公共施設維持のために基金の創設を(2018年12月 一般質問より)

2018年12月24日 12時21分 | カテゴリー: 活動報告

現在、市民が使っている公共施設、市庁舎や保健福祉センター、小中学校やコミセン、また道路や下水場、ゴミ焼却施設などは市民の大切な財産です。それらの施設が建設された時期のピークは1970年代。建て替えの必要な時期は間近に迫っています。今回の質問により、20年後までに公共施設の修繕に必要な費用は軽く1000億円を超えることがわかりました。大規模修繕や建て替えの費用を入れると、それ以上の予算が必要です。加えて、近年はシリウスやポラリスなどの新しい建物を作っています。建物のために借金した総額は、現在678億円です。厳しい財政状況の中、大和市は修理保全の費用を捻出しながら、借金を払っていかねばなりません。
今後に備えて、公共施設のための基金を創設することが急務です。

以下、質問の内容と答弁の概要です。

大和市公共施設等総合管理計画について 

1 国の要請と大和市の方針について

平成26年4月22日、総務省から各都道府県及び指定都市市長あてに公共施設等総合管理計画の策定要請がなされました。同時に「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」が示されています。

「我が国において公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっておりますが、地方公共団体においては、厳しい財政状況が続く中で、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されることを踏まえ、早急に公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現することが必要となっています。また、このように公共施設等を総合的かつ計画的に管理することは、地域社会の実情にあった将来のまちづくりを進める上で不可欠であるとともに、昨今推進されている国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)にも資するものです。」云々と続きます。

これを受けて、本市では、平成29年3月「大和市公共施設等総合管理計画」を作りました。その中には、個別計画として「公共施設保全計画」や「下水道施設長寿命化計画」「市立病院施設保全計画」等々を作ることが示されています。
また、「公共施設保全計画」に先立ち、「大和市公共施設白書」も作成しています。

質問

・総務省はこの指針で自治体に何を要請しているのか、市民に分かりやすい言葉でご説明ください。この要請を受け、本市では何を行い今後どうする方針なのでしょうか。これで、中項目1の質問を終わります。

 答弁

平成26年に国は地方公共団体に公共施設等の総合的な管理の推進について要請を行いました。その中で国は今後全国的に人口が減少することなどにより公共施設の需要の変化が予測されるので長期的な視点で建物の更新や長寿命化などを進めて財政負担の軽減あるいは平準化を図りながら公共施設を最適な状況にしていく必要性が増していると国の認識を示しています。そうした状況を踏まえて地方公共団体に対して公共施設の計画的な管理を行うための計画の策定を求めています。

本市においては従前から計画的に公共施設の維持管理を行ってきましたがさらに効果的で中長期的な視点に立って取り組みを進めるため平成28年度に大和市公共施設等総合管理計画を策定しました。

この計画では本市の人口が当面大きく変わらないと見込まれることを踏まえて現状の公共施設の規模を維持していくことや予防保全の考え方をさらに重視していくことなどを方針として示しています。

また公園や道路など施設ごとの長寿命化計画を個別計画として位置づけそれぞれの用途に応じた適切な維持管理等を行うことも示しており施設の状況を踏まえながら計画的に修繕を行っているところです。

答弁後

もう少し、かみ砕いていうと、これから人口が減り、少子高齢化が進み、税金収入も少なくなる。それに加えて建物は老朽化し、修理が必要になる。建物がどんな具合だかちゃんと調査して、建て替えるのか、壊すのか、修理しながら維持していくのか決めなさいよ、というものだと思います。

高度成長期も過去のものとなり、日本は今後、建物の老朽化対策が必要な時代に入りつつあります。最近、このような国からの要請があったということは、今まで計画を立てて維持保全をしていかなければならないと考え、調査していく方針を国は立てていなかったのか、と素朴に疑問に思いますが、イケイケどんどんで建物を作り続けた時代には必要のないものだったのでしょう。本市は、以前から計画的に公共施設の維持管理を行ってきたということですが、それはごく当たり前のことです。これからはもっと綿密に計画を立て、建物や大きな機械が突然壊れるという最悪のことがないように、維持補修を強化していかねばなりません。それには、膨大な費用がかかります。

