なお子さんもいます。しかし、保護者はその事実に目を背け、子どもの障がいを受け入れられない場合もあります。また、人間関係や経済的困窮など、さまざまな悩みを抱えたまま保護者が誰にも相談できないときには、牙が子どもに向き、虐待を行ってしまう可能性もあります。
保育所が関係を持ち保護者に寄り添うことで、その悩みを和らげ、時には、自治体の制度の利用紹介も行うことができます。一時保育の現場では、困難を抱えた家庭と出会うケースが多くあるということです。そんなケースを見のがさないために、緊急的保育はできるだけ断らない、というのが今回訪問した各施設に共通することでした。

保育園が増えるに従い、保育士不足が切実な問題になっていますが、一時保育はスタッフにとっても働きやすい環境であるという事例もこれらの施設には見られました。現場にシフト制を導入することで、短時間労働が可能となり、子育て中の方でも保育者として働くことができます。またこれらの施設は、ワーカーズコレクティブというみなが意見を出し合い事業を運営する方法を採用しています。自分の意見を言える場所であり、メンバーがお互いを生かせる場所である。子どものための保護者のための保育とはどういうものなのか、ひとりひとりが考え、行動することでやりがいが生まれ、そこで働きたい人も集まってくる。そんな好循環がありました。

一時保育をする施設が増え、その機能が十分に働けば、虐待予防になり、短時間労働を希望する保護者の受け皿になることによって、待機児童対策にもなり得ます。今回訪問した現場の事例とそこから見られた課題を検証することにより、一時保育の重要性を説き、政策提案につなげていきたいと思います。