性的マイノリティの人権について(2018年3月一般質問より)

2018年3月31日 13時09分 | カテゴリー: 活動報告

近年、LGBTなど性的マイノリティについての報道が、かなり頻繁にされるようになりました。理解は進んでいるとはいえ、当事者の生きにくさはまだまだ解消されていません。共生社会に向けての一環として、性的マイノリティの人権についてを取り上げました。

 

性的マイノリティの人権については、前回の定例会で共産党の佐藤大地議員が取り上げました。本市の現状につきましては、その答弁で言及されております。また、「LGBTを含む性的少数者が自分らしく生きられる環境整備を求める意見書」が全会一致で採択されました。
それを踏まえて、教育現場や病院での対応等について質問してまいります。

先日、ピョンチャンオリンピックが閉幕しましたが、選手たちの中で性的マイノリティであることを表明した選手が15人いたという報道がありました。夏季大会では、2016年のリオデジャネイロオリンピックで50人以上の選手が表明し、自分の性的指向に悩んでいる人たちに大きな影響を与えています。

性的マイノリティ、またはLGBT、あるいはLGBTIとも言いますが、改めてその定義について申し上げますと、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダー、いわゆる性同一障害の方。Iはインターセックスで、医学的には性分化疾患を含み、昔から半陰陽と呼ばれている方はここに入ります。

これらの方たちは、世界的に長年虐げられてきた歴史があり、同性愛は死刑という国も残念ながら存在します。日本は、性的指向に歴史的には寛容な国でしたが、明治期以降、西洋からの影響で異端視される傾向が強まりました。大正期には「変態性欲」という語がもてはやされ、一種のブームになり、文学や民俗学で多く扱われています。「変態」とは、今でも人を侮蔑するときに使いますが、このような言葉の使用が広まるにつれ、何かいけないこと、隠しておかねばならないことのような雰囲気が社会の中に生まれました。

それがために、自分は異常なのではないかと悩む人がいるわけですが、性的マイノリティである方は、それほど少なくないことが数々の調査でわかってきました。2015年に行われた電通総研のデータでは、LGBTの対人口比は、7.6%となっています。

性染色体・生殖器・性ホルモン分泌などの組み合わせが典型的でない体を持って生まれた人たちは、インターセックスと呼ばれていますが、疾患は70種以上あるといわれています。現在日本では、生まれた赤ちゃんが男か女か判別が難しい場合は、出生届を出すときに性別を保留できますが、大和市で保留の届け出があった例は、市民課からの情報によると、この10年間で1件だけとのことです。外性器の外観では性別を判別しにくい状態で生まれる新生児は2000人から4500人に1人というデータもありますので、実際はもっと多いはずですが、手術等を行ってどちらかの性に決めてしまうケースもあることから、届け出は少ないのだと思われます。

性的マイノリティについての認識が社会に根付きつつあると私が実感したのは、スマートフォン上で家族の絵文字を見た時です。男と女のペア、男と男のペア、女と女のペアの他に親と子どものバリエーションが25種類示されています。男女のペアと子ども一人、二人、から始まって、男同士のペアと子ども一人、二人、女同士のペアと子ども一人、二人、女親と子ども、男親と子どもなど、想定される様々な種類の家族が示されています。近年、映画やドラマ、小説や漫画などでは、LGBTは頻繁に取り上げられています。2年以上前の海老名市議の同性愛者についての発言が、強い批判にさらされたことも社会に性的マイノリティの方たちが受け入れられつつある証拠でしょう。しかしまだまだ充分ではありません。

アメリカでは、例えば女子大学には誰が入れるのかが検討されており、体は男性であっても心が女性ならば入学を許されるなど、「性別とは当事者の心である」という考え方が主流になりつつあります。日本も検討を始めなくてはならない時期に来ていると思います。

この4月、福岡市が「パートナーシップ宣誓制度」を導入する予定です。認定制度としては、全国7例目になります。市の担当者は、「行政が公的に支援することを機に市民の理解につなげたい」と話していると新聞報道で読みました。

行政が制度導入に取り組む理由は、そこに不自由を感じる市民がいるからです。

制度導入に反対する意見の中には「結婚や家庭という伝統的な社会の基盤を優先すべきだ」「一層の少子化を招く」などがあります。しかし、実際には、同性愛の人は異性婚を否定しているわけでも、制度があってもなくても異性と結婚するわけではありません。
そして、制度導入によって不利益を被る市民は考えられる限り、誰もいないはずです。

