緑の保全について(2018年6月一般質問より)

2018年7月9日 12時07分 | カテゴリー: 活動報告

大和市では、市街化が進むに従い、年々緑が減少しています。それがゆえに、大規模緑地の保全と継承は大切です。
大和市は保全をする方向性は持っていますが、土地の売買は地権者の意向に大きく左右されます。市が買い取りを強化し、今後も緑を保全していく強い姿勢が望まれます。下記は、一般質問の内容と答弁内容です。
(写真は大和市と相模原市にまたがるつるま自然の森です)

 

緑は、私たちの生活になくてはならないものです。
「大和市緑の基本計画」の中では、都市における緑の効果として次の5つをあげています。
①地球温暖化の防止に寄与し、ヒートアイランド現象の緩和に役立つ「都市環境の維持・改善」
②都市特有の災害を防ぎ、被害を最小限に止め、いざという時の避難地となる「都市の安全性の確保」
③生産活動の基盤を作り、都市環境を守る。また生物の多様性の確保に貢献する「自然環境の維持・向上」
④身近なレクリエーション・交流の場を提供し、自然と触れ合う場・環境教育の場となる「健康でうるおいのある都市生活・活動の場の提供」
⑤美しい街並みや景観を作り、“その地域”らしさを感じさせる風景をつくる「良好な都市景観、まちの魅力の形成」
の5つです。

本市のような都市で人口が増加し、新しい住居等が増えるのは、避け難いものですが、それによって緑が減っていくということは、人々の生活のうるおいとともに、ここに掲げている5つの緑の効果をも失うことを意味しています。

都市緑地法第4条では「市町村は、都市における緑地の適正な保全及び緑化の推進に関する措置で主として都市計画区域内において講じられるものを総合的かつ計画的に実施するため、当該市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画を定めることができる。」とされ、本市も1997年に「大和市緑の基本計画」を策定しました。時代の変化に応じて、2010年4月に改定され今に至っています。改定の背景には、社会情勢の変化により、都市の緑が果たす役割の重要性が強く認識されるようになっており、多様なニーズに対応していく必要があることがあげられています。

「大和市緑の基本計画」では、緑を守っていくために「まもろう緑 創ろう緑花 つなごう緑花 住み続けたいまち やまと」という基本理念を掲げています。しかし、緑に関する現状には厳しいものがあります。

計画の中にある2010年時点では、
・本市全体でここ10年間に泉の森3カ所分の緑が消滅
・市街地の緑が大きく減少
・農地などの市域外周の緑も減少
・公園施設の老朽化と大規模な公園の不足
が、あがっています。

これはその後、計画や緑化推進によって改善されているのでしょうか。

今年2018年3月発行の「大和市環境基本計画」には、市街化区域内の保存樹林面積の推移表が載っています。保存樹林とは、主に市街化区域内に残存する小規模な樹林地で、保存の対象として指定されているものです。推移表によると、2007年には19.5haだった保存樹林は、緑の基本計画が改定された2010年には16.2ha、2年前の2016年には12.3haとなり、10年で7.2ha減少しています。よく比較される東京ドーム換算では、約1.5個分になります。保存樹林だけでこの減少ですから、農地等をあわせれば、もっと多くの緑が減少していると推測されます。

市街化区域では、今後も緑の減少は続くと予想されます。都市農業の振興や保存樹林の保全など、今後は今以上に力を入れていく必要があります。今後の有効な施策を要望するとともに、神奈川ネットとしても様々な提案を続けていきたいと思っています。

市街化区域の緑の減少が続く現在、本市に残されている大規模緑地の保全と継承は、市を挙げて死守せねばならない施策です。

「大和市緑の基本計画」では、優先的、重点的に緑地の保全・緑化の推進に取り組む事業をグリーン・プロジェクトとして提案しています。そのひとつ目に上がっているのが、大規模緑地の保全・継承です。

