安心して歩くために 道にベンチを(2018年6月一般質問より)

2018年7月12日 14時45分 | カテゴリー: 活動報告

大和市は、歩くことによる健康づくりを推進しています。健康な人が歩くことによって健康を維持することは大切ですが、歩きに不安のある人をひきこもりにさせない施策もまた重要です。今回は「歩く健康づくりについて」と題して道にベンチを設置するよう一般質問で提案しました。市長は、ベンチの設置に向けて検討を始めると答弁しました。誰もが安心して歩くことができる街づくりが期待されます。以下、質問内容と答弁です。

 歩く健康づくりについて

  歩くことの効果については、健康都市を標榜する本市にとって言うまでもないことかもしれません。歩くことは、移動手段としてだけでなく、健康な人にとってはストレス解消や体質改善、美容効果、心肺機能の向上、ダイエット効果など様々な利点があげられます。高齢者にとっても健康増進、医療・介護予防などの効果が期待されます。

本市は、歩くことによる健康づくりのより一層の推進を図るため、昨年4月から健康づくり推進課に「歩こう担当」を新設したことは、皆さんご承知の通りです。「歩こう担当」は、歩くことの効用についての普及啓発や歩くことによる健康づくりに関するイベントの開催などの業務を担当しています。今年5月に第3回目を迎えたウォーキンピックや健康ポイントなどの業務を担っています。

それに加えて、本市は今年、「歩く健康づくり条例」を制定予定とのことです。6月15日(金)から7月17日(火)までパブリックコメントを実施しています。

「歩く健康づくりの推進に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び団体等の役割とともに、基本理念を実現するための基本的な事項をさだめることにより、歩く健康づくりに関する施策の総合的な推進を図り、もって一人ひとりの生涯にわたる健康の保持増進に寄与すること」を目的とし、基本理念として
・歩く健康づくりは市民自らが、それぞれの健康状態に応じて取り組み、積極的かつ継続的に行うものとする。
・歩く健康づくりは、市、市民及び団体等が連携を図りながら協力することで、皆が取り組みやすい環境を構築することによって行われるものとする。
の2つを掲げています。また、基本的施策のひとつとして、歩く健康づくりに取り組みやすい環境整備をあげています。

歩くことは、確かに健康の基本です。歩く健康づくりのためには、元気な人をより元気にするウォーキンピック等の施策と共に「ひきこもりにさせない」等、高齢者など歩きに自信がない人や、歩くのが不安な人のために、安心して外出できるようにするための施策とまちづくりが不可欠です。
少し歩いて、もう少し歩く。その繰り返しの中でこそ、介護予防や健康増進のための歩行が可能となるのではないでしょうか。
市民の協力やバス運行の工夫、荷物運搬など課題は様々ですが、外出しよう、歩いて行っても大丈夫と思えなければ、歩きに自信のない方は家から出ることができません。

大和市の人口ビジョンによると本市では2040年には65歳以上の方が36.1%、2060年には39.9%と見込まれています。
厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、高齢者を含む世帯において、近年「単独世帯」や「夫婦のみの世帯」といった構成が増加傾向にあります。1980年には65歳以上の方のいる世帯数のうち、「単独世帯」「夫婦のみ」は25%でしたが、2014年は54%にものぼっています。
本市の2015年10月のデータでは、65歳以上の人口は52,788人。そのうち単身世帯は10,287。夫婦のみの世帯は9,270です。あわせて54.6%となり、国のデータとほぼ一致しています。
日常生活上必要な活動のため、高齢者が家族に頼れず、独力で移動せざるを得ないケースが増加しているのです。

高齢者の運転による自動車事故が注目を浴びています。80歳、90歳の多くの方が車を運転する時代に我々は初めて直面しています。行政も返納を促すなど、対策を講じています。
車の運転をしない場合、独力で移動するには、交通手段を使うとしても駅まで、あるいはバス停まで歩く必要があります。毎回、タクシーを利用できる人はあまりいません。