自分が男であるとか女であるとかあるいはどちらともいえないという「性自認」。性的に異性に惹かれるとか同性に惹かれるという「性的指向」は、生まれながらに決まっていて、変えようとしても変えられないものです。

経験のある方も多いと思いますが、青少年時代に同性に惹かれるのはよくあることです。しかし、齢を重ねるにつれ、異性に興味が移っていく、というのがいわゆる「普通」のパターンです。しかし、年齢を重ねても、変えようと努力をしても変えられないのが「性自認」や「性的指向」です。ですから、「単なる思い込み」と軽視したり、「指導すれば変えられる」というのは間違いです。

なぜ、このことを問題視しなければならないかというと、今の社会の中で、性的マイノリティの人たちは、自己肯定感が低く、自殺率が高いと言われているからです。それについては、様々な統計がすでに出されています。学校生活では、不登校やいじめ問題に直結します。

性的マイノリティに係る問題では、必ずと言ってよいほど「カミングアウト」という言葉が出てきます。性的マジョリティの話題の中で、男性が「俺は実は女が好きで」とか、女性が「私は実は男が好きなの」などとは普通、言いません。それは、自然のことだと思われていますし、そんなことを言えば、かえって変な人だと思われます。

先ほども述べましたように性同一障害の「性自認」、すなわち男の身体であっても自分は女であると思うことや、女の身体であっても自分は男だと思うこと、あるいは「性的指向」すなわち、異性に惹かれるか、同性に惹かれるかは、生まれながらに決まっており、本人にとっては「自然」のことです。

ですから、本来「カミングアウト」というのは、不自然な言動のはずですが、表明しなければ生きにくい現状があるがために、本人たちはそれを行っているのです。

今回の一般質問では、次の3点に絞って、本市の対応をお聞きします。

1、小中学生の子どもに対しては、自殺やいじめ防止の観点などから性同一障害(性別違和)への対応が急務であること。

2、目に見えにくい問題ではあっても、当事者が必ず存在するために、LGBTの人権教育が中学生にとって時期的にも、教育的にも有効であること。

3、大人に対しては、同性パートナーであることを理由に差別されない合理的配慮の実施が望ましいこと。

の3点です。

中項目1 小中学校における人権教育の現状について

小中学生の子どもに対しては、自殺やいじめ防止の観点などから性同一障害(性別違和)への対応が急務です。

2016年4月、文科省から「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、 児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」が通知されました。そこには、性同一障害に係る児童生徒についての特有の支援の在り方や、「性的マイノリティ」とされる児童生徒に対する相談体制等の充実についての対応が示されています。

この通知は、2010年の「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」や、2014年閣議決定された「自殺総合対策大綱」を踏まえて出されているものです。
その内容は、主に、相談を受けた場合の支援体制に重きが置かれていますが、教職員の資質向上の取り組みについても言及されています。

12月定例会の佐藤大地議員への答弁では、本市の現状は、「教師向けに県主催の講演会を案内している」「中学生には保健体育で性同一障害について学習している」「必要に応じてスクールカウンセラーに繋げ、相談しやすい環境に努めている」というものでした。
相談しやすい環境を作りだし、相談を受けた場合は対応に万全を尽くすべきであることはいうまでもありません。それが不登校やいじめ、自殺防止につながり得ます。

しかし、「相談しなければ悩みが解決しない」のでは、ごく一部の児童生徒を救うことしかできません。相談しなくても悩まないで済むようにするのが最善策です。

相談しなくても悩まないで済む環境にすること。
それは、選択の自由を増やすことです。

性同一障害の生徒が中学校に入る際、第1の難関は制服があることです。特に性自認が男性で身体は女性の生徒がスカートをはくのはハードルが高いと思います。私服では、女性がズボンをはくのは今や当たり前の世の中です。なぜ、制服では男はスラックス、女はスカートと決まっているのでしょうか。
また、男子は学ラン、女子はセーラー服という中学が本市にもありますが、性自認が女性で身体は男性の生徒が学ランを着るのもハードルが高いと思います。セーラー服も同様です。

平塚市立太洋中学校は2018年度から制服を一新し、女子ではスカートとスラックスを採用することになりました。どちらかが主ではなく、自由に選べる同列の扱いといいうことです。校長は「スカートがメインでないことを示したい。男女らしさはあってもいいが、固定概念から解放してあげても良いのでは」と、多様性を尊重する風土の醸成に期待を寄せる。と今年1月の神奈川新聞の記事にありました。