本市の都市計画マスタープランで「緑の拠点」に位置づけられているのは、「6つの森」その他の緑地です。6つの森とは、相模原市と大和市にまたがるつるま自然の森のうち、大和市側の「中央林間自然の森」、「深見歴史の森」、「中央の森」、「泉の森」、「上和田野鳥の森」、「久田の森」をさします。

これらの森については、「大和市6つの森を守るガイドライン」が定められています。本市の緑の拠点として、今後も失われることのないよう保全を図っていくことを定め、開発行為や建築行為、工作物の築造、木竹伐採等は避けるよう述べています。

しかし、これらの森はそのすべてを市が所有しているわけではありません。

例えば、「緑の基本計画」では、改定から5年程度の短期的な取り組みとして「下鶴間内山地区のまちづくり事業の進展にあわせ、つるま自然の森の公有地化に取り組みます」とありますが、「中央林間自然の森」のうち、市が所有しているのは、現在でも13%あまりに留まっています。

同じ、つるま自然の森内の相模原市側である「東林ふれあいの森」の市の保有率は、半分以上、県のトラストが保有している部分を含めるとさらに多くの土地が公有地となっているとのことです。買取りの取り組みとして後れを取っている事実は残念でなりません。相模原市は、緑を保全していく方針のもと、地権者に売る場合はまず市に知らせてくださいとお願いしており、所有者へのアプローチとして市の所有地以外でも整備をし、使用することへの契約書を交わしているとのことです。

個人の所有地であり続ける限り、緑の保全が100%守られる保証はどこにもありません。ガイドラインがあるといっても、強制力はありません。大和の森には保全活動を行っているボランティアの方たちがたくさんおられますが、自分たちが守っている緑が長い将来にわたって守られていくその保証がないまま、活動していくことに不安を訴えています。

1973年3月に施行され、2004年12月に改正された「大和市緑化の推進、緑の保全等に関する条例」では、3条で緑地保全事業として「主として市街化調整区域内に残存する相当規模の一団の山林その他の緑地で、市長が保全が必要と認めるものを計画的に保存するものとする」あります。

また、2008年の「つるま自然の森」に関する河崎民子議員の一般質問で、「相模原市のように地権者の申し出による買い取りではなく、地権者のご理解をいただき、積極的に買い取ってまいりたいと考えております。」と市長は答弁されていますが、この議会の場で、緑の保全に関する市の意向を改めて示していただくため、質問いたします。

(質問)

市内に点在する保全緑地についてお伺いします。
大和市内の保全緑地買取りに対する市の姿勢と方針について、市長のお考えをお聞かせください。

(市長答弁)

都市化が進む本市において、市内に残る貴重な大規模緑地は市民に潤いや、安らぎを与え、健康で文化的な生活を営む上で重要な空間であるととらえている。

これらの大切な緑を守り、次世代に引き継いでいくため、市では、保全緑地及び保全地区の指定などにより、緑地の維持管理に努めており、こうした取り組みをさらに推進していくために、地権者との借地契約を維持継続するとともに、用地の買取りにより保全を図っているところである。

今後も、中央林間自然の森や泉の森など、貴重な財産である保全緑地を残していくために、地権者の意向を継続的に確認しながら、用地の買取りを行うことにより、積極的に保全を図っていく。

(質問)

2、保全緑地は、10年前と比べてどれほど買取りが進んでいるのでしょうか。

(答弁)

これまで10年の間に、中央林間自然の森と、泉の森4か所で3,597平方メートルの用地買取りを行っている。内訳については、中央林間自然の森で1か所、1,500平方メートル、泉の森では3か所で、2,097平方メートルである。

(質問)

  • 買取り、および緑の保全に対する地権者への働きかけの方法はどのように行っているのでしょうか。

(答弁)

地権者に対しては、契約更新時に伺い、市は用地の買取りを行う意思があることを伝えるとともに、随時、相談にも応じている。今後は地権者向けのアンケートを行い、その中で土地利用についての意向を把握することで、みどりの保全に生かせるよう努めていく。