2015年 国土交通省「全国都市交通特性調査」によると、無理なく休まずに歩ける距離が100mまでとする人が65歳以上の1割いる結果が出ています。75歳以上になると17%にのぼります。これらの方たちは、100m以内に一休みする場所がないと、外出に不安があるということになります。
また、2016年 内閣府「世論調査報告書」では、自宅から駅やバス停までの許容距離として5分未満の数値をあげる人が2割います。高齢者の歩行速度は毎分約60~70m程度といわれています。5分は、距離にすると300~350m未満の数値です。坂道になるともっと遅くなり、体への負担も増します。同調査では、高齢者については、「日用品の買い物」「食事・社交・娯楽」など、私事目的での外出の比率が高いことがわかっています。

これらの結果からは、高齢者の徒歩可能距離を考慮した、道の工夫やバス停配置検討の必要性、また買い物時の荷物運搬負担のために、休み休み歩く必要性が浮かび上がります。

2014年の内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」によると、高齢者の外出時の障害は、
1位「道路に階段、段差、傾斜があったり、歩道が狭い」が15.2%。
2位「ベンチや椅子等休める場所が少ない」が13.7%。と、なっています。

本市の現状に目を向けてみます。市民からのご意見として、
・コミバス等は充実してきているが、1時間30分に1本など運航間隔が長い。
・バス停まで歩くのに距離や坂の問題で不安。
・歩道にベンチが少なく、歩くのに不安。
・駅付近など、傾斜のある歩道に手すりをつけてほしい。
などがあります。

その対策のひとつとして、道のベンチの設置を提案いたします。

・歩くのに不安がある高齢者も、道にちょっと休めるベンチがあることで、歩く不安を減少することができます。荷物があるときには、物を置いて休むことができます。

・高齢者のみでなく、小さい子どもを持つ保護者など道で座れる場所があれば、休んだり飲み物を与えたりできます。

・座って休む場所があれば、同じベンチに座った見知らぬ人の間でも会話が増え、交流が進みます。

・ベンチを設置するのが場所的に難しい場合でも、ちょっと腰かける場所、例えば、木の周りにちょっと広い柵のようなベンチがあれば、人は休むことができます。

・ベンチでなくても、個人宅や集合住宅の塀などの部分に腰掛け可能なブロック等があり休んでいいとわかるならば、歩行者は利用が可能となり、ベンチの代わりとなり得ます。

・歩きにくい道で傾斜があるところには、手すりがあれば、不安なく歩くことができます。

【質問】

1、健康寿命を延ばすため、元気な人をより元気にする施策と共に、歩くのに不安な人のために安心して外出できるようにするための施策をどのように進めようとしているのか、市長の考えをお聞かせください。

【市長答弁】

・歩こう担当を設置して、年齢や性別に関係がなく、日常生活に身近で、気軽に実践でき、介護予防等に効果のある歩く健康づくりの推進に取り組んでいる。

・5月開催した、第3回やまとウォーキンピックは、参加チームごとに歩数目標を立てていただく等、参加者それぞれのスタイルで取り組める内容とした。

・ヤマトン健康ポイントでは、自治会や地区社協、コミセンなどの事業をポイント対象に加え、身近な地域で行われるイベントへの参加を促して、無理なく外出できる機会を増やすことで、誰もが歩く健康づくりに取り組みやすい環境整備を図っている。

・今年度はウォーキングサインを路上に設置し、多くの方に歩くことを意識していただく取り組みを実施する予定で、様々な手法で歩く健康づくりの普及を促していく。

・歩く健康づくりは、歩くことに不安のある方も含めて、それぞれの健康状態に合わせて、無理なく取り組んでいただくことで心身の健康の維持向上につながることが期待できるので、これからも施策を充実させながら、多くの市民が歩く健康づくりに取り組めるよう努める。

【質問】

2、高齢者など歩くのに不安な人のために安心して外出できるようにするための施策を進めるために、道にベンチの設置を推進していくべきであると考えます。ベンチの設置が難しい場所には、細いベンチやちょっと腰掛ける場所などを作っていく必要があります。そのための研究を進めていくべきと考えますがいかがでしょうか。

【市長答弁】

・歩く途中に休息できる場所を増やすことは、歩くことに不安を持つ人の外出促進の一助となるので、設置に向けた検討を始める。

3、条例には、(7)市民、団体等に対する支援 として「市は、市民が歩く健康づくりに積極的に取り組むことができるよう、市民による活動又は団体等が行う事業に対して必要な支援を行うこととします。」とあります。