高校では、女子生徒がスカートやスラックス、キュロットなどを自由に選べる学校が増えています。採用している高校に話を聞いたところ、学校側は制服を選ぶ理由は聞かずに本人の意思で選んでいるとのことです。性同一障害ではなくとも、寒い冬にスラックスを選びたい女子生徒はいるはずです。性同一障害の生徒にとっては、これでひとつ、悩みが消えます。

性別が分かれているものに、トイレがあります。
自分の心の性と違うトイレに入るのに抵抗のある生徒に対しては、誰でも入れるトイレを作ればいいだけです。理由を問わず、誰でも入れるトイレがあれば、ここでも一つ、悩みが消えます。

質問します。

①中学校で、特に性別違和の子ども(性同一性障害)が直面することに「制服」があります。
市内中学校の制服の改正について、考え始める時期に来ているのではないでしょうか。
教育委員会の見解をお聞かせください。

答弁
本市の公立中学校における制服の選定につきましては、学校の歴史や卒業生や地域の方の思いなどを反映し、決定してきた経緯がございます。
制服の変更に関しましては生徒や保護者にアンケートをとって検討したものでもあり、今後変更検討する場合におきましてもそれぞれの事情踏まえ学校ごとに判断して参ります。

②LGBTは、当事者である生徒が多いと予想されることから、相談受け入れ態勢の対応が急がれるべきであると考えます。教育委員会など行政が指導力を発揮し、全教員が研修に参加できるような環境を早急に整備すべきと考えますがいかがでしょうか。

③文科省通知は、学校内の全ての教職員にどのように知らされ理解されているのでしょうか。

④文科省通知 別紙 「性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の実例」服装、髪形、更衣室、トイレ、呼称の工夫、授業、水泳、運動部の活動、修学旅行等について、現在の対応はどうなっているのでしょうか?

②③④答弁

教育委員会では教職員に向けた人権教育の研修を実施しておりますが、LG BTに特化した内容については各学校に県主催の研修会の情報を提供しております。文部科学省の通知につきましては、平成27年5月に教育委員会から各小中学校に周知しており、学校では職員会議等の中で教職員がその内容を確認し、対象となる児童生徒が在籍していることを前提として、日ごろから言動等に注意しながら子供たちに接しております。また文部科学省の通知に掲載されている服装や髪型等に関する支援につきましては、児童生徒が申し出た悩みや不安に寄り添いながらそれぞれの状況に応じた対応をとるよう努めております。

⑤新聞報道によると、横浜市のNPO法人「SHIP」が、多様な性について中高生向けに伝えるリーフレットを作成し、県内すべての中学と高校計800校に配布しているとのことですが、教育委員会はそれを把握していますか。大和市の中学校での対応はどのようになっているのでしょうか。

答弁
当該リーフレットが平成29年2月、NPO法人支部から直接、市内の各中学校に配布されている事は教育委員会としても把握しております。
配布されたリーフレットについては神奈川県教育委員会からの依頼に基づき、各学校において教職員に回覧するとともに関心のある生徒が持ち帰ることが出来るように校内での配下も行いました。

⑥相談があった場合には、スクールカウンセラーに繋げ、相談しやすい環境に努めているとのことですが、現在、LGBTに関するスクールカウンセラーの研修受講状況と受け入れ態勢の状況はどうなっているかお答えください。
また、スクールカウンセラーの研修受講は、自費ではなく業務として受けられる体制が整っているのでしょうか。

答弁
本市のスクールカウンセラーは、神奈川県教育委員会が開催する研修に参加することで国や県のLG BTに関する動向を把握し子供たちの利益を最優先に考えた関わりの中で学校と共通認識を持ちながら子供たちの悩み等に対応しております。
(県主催の研修会については、出張扱いで業務として対応)

⑦現在、だれでも使えるトイレがない学校は、大和市の中で何校あるでしょうか。
誰でも使えるトイレを全ての学校に導入すべきと考えますがいかがでしょうか。

答弁
誰でも使えるトイレの整備についてお答えいたします。
誰でも使えるトイレとはユニバーサルデザインの考え方を踏まえ男性と女性の区別なく車椅子での利用やオストメイト対応など様々な方に使用していただけるものであり、本市の小中学校ではみんなのトイレとして整備しております。

教育委員会では校舎や体育館の建て替え及び大規模改修に合わせ通常のトイレの外にみんなのトイレを整備しており現在小学校8校/19校、中学校3校/9校に設置しております。今後も学校からの要望や社会情勢なども考慮しながら児童生徒の学校生活における教育環境の向上を図るためトイレについて必要な改修を実施して参ります。