 

残り少ない大和の緑を保全していくためには、緑に対する市民の意識向上も欠かせません。大和は歴史のあるまちであり、大昔から人が住んでいたことから大和市内にある山林は、里山として利用されていた緑地です。里山は、人の手が入らないと荒れ果ててしまいます。その保全の仕方にも、それぞれの森で違いがあります。

例えばつるま自然の森では、相模原市側と大和市側で手入れの仕方に違いが見られます。相模原市側の「東林ふれあいの森」は、里山的要素が強い森です。人が自然に親しめるように木や野草の種類を紹介している札もつけられています。一方、大和市側の「中央林間自然の森」は、あるがままの姿を大切にした手入れの方法を取っています。木の種類の関係もあると思いますが、大和市側の方がやってくる鳥の種類が多いとのことです。

緑の中にいると、自然に心も和みます。人間も自然の一部であると実感できる場所でもあります。大和にはこんなにも豊かな自然が残されているのだと実感する市民が増えることは、本市に緑を残していかねばならないと思う市民が増えることに繋がります。市もHPなどで、公開している森のアピールを怠ってはいないと認識していますが、まずは市民の代表である議員や市政をつかさどる職員が本市の緑地についてもっと知る必要があるのではないでしょうか。トコロジストや保全会のボランティアの方々に説明していただけば、森についての認識が深まるものと考えます。

(質問)

4、市民に森を大切にする気持ちを持ってもらうため、市は、どのようなPRを行っているのでしょうか。

(答弁)

市では、市内の緑地についてホームページや様々な冊子などにより情報発信をしており、緑地の特徴や歴史等についての紹介をはじめ、市内の森の保全の方針や位置づけなどを示した大和市6つの森を守るガイドラインや、主な緑地の特徴や見どころを掲載した大和市ウォーキングマップなどによりPRを行っている。

また近年は、自然や動植物をテーマにしたハンドブックも発行しており、緑地等での散策を楽しむツールの一つとして利用いただいている。

(質問)

森を知ってもらうために行う研修について、議員については新人議員研修に森の紹介を組み入れてもらうことを私も代表者会で提案していきたいと思っています。

  • 新採用職員研修に保全緑地についての研修を組み入れてはいかがでしょうか。

(答弁)

毎年4月に開催する新採用職員研修では、実際に泉の森に足を運び、保全緑地について学ぶ機会を設けているが、市内の緑地にはそれぞれ異なった特徴があることから、他の緑地について学ぶことも必要であると考えている。

限られた研修時間の中で、市内に点在するすべての緑地を回ることは難しい状況ではあるが、市内の緑地の特徴などをまとめた資料を配布したり、見学施設に隣接した緑地を見学したりするなど、効果的な研修方法について検討する。

 

(答弁後意見等)

緑地の買取りは、地権者の意向に大きく左右されます。今後は地権者向けのアンケートを行い、その中で土地利用についての意向を把握することで、緑の保全に生かせるよう努めていくとのことです。市が買い取ることで、先祖代々の土地を緑豊かなまま残すことができ、市民の憩いの場となりえることを繰り返し、言っていくことが肝心です。機会を見逃すことなく、適切に対応していくことで、将来は過去10年よりもさらに買取りが進むことを期待いたします。

また、緑の大切さを実感できる市民を増やすことも、保全に役立ちます。市長も言及されたように、緑地は市民に潤いや、安らぎを与え、健康で文化的な生活を営む上で重要な空間です。ウォーキングマップや自然ガイドブックなど、市民が興味を持てば、より深く知る手段があります。緑保全の施策を推進していくためには、まず職員の方々が大和の緑地について興味を持つことも大切です。新採用職員研修において泉の森だけではなく、一つでも多くの緑地について知ってもらえるよう研修方法を検討していってほしいと思います。