2 改修や建替に係る費用等について

本市は今後も急激な人口減少はないものと見こみ、「大和市公共施設保全計画」では、現在の建物面積を基本的には維持していく方針を示しています。改修と建替の考え方は、大規模改修が建設後30年、建替が60年とのことです。本市の公共施設建設のピークは1974年です。その前後にもたくさんの建物を建てています。現在はそのピークから約45年です。15年後には建替が必要になる建物があちこちに現われることになります。最近、学校の大規模改修の議案が毎回のように議会にも上程されています。このように今、大規模改修が行われている建物はもう少し、先になるでしょうか。

建物や大型の機械はきちんと整備点検をしていれば、そう簡単に壊れるものではありません。もう少し大丈夫だからと維持修繕を1~2年先延ばしにすることはよくあることでしょう。その結果、予想外の壊れ方をしてしまうことがあるのは、家の家電でも同じです。結局、高くついてしまいます。現在、駐車場を大きくふさぎ、市民のみなさんに不自由な思いをさせている市庁舎の2つの改修工事がいい例、というか悪い例です。

数年前、突然、我が家の給湯器が壊れ、お湯が出なくなりました。給湯器は、キッチンや洗面所とお風呂場、床暖房に対応しているもので、数十万円はする高価なものです。そろそろ寿命かな、という時期だったので、買い替える必要がありました。その時はちょうど2人の子どもが高3と中3で、受験のための塾に行っていましたので、夏期講習代を支払うだけで家計はいっぱい、いっぱいでした。貯金もほとんどなく、どこから給湯器の費用を捻出するかで頭を悩ませた記憶があります。少しずつためている500円貯金とか猫の病院のためにためている猫貯金とかいろいろなものをかき集め、幸いサラ金に手を出すことなく対応出来ましたが、こんな時、市では市債という借金をして対応することは、皆さんご存知の通りです。大項目1の家計に例えたご答弁でも、500万円の収入家計に例えると、生活資金と家の増改築のローンで44万円の市債を収入として計算しています。

市の財政の仕組みは複雑ですが、普通の家と同様、建物を維持管理するには、修繕費と改修のための費用が必要です。それに加えてシリウスやポラリスなどの新しい建物を作っていますから、修繕費用を捻出しながらローンを払っていかねばなりません。それはいったい、いくらぐらいになるのでしょうか。

質問

1.「大和市公共施設等総合管理計画」の下位計画には、8つの個別計画の名前が載っています。すなわち「公共施設保全計画」「市営住宅長寿命化計画」「道路舗装修繕計画」「橋りょう長寿命化修繕計画」「下水道ストックマネジメント計画」「公園施設長寿命化計画」「環境管理センター施設延命化維持補修計画」「市立病院施設保全計画」です。他にもまだあるような書き方がされていますが、名前が挙がっているのはこの8つです。

これら8つの個別計画で、大規模改修や建替など費用がかかるピークの時期を見込んでいると思いますが、それはいつでしょうか。現在からその時までに、修繕費や建替費用として想定している金額はいくらでしょうか。個別にお答えください。

答弁

・「公共施設保全計画」平成31年~37年の7年 毎年21億×7=147億
・「公園施設保全計画」平成27年~36年の10年 4000万円×10=4億3000万円
・「環境管理、ゴミ、焼却処理施設長寿化総合計画」 平成31年~50年の20年 ピーク 平成34年施設の延命化工事30億
合計173億
「下水道ストックマネジメント計画」 平成29年~33年の5年  15億×5=77億
・「市立病院施設保全計画」平成28年~34年 7年  ピーク平成29年(未実施)変電設備 4億9000万円 総額17億

 (合計418億3000万円)

2.上に述べた8つの計画の中で、事業費を掲載していない個別計画に関しては、平成29年度末の決算額を教えてください。

・「市営住宅長寿命化計画」 6000万円
・「道路舗装修繕計画」 2億3000万円
・「橋りょう長寿命化修繕計画」 1億2000万円

(合計4億1000万円)