中項目2、人権教育としてLGBTを取り上げることの意義について

今年2月、愛媛県西条市立東丹原中学校を視察しました。人権教育としてLGBTを取り上げ、成果を上げている学校です。その試みをここで紹介いたします。

丹原東中学校が目指す学校とは、「全生徒の誰もが『行きたい』と思える学校」です。すべての人が自分らしく生き生きと生活できる学校をつくる。そのためには、一人ひとりの人権が尊重されなくてはならない。そのための方法を「性的マイノリティに関する人権学習」としたところがこの学校の特色です。

丹原東中学校は、2014年と2015年、「文部科学省人権教育研究校」に指定されました。研究内容に「性的マイノリティ」の人権を取り上げたのは、前校長の強い意志によるところが大きいそうです。ちょうど、新聞でも多く取り上げられ始めた時期でもあり、「ここで取り組まないと後悔する」と校長のトップダウンにより始まりました。

丹原東中学校の4年間の実践内容は、次のようなものです。

・現地研修(まず、性的マイノリティの方が自分らしく、イキイキと生活できる社会を目指して活動している団体「レインボープライド愛媛」を訪れ、当事者の方から話を聞き、学ぶ。はじめの年は数人の先生が訪れたことを皮切りに、その後は先生と生徒の代表が参加。様々な体験談を聞く。)

・学校に当事者を招き、講演会を開く。

・授業で「性的マイノリティ」について学習する。

・文化祭で生徒たちがスタッフやキャストとしてかかわる性的マイノリティの人権を主題とする「人権啓発劇」を上演する。

・地域の地区別懇談会に生徒たちが出向き、性的マイノリティについてのクイズなどを行うことにより、自分たちが学んでいることを伝え、理解を得る活動を行う。

・生徒会を中心とし、生徒たちからの提案で現状を改善していく活動を行う。 などなどです。

2016年の生徒総会では、3つの取り組みを行うことが決まりました。

・いままでの「車いすトイレ」を誰でも使える「思いやりトイレ」に変える。 ・新たな制服を作る。 (男子は学ラン、女子はセーラー服という今の制服から身体の性に関係なく一つのデ  ザインに統一した制服に変える。上着は共通のデザインで、下はズボンとスカートから選べるようにする。) ・生徒が小学校へ出張授業を行い、制服を買う小学6年生に対し、中学の制服がどうし て変わるのか、生徒自らが説明する。

トイレについては、その年の夏に変更し、制服については変更に向けて、現在も取り組み中とのことです。

「性的マイノリティ」を中心課題においた人権教育に取り組むことで、丹原東中学校では、互いを認め合う生徒が育ってきたといいます。また、相手のことを考えて行動できる生徒が増え、その安心からか、性的マイノリティの生徒が友達や先生に相談する事例が複数、出てきているとのことです。

当事者だけではありません。この取り組みは、ありのままの自分でいいのだという自己肯定感につながり、ありのままの他者を受け入れる学校や社会を作りだします。

講演会に参加したある生徒の感想が、この取り組みと教育の素晴らしさを表していると思います。

「ぼくは講演会に参加して、性的マイノリティの問題について悩みをかかえている人に出会ったら、何の偏見もなく接する人になりたいと思いました。そのためには、性同一障害や同性愛について、もっともっと正しく知ることが何より大切です。僕は「多様性を認め合う誰もが生きやすい社会」、そんな社会の一員になれるように、人権について考える機会を持ち続けていきたいと思います。正しい知識をもち、間違った考えや偏見から「人権」を守り、お互いを大切にしていくことを一人一人が意識していけば、社会は変わります。」

この生徒は、社会は変わる必要があるのだと考えています。 このように考える子どもたちが増えることにより、社会はいい方向に変わっていきます。

知らなければ考えず、考えなければ気づかず、気づかなければ行動せず、行動しなければこの世は変わっていきません。 まず知るということ、その教育の大切さを改めて実感した視察でした。

質問します。

人権教育としてLGBTを取り上げることの意義について、教育長の見解をお聞かせください。

答弁
学校における人権教育は生きる力をはぐくむ教育活動の基盤と考えており、教育活動を通して人権感覚を育成することが重要だと認識している。

その中で学校における性的マイノリティにかかわる問題は、様々な人権課題の一つであるととらえており、それぞれの違いも個性と考え、児童生徒がお互いを認め合う環境作りが必要と考えている。

