大型マンション等建設と大和市の対策について(2018年3月一般質問より)

2018年3月31日 12時17分 | カテゴリー: 活動報告

北部地域内山地区にある大型マンション「ドレッセ中央林間」の工事が日々、進んでいます。販売も開始されており、周辺住民は今後の影響を固唾をのんで見守っている状況です。北部地区の人口増加は、住民増加という面では喜ばしいものではありますが、現在でもいっぱいの北部小中学校の受け入れ問題は、今後の対策が急務です。

1、大型マンション等建設に関連して

大型マンション「ドレッセ中央林間」は、452戸のウエスト街区が2019年2月下旬に竣工、3月下旬に建物引き渡しが予定されています。残りの半分、405戸のイースト街区は、2020年3月引き渡し予定です。
現在、エアリーコートと呼ばれる南西の1棟192戸が販売されています。
時折、自宅のポストに広告が入っています。その中では、ショッピングや交通の利便性が強調され、3月28日にオープン予定のとうきゅう3階、大和市公共施設の紹介もあります。「32,000㎡超の広大な敷地に親子の時間をはぐくむ、多彩なふれあい空間」「家族の幸せがつながる、大空とガーデンの暮らしへ」などのキャッチコピーは、育ち盛りの子どもを育てる家族をターゲットとしていると思われます。住居専有面積は68.63㎡~85.25㎡で、販売予定価格は、3,888万円から6,248万円と高めに設定されていますが、広告では、「南向き3LDK 3,800万円台~ 月々返済6万円台~」と若い人にも購入できそうな文句が並んでいます。

2月下旬にモデルルームに行ってみました。休日でしたので、たくさんのお客さんが個々に説明を受けていました。モデルルーム担当者の話によると、その時点で販売予定数192戸のうち、約100戸は予約済み。購入者層は戸建からの住み替えをする60歳代が約20%。残りの80%はそれ以外。小中学生の子どもがいる人は、転校の問題などであまりおらず、20~30歳代の共働きの家族が多いとのことです。
現に小さな子どもを連れた家族連れの姿もありました。説明内容の中には、近隣に保育所がたくさんあること、大和市は現在待機児童数0であり、今後も建設の予定があることやとうきゅう3階の公共施設の内容もありました。公立小学校は中央林間小学校だという説明もありました。

中央林間地区は、交通の利便性から現在も共働きの夫婦と子どもが多い地区です。2019年度以降の保育園や学校対策のために、少しずつでも将来、大和市民になるはずの入所者情報を入手すべきであると考えます。
また、担当者は、中央林間とうきゅう3階に送迎ステーションができること等を来場者に説明していますが、ここは幼稚園に通う子どものためのもので、保育園児は使えないことを知らないようでした。現にチラシの中の文面も「大和市初の保育園送迎バスステーション」となっています。市からの正確な情報が伝わっているのかどうか疑問があります。

北部地区のマンション問題では、先月閉店したイオンつきみ野のあとに600戸を超えるマンション計画が上がっています。また、堺川沿いの山谷南地区に70戸以上の戸建て住宅ができる予定です。
この2つの場所は、今でも子どもが入りきらず増築を行う予定の北大和小学校学区です。今後の対策は必須です。

2016年9月一般質問で私が行った中央林間大型マンションの小中学校についての答弁で、教育部長は、
「ここ数年、市内に建設された大型マンションに入居した児童生徒は、文部科学省の基準によります宅地建設により予想される児童生徒数の算定から算出した児童生徒数を大幅に下回っていることから、当該マンションによる児童生徒の増につきましては、既存の小中学校での受け入れが可能であると考えております。」と答えておられます。

入居者の増加は、駅の混雑度や保育園、幼稚園、小中学校の入校に影響します。将来的には、高齢者施策にも影響することになります。近々市民となるマンション購入者の情報を把握するために、売り主と情報を共有し、対策を立てるべきと考えます。

質問します。

「ドレッセ中央林間」の建設に伴い、小中学校の受け入れについて、現在どのような対策を行っているのかお答えください。

答弁
当該マンションによる児童生徒の増加について、中学校ではこれまで通りつきみ野中学校での受け入れが可能であると考えているが、小学校では、児童数の増加や通学路の安全性などを勘案し、これまでの緑野小学校から中央林間小学校へ学区を変更することとした。今後も、児童推計や入居者の情報など、様々な状況を把握し、児童生徒数の動向を注視していく。

