就労支援カフェの効果 〜高知県南国市 社会福祉協議会 視察報告〜

2018年2月15日 23時37分 | カテゴリー: 活動報告

2月6日(火)高知県南国市を訪れ、社会福祉協議会が取り組んでいる「就労カフェ」についてお話を伺いました。

南国市は生活困窮者自立支援制度における市の事業として必須事業の他に「就労準備支援事業」と「家計相談事業」を行っています。
その中のユニークな取り組みの一つとして「就労カフェ」を開き、中間就労の場所として機能しているという話を聞き、視察をお願いしました。

「就労カフェ」の営業時間は、毎週火曜日の8:45~13:00。
ちょうど火曜日にあたっていたので、まずカフェにお邪魔して、コーヒーをいただきながら中の様子を見学しました。コーヒーは150円でしたが、ケーキとセットで200円という安さ。毎回、30~40人の方が訪れるそうです。社会福祉センター内にあるので、社協の職員さんたちの利用も多いとのことです。

ここは、生活困窮者自立支援事業の窓口の一つであるとともに、支援の必要な方の「中間就労」の場所です。窓口に来た人が、例えばお隣の高知市にあるハローワークに行く交通費がない時、自立支援事業の税金から交通費を支出することは制度上できませんが、カフェを開くことによりその収益から交通費をねん出することができます。また、カフェで働くことにより、自ら賃金を得るという体験をすることも可能です。
長い間引きこもっている、人と接するのが怖いなど、いきなり社会に出ていくことはハードルが高い人のために中間就労はあります。
南国市がこのカフェを始めた経緯は、市内に働く場所が少なく中間就労を依頼する場所がないからということですが、カフェだからできることもあります。人と接することが苦手な人には、飲み物やお菓子を用意したり、食べたものを片づけたりする仕事があります。慣れれば、お客さんに少し近づき、接待の仕事をする。そうして人と接する恐怖心をなくしていけます。また、「カフェがあるから気軽においで」と困窮している人を相談に誘うことも容易です。
今までの中間就労としての参加者は6人。10歳代から40歳代の方とのことですが、そのうち4人は企業等の就労に結びついているとのことです。

単発的に地域でカフェを開く試みも行っています。1日限定ですが、その地域で長年引きこもっていた方2人を交え、カフェを開いた事例が紹介されました。約3000人の人口のまちで、その日は約100人の方たちがこのカフェに足を運んでくれたそうです。初めから最後までずっとおしゃべりしていた高齢者の方たちの横で、子どもには無料で開放したことにより、大勢の子どもたちが集まりました。高齢者の居場所やこども食堂としての機能が発揮され、また引きこもっていた当事者は、地域と顔をつなぐことができたことにより、その後も文化祭のお手伝いをするなど、地域とのつながりが持てたとのことです。

南国市は、生活困窮者自立支援制度の広報にも力を入れています。また、様々な機関と連携することにより、ネットワークを作ることにも取り組んでいます。
ひとつのことを熱心に行うことにより、新たな課題が見えてくる。その課題を解決するために固定観念に縛られない取り組みを行う。そしてまた、課題が見えてくる。一歩一歩進むことにより、制度は充実していきます。社協の職員の方の熱心な取り組みが、南国市の生活困窮者自立支援事業を意義あるものとしているのだと強く感じました。

余談ですが、南国市役所は「後免」(ごめん)という土讃線の駅の近くにあります。土讃線には「大歩危」(おおぼけ)という名前の駅もあります。ユニークなので、思わず写真を撮ってしまいました。