また自らの性別に違和感があるなどの感情を持つ児童生徒に対しては、学校生活を送る中での個別の事情に応じて一人一人の心情に配慮した対応を行う必要があると理解している。

しかしながら性的マイノリティに関する教職員の理解や現状把握についてはいまだ不充分であり、教育委員会としては教職員ひとりひとりが正しい知識を身に付けることができるよう、さらなる周知を図っていく。

 

中項目3、市立病院における同性パートナーの対応について

大人に対しては、同性パートナーであることを理由に差別されない合理的配慮の実施が望まれます。

好きな人と一緒にいたい。一緒に生活をしたい。これは、相手が異性であろうと同性であろうと、同じ感情であり、誰に疎外されるべきものでもありません。また、友達など特に恋愛関係になくても同居するのは自由です。同居人は、法的に結婚した夫婦や親子関係に近い、生活するうえで最も身近な関係者です。

同性カップルへの認定制度が、徐々にではありますが広がっているのは、様々なサービスを受ける場合に、不自由を感じているカップルが多いのがわかってきたからです。携帯電話の家族割りや保険の加入など企業側も対応を始めています。

ただ、緊急の場合に一番困るのは、病院での対応ではないでしょうか。

患者の緊急手術に同意したり、病状の説明を受けたり、もしもの場合は死に目に会えるかなど、病院で想定される場面は、いのちにも関わる大切なものです。

自分が当事者であった時のことを考えていただけばわかるはずですが、同性であっても実際に配偶者関係にある場合、一方が緊急の手術が必要な場合の同意手続きや通常家族に認められている面会などが認められないのは、不合理です。

また、近年独居の人が増えています。高齢者などの場合、最も身近にいる人がヘルパーということもあり得ます。意思表示の方法を決めておくなど、手続きを柔軟な体制にしておくことが、全ての患者に配慮した病院体制へと一歩前進するのではないでしょうか。横浜や横須賀の公立病院では、パートナーの自己申告があれば家族として認める方針を掲げ、その旨をHPに記載している病院もあります。

大和市立病院の体制はどうなっているでしょうか。

質問します。

①現状において、夫婦の一方が病院の手続きが必要となった場合、夫婦で籍を入れていない場合の対応はどうなっているのでしょうか。

②同性パートナーが同意手続きや面会を希望した場合の現在の対応はどうなっているのでしょうか。また、同性パートナーも家族と同等の対応にすべきと考えますがいかがでしょうか。病院のお考えをお聞かせください。

答弁①②
・緊急手術等で、至急の医療措置が求められる場合を除き、本人や家族等の同意を得て治療に臨むことを原則としている。

・同意書の記載等の諸手続きにあたっては、本人のほか、事実婚や、同性のパートナーを含む家族に記載をお願いしている。

・この場合の課題は、同意の優先順位の考え方の基準がないことなので、国による法整備が望まれる。

・面会に関しては、同性パートナーでも家族と同様の対応としている。

 

答弁後要望等

教育長はご答弁で性的マイノリティに関する教職員の理解や現状把握についてはいまだ不充分という認識を示されました。教職員に対するさらなる周知を図ってくださるとのことです。これからの推進に期待いたします。

この問題は、人権問題の中でも目に見えにくく、しかし必ず当事者が児童生徒の中にいるのが特色です。また、丹原東中学校への視察で、この問題を取り上げることは、児童生徒の心に直接働きかけることができ、人権教育の視点として有意義であることを実感いたしました。

学校での取り組みについては、校長先生の意向や学校の自主性があり、教育委員会の介入が難しいことは承知しております。しかし、この大和市でも今現在、困っている児童生徒がいる可能性は高いと思います。特に誰でも使えることが可能な「みんなのトイレ」については、全学校導入に向けて、早急な対応を要望いたします。

市立病院については、同性パートナーについても現状、家族として対応していることがわかり、安堵いたしました。多様性を重んじ、市民に開かれた病院であることをアピールするために、また性的マイノリティの方にも安心して使っていただけるよう、横須賀市などのようにHP上で、現状の対応をお知らせするなど、周知に努めていただきたいと思います。

東丹原中学校では、性的マイノリティの人権教育を機に男女別であった名簿をアイウエオ順の男女混合名簿へ変えたということです。本市では、学校での混合名簿はあたりまえになっています。
また、市民課での証明書の申請書にも性別を書く欄はありません。人権に配慮した取り組みは、少しずつ進んでいると実感しています。

市民が不自由を感じずに済むよう、また児童生徒が不要な悩みを持たずに済むよう、今後も取り組みを進めてくださることを期待いたします。