3.平成29年度末の全会計での公共施設の建設等に係る市債残高はいくらでしょうか。

平成29年度総決算から臨時財政対策債等を除いた合計678億3000万円
(参考:シリウス92億、 ポラリス16.4億=平成29年度決算+平成30年度予算)

答弁後

8つの計画でご答弁のあった金額を合計すると、422億4000万円になります。それぞれの計画で、計画期間がバラバラなので、合計してもあまり意味はありませんが、今後、1年間にどれほどの費用がかかるのかという概算は出ています。HPにアップされている「大和市公共施設保全計画」には、「改修計画については、長寿命化の観点から、建替え等を迎える2038 年度までの20 年間を見据えるものとします。」とあります。また、先程申し上げましたように、建て替えの時期は、これから15年後前後に始まります。そのことを勘案すると、20年後までに公共施設等の改修や建替にどれほどの費用が必要なのか、少なくともここにいらっしゃる市長、副市長はじめ幹部の方たちや市民の代表である議員は知っておく必要があるのではないでしょうか。

乱暴であることは、十分に承知しておりますが、ご答弁を計算しなおして20年後までとしますと、「公共施設保全計画」は420億、「公園施設保全計画」は8億6000万円、「環境管理、ゴミ、焼却処理施設長寿化総合計画」はそのままで173億、「下水道ストックマネジメント計画」は、308億、「市立病院施設保全計画」は、ピークが何回も重ならないように計算すると、39億3000万、「市営住宅長寿命化計画」は12億、「道路舗装修繕計画」は46億、「橋りょう長寿命化修繕計画」は24億です。合計すると1030億9000万円となります。

大変な額ですが、これには基本的に建替費用は入っていません。基本的には補修の費用です。大規模改修や建替をするとさらに高額な費用が掛かることが予想されます。例えば、平成6年に環境管理センターを建てた時には、227億円かかっています。そのほかの建物もいずれは建替えの時期が来るでしょう。

加えて、本市は建物のために借りた市債、いわば住宅ローンを払っていかねばなりません。ご答弁にありました678億3000万円です。予算決算書から計算すると、そのうち、シリウスが92億、ポラリスは16億4000万円。つまりここ数年で新しいローンが加算されています。

今後、老朽化の進む建物を維持補修していくことが十分できるのか、またその費用はどうするのか、次にお伺いします。

3  今後の対応について

中項目2で、これから膨大な修繕費や建替費がかかることがわかりました。加えて、建物以外の予算、扶助費等は、今後も上がり続けると予想されます。家計で言えば医療費や保育料に当たる扶助費は、何をおいても必要なものですから、公共施設保全に使うことができる費用の捻出は、今後、今より困難になると予想されます。

公共施設に限って言えば、今後の対策としては、まずは維持補修を安易に先送りするのではなく、必要最低限の維持補修は義務的なものとして確実に取り込むことが大切となります。費用があまりかからないうちにやっておくということですね。12月10日の中央官庁だより、国交省の記事によりますと、施設の損傷が軽い段階で修繕する予防保全は、機能に不具合が生じてから補修に入る事後保全の場合と比べて5割ほど経費が減るそうです。

対策その2として、家計に照らし合わせるなら、まず考えるのは「貯金をしておく」ということでしょう。私なら、そうします。給湯器購入で困ったことがありますから、それぐらいの貯金はしておかねばならないと肝に銘じています。

また、私は現在、分譲マンションに住んでいます。毎月、管理費と一緒に修繕積立金を払っています。年に1度、総会で積立残高が示され、何年後に大規模改修を行うとこれだけ減る、何年後ならこれだけ、とシミュレーションを見せられます。家計には結構な負担ですが、それを承知で入居していますし、必要な時には費用を出さなくていいのはわかっていますから、安心です。戸建て住宅の人も計画的な人は、修繕費用を積み立てていると思います。いつでも払えるだけの貯金がある人は別だと思いますが。