 

2、北部人口増加による大和市の対策について

現在、本市は「次期大和市総合計画」を策定中です。大和市総合計画審議会に配布した資料の中では2028年度の人口を24万人と見込んでいます。人口増加の基本的考え方は、2017年度10月現在の住民基本台帳を基に将来推計を行うとし、計画期間を含め、今後20年分の人口について、コーホート要因法により推計するというものです。コーホート要因法とは、年齢別人口の加齢に伴って生ずる年々の変化をその要因である死亡、出生、および人口移動ごとに計算して将来の人口を求める方法です。次期総合計画に大型マンション建設による北部地域の人口増加や他地域の大型マンション、戸建て建築による人口増加は考慮されているのでしょうか。

また、2017年3月策定の「大和市立地適正化計画」には「近年も、工場等の跡地にマンションや戸建て住宅が立地するケースが見られており、今後も、貴重なまとまった企業用地が住宅等へ土地利用転換されてしまう懸念があります」とあります。

その懸念に対し、どのような対策を行っているのでしょうか。

その対策の一つとして、今年、2月21日に示された「大和市開発事業の手続き及び基準に関する条例等の改正に対する意見募集について」が公表されました。3月1日から30日の期間、パブリックコメントを募集しています。この中には、「大規模な土地取引を行う前や開発事業の構想段階で市へ届け出させる制度を新設する」とあります。
「また、開発規模に応じ市との協議を義務付けている学校及び保育施設に関する基準については、大規模共同住宅の新築が及ぼす影響が大きいことを踏まえ、協議対象の範囲を拡大します。」とあります。

協議をするだけでは意味がありません。市の負担を少しでも軽減する対策が必要です。

500戸から200戸へと協議対象を拡大し、少ない戸数でも市長と協議する必要を加えることにより、市政にどのような利点が考えられるのでしょうか。

また、保育所施設の設置等に関する協議を拡大するとのことですが、条例第36条の解説の中で、「協議の内容については、開発事業者が自ら整備することのほか、開発事業の性格によっては用地として確保していくことも想定される。」とあるのみで、拘束力は強くありません。現に857世帯である「ドレッセ中央林間」の場合でも、敷地内での保育所整備はできませんでした。

今後の対策として、大規模マンション建設に際しては、条例に「必ず保育所を施設内に開所する」という規定を作るなど、人口の急激な増加に対して事業者に協力させる体制を作りだすべきであると思います。

現状に目を向けますと、今後の住民拡大による北部の学校の受け入れについて考えると、学校校区再編で乗り切ることができるのか、疑問です。また、現在でも1キロ以上歩かなければならない子どもたちもいます。

北部地区人口増加に伴い増加すると予想される小中学校の児童・生徒の増加対策として、学校新設や分校の開校に着手する時期が来ているのではないでしょうか。これは、北部地域に住む多くの市民が感じる懸念ではないかと思います。
質問します。

①中央林間に857世帯、つきみ野に600世帯以上、市民が増加することになります。また、山谷南地区には、70戸以上の戸建て住宅が計画されています。とくに北部地域の人口増加を読む必要があると考えます。次期総合計画にこの人口増加や他地域の大型マンション、戸建て建築による人口増加は考慮されているのでしょうか。

答弁
コーホート法を用いながら一部、加味している。過去5年の通常のレベルを上回る所について、人口推計作業の時に明らかになっていたドレッセ中央林間、大和駅付近相鉄ローゼン跡地196戸は考慮している。

②2017年3月策定の「大和市立地適正化計画」には「近年も、工場等の跡地にマンションや戸建て住宅が立地するケースが見られており、今後も、貴重なまとまった企業用地が住宅等へ土地利用転換されてしまう懸念があります」とあります。
その懸念に対し、どのような対策を行っているのでしょうか、また今後行う予定なのでしょうか。