【質問】

(6)基本的施策の③「歩く健康づくりに取り組みやすい環境整備」のための支援として、個人宅や集合住宅の塀など、公共の場所に面する部分にベンチや椅子を設置したり、腰掛けられる形状の塀を作る場合には、補助を出す など市民が参加できる街づくりを進め、市民の啓蒙を図っていく施策を展開していくべきと考えますがいかがでしょうか。

【市長答弁】

・ゴミや騒音等の管理面及び防犯上の課題があるので難しいと考える。

4、市民に歩いて外出することを促すには、公共交通との連携が不可欠です。バス停まで歩いていこうという意欲を増すために、運行時間を増やす、坂のある所には坂の上と下にバス停を配置するなどの施策を展開していく必要があると考えますがいかがでしょうか。

【部長答弁】

民間路線バスの増便については事業者において運行ルートに応じた具体的な検討になる。

コミバスを含めたバス停を設置する場所については、利用者が安全に乗り降りできること、バスが安全に停車でき、付近の交通の支障にならないことが必要なため、一般的には坂道の近くにバス停を設置することは難しいが、地域の意見などを踏まえ、必要に応じて協議などを行っていく。

コミバスについては、様々な意見があり、今後外出しやすい街づくりの実現に向けルートや時刻表等を見直していく。

(答弁後要望等)

道へのベンチの設置について検討を始めるという、ご答弁に喜ぶ市民は大変多いと思います。今後、歩くのに不安がある人もまた増えると思います。安全面など様々な課題があることと思いますが、すべての市民が安心して歩くことができる大和市をめざして、ベンチ設置の拡充に期待いたします。

現在パブリックコメントを募集しています「歩く健康づくり条例」の基本理念には、「歩く健康づくりは市民自らが、それぞれの健康状態に応じて取り組み、積極的かつ継続的に行うものとする。」 という文面案が載っています。市民の中には休まずには歩けない人も多数、含まれている、またそのような方々は今後ますます増加していくことを肝に銘じ、条例の文面に加えたり、逐条解説で触れるなどの工夫をお願いいたします。

また、道に休める場所を増やすには、市民の参加が不可欠です。補助金等の助成は難しいとのお話でしたが、例えば家の低い垣根に歩行者が休んでもいいと考えるお宅には、ここは安心して座れる場所であるというプレートを作成して、配布するなど市が協力できる施策があるはずです。家の前に人が座ると迷惑だと思われる方は確かにいらっしゃいます。しかし、人のために少しでも役立ちたいと思われる方もまたいらっしゃいます。家の門の周りに花や植物を植えている方は、自分たち家族が楽しむためだけでなく、その道を通る人の目を楽しませるために植えている側面もあります。その家の方が休んでもらいたいと思って家の前にベンチを置いても、通行人は座っていいものかどうかためらいます。しかし、そこに例えば「子ども110番の家」のような行政が作成したプレートがあれば、疲れた人は安心して座ることができます。そのようなお宅が増えれば、我が家の前も使ってほしいと考え始める市民はきっといらっしゃいます。

市民の参加で、道に休める場所が増える。そんな優しさに満ちた大和市になる一助となるのではないでしょうか。

歩くことによる健康づくりのより一層の推進を図るため、「歩こう担当」を作り、「歩く健康づくり条例」を作成する本市の今後の施策の充実に期待いたします。

先程、緑の保全について質問いたしましたが、2010年4月に策定された大和市の都市計画マスタープランには、歩行者系ネットワークの取り組みについての記載があります。

桜が丘駅から、久田の森、境川、上和田野鳥の森へと続く道、また高座渋谷駅から常泉寺、「ゆとりの森」にかけて西側の緑と坂野ルート、上和田野鳥の森、境川、下和田にかけて東側の水と緑のルートを歩行者系ネットワークとして整備に取り組む、というものです。
このような構想を有効に施策に取り込むことにより、市民に健康と共に緑の保全についても興味を持っていただけるのではないかと思います。各部の連携により、様々な施策を推進していただくよう要望いたします。

交通施策の充実については、市民からの要望も大変高いものです。時代の変化に伴い、市民が歩く一助となるための施策の展開に期待いたします。