本市にも「財政調整基金」という貯金があります。これはいわば、いざという時のための貯金です。現在、約50億円あります。家庭でも主に働いて給料などを家に入れている人が病気になった等の場合に備えて貯金をしておく必要があると思いますが、そんな感じの貯金です。いざという時は、修繕に使えないこともないと思いますが、修繕のための費用を別建てにしておけば、安心です。しかも50億円では少なすぎます。大項目1の500万円の家計に例えた場合には、37万円でした。1~2か月しか生活を維持できない額です。現在、本市では、修繕や建替のためだけに使える基金はないとのことです。

改修や建替に膨大な費用がかかるとはいっても、いざその時は、国や県からの補助金等を一部、充てられることは承知しています。国の財政も相当厳しいようですから、そう楽観もできないと思いますが。当然、市債を発行してまた借りるということにもなるでしょう。

質問

1.公共施設等の維持保全について今後、どうするのでしょうか?

2.将来の改修や建替に対する財源はどうするのでしょうか。

3.公共施設の改修や建替に使える基金をつくることは、制度上可能なのでしょうか。

答弁

1、公共施設については、社会情勢の変化や多様化する市民ニーズに配慮しながら効果的、効率的に維持していきます。そのため、各個別計画を策定し、維持保全の手法を十分精査するとともに、事業費の平準化にも努めています。

2、将来の公共施設等の改修建替えの経費は、これまでの実績を大きく上回ることはないと見込んでいます。財源についても国や県の補助金等、市債及び例年程度の一般財源からの負担により、これまでと同様に確保できると考えている。

3、条例で定めることにより、公共施設の改修や建替えを目的とする基金を創設することは可能です。引き続き事業費を平準化することで、基金の創設は現時点で必要ないものと考えている。

答弁後要望等

先程から何度も出てきている平準化というのは、大規模改修や建て替えをする時期をずらしたり、補修をきちんとしてなるべく延命化を図るなどということです。答弁は、今までのようにやっていけば大丈夫、だから建て替えに対する貯金は必要ない、というものでした。今後、今までのようにやっていけるのであれば、それは万々歳です。ぜひ、維持補修を確実に行い、延命化を図り、市民に危険の及ぶことのないようにしていただきたい。

私は、この質問を議員としての反省を込めて行いました。財政の説明を受けるたびに、健全化判断比率は問題ない、大和市の財政は大丈夫のようだ、ああよかった、市債残高は、少しは上がっているけれど、他の市に比べてそれ程多いわけじゃない、などと納得していました。危機感が不足していたと思います。

しかし、今までとこれからは違います。現実を直視すべきです。公共施設に関して言えば、今までと違うから国は計画を立てろと要請を行ったのです。補修だけでは済まない時代が、必ず、それも遠くない未来にやってきます。20年後、議場におられる理事者の中で市政に関わっている方は、いらっしゃらないかもしれません。議員もいるとしても少数でしょう。しかし、若い職員は、仕事を続けているでしょうし、市民の大半はこの大和市に住み続けているはずです。その時、道は凸凹、施設はボロボロでは困ります。部長や課長が代わっても、市長が代わっても建替えや大規模改修に利用できる基金を積み立てることは、これからの社会に対する安心感につながります。私が、マンションの修繕積立金を払いながら感じている安心感と同じです。

議員になりたての頃、当時の財政課長から市債の説明を受けて、なるほどと思った記憶があります。建物を建てるときにあえて借金をして建てるのは、現在の市民だけでなく、その建物を使う将来の市民も建設に対する負担をしていくためだ、というものです。

市長は大項目1のご答弁で、市税は市民の負担であると述べられました。だったら将来のために今、負担する、積立基金とはそういうものですが、そういう考え方をしてもいいのではないでしょうか。自分が使っている建物の建て替え資金を負担することは、市民の理解も得られると思います。税が「投資」であるという考え方からすれば、「将来への貯蓄」です。かろうじて人口が増え続けている今、計画を立てて少しづつでも始めなければ、今後始めることは困難です。

一般財団法人建築保全センターの調査によれば、修繕建て替え費用の対策として、基金を作っている自治体は、日本全体で約40%とのことです。本市で始められないことはないと思います。ぜひ、検討していただきたい。「備えあれば、憂いなし」は、災害のためだけの言葉ではありません。

基金の創設を強く要望しまして、私の一般質問を終わります。