③条例を改正することによって、どのような利点が考えられるのでしょうか。

答弁③
業者には、土地利用の構想段階で、市に届け出を出してもらう。
具体的な計画が固まる前の段階で届け出を出してもらうことになる。
それによって、市の考えや要望、法令基準などを事業者に伝えることが可能となる。
また、土地利用構想の段階で周辺住民に説明会をすることを義務付ける。
周辺環境と調和した計画的な土地誘導を図ることが可能となる。

④今後の対策として、ある規模以上の大規模マンション建設や住宅街建設に際しては、条例に「必ず保育所を施設内に開所する」という規定を作るなど、人口の急激な増加に対して事業者に協力させる体制を作りだすべきであると思いますが、市長の見解をお聞かせください。

答弁②④(市長)
・条例の改定について
より早い段階で協議を整えるため、見直しを進めている。現在パブコメを行っており、市民の意見を踏まえて議会に上程する。
・届け出制度を新たに設け、土地取引を行う前に市の方針を業者に告げることによってその後につながると考えている。
・保育所については、協議対象を拡大する。整備基準を策定し、公表していく。
あわせて、建築基準法に基づく総合設計制度について、保育施設を設置する場合には一定の基準により容積率を緩和するなど誘導策を提示する。
開発業者の協力を得られるよう、いろいろな角度から設置しやすい条件を作っているとことである。

⑤子どもの数はいずれ減少すると予想されますが、当面は北部地域では子どもは増えると予想されます。公立学校を希望する児童生徒は必ず受け入れざるを得ないばかりか、当事者である子どもたちの学校生活はその時かぎりです。
人口増加に伴い増加すると予想される小中学校の児童・生徒の対策として、学校新設や分校の開校に着手する時期が来ているのではないでしょうか。教育長の見解をお聞かせください。

答弁(教育長)
教育委員会では、大和市立小中学校規模適正化基本方針に基づき、社会状況の変化を踏まえた総合的な視点から児童生徒にとって望ましい教育及び学習環境の整備を進めている。
市の北部地区については、宅地開発や大型マンションの建設等により児童生徒数が増加傾向にあるが、北大和小学校では、児童推計等を勘案し、学校、地域住民と協議を重ねる中で、平成32年度に新しい校舎の増築により対応することとした。

今後も学校規模適正化基本方針に基づき、適正な学校配置となるよう、通学区域の弾力的運用や通学区域の見直し、校舎の増築等、あらゆる手法の中から総合的に判断していく。

答弁後要望等

北部の住民増加に伴う今後の動向について、市民は対策の必要を強く要望しています。超大規模校の今後について、一体どうするのか、と多くの議員が市民の方から要望を投げかけられていることと思います。

この度の大和市開発事業の手続き及び基準に関する条例等の改正によって、土地利用構想の計画が固まる前の早い段階で、市に届け出を出す仕組みを考え始めたことは、ひとつ、前進かと評価いたします。

変更が難しい計画が固まった後にではなく、土地利用の構想段階で周辺住民に説明会を義務付けるとした改正は、市民に歓迎されることと思います。特に最近増えており、今後も計画が予想される北部地域の大型マンション建設は、周辺住民のみならず、将来の市民である入居者の生活環境に直結します。周辺住民も納得する先を見据えた街づくりができることを望んでやみません。大規模マンション建設に伴う保育所の整備についても、条例の改正が有効に働くことを期待いたします。

しかし、企業用地が縮小するのを止めるための有効な手段を示すことができないのは残念です。企業等の意向もあり、市が介入するのには難しいこともあるかと思いますが、企業に対する様々な支援策を導入するなど、優良な企業が本市に留まり続け、また新たに誘致できる対策を模索し続けていってほしいと思います。

学校対策については、今までの議会でのご答弁より柔軟な姿勢が見えてきたことは歓迎いたします。業者にもご協力いただき、将来の住民であるマンション入居者の情報を、こまめに入手し、対策を講じてください。「学校規模適正化」という観点からすれば、超大規模校の現状は「適正」とはいえません。将来の少子化を見据え、新しい学校をつくることが困難であるなら、分校の開校を模索するなど、子どもたちの学校生活に支障のきたすことのないような対策にすぐにでも着手することを要望いたします。