内山地区の今後について(2019年3月一般質問より)

大和市中央林間北部に位置する内山地区は昨年10月、下鶴間から中央林間6、7、8、9丁目へと名称変更されました。しかし、市街化に向けた動きは目に見えて進んでおらず、地域の問題、課題は残されたままです。市街化区域編入と都市計画道路整備の実現、および緑の保全の強化に向けて、今後どのように進めていくつもりなのか今まで行ってきた質問の答弁内容を踏まえ、市の意向を明らかにしたいと考え質問を行いました。
市側からは、これからも地権者の合意形成を図るよう努力を続けていくこと、段階的市街化編入に合わせて順次整備を予定していく旨の答弁がありました。

以下、質問と答弁の内容です。

中項目1 市街化区域編入の推進について

内山地区の特定地域土地利用誘導事業は、約30年前の平成2年に始まっています。都市計画法、土地区画整理法に則った事業で、その目的は、「内山地区の市街化調整区域について、市街化区域編入を目指し、計画的かつ段階的な市街地整備の誘導を図る」というものです。今後の方針としては、市街地整備の誘導方針に基づき、段階的な市街化区域編入を行うために、地区計画(案)に対する意向調査を実施していくこと、社会的配慮としては、地権者全員に対しても情報提供を十分に行うとともに、自然の森の保全など環境負荷軽減にも十分留意して事業を進めることが、平成29年度の事務事業評価に明記されています。

市街化に向けた今までの取り組みは、本年2月1日、都市計画審議会資料として提出された「大和市都市計画マスタープラン 取組結果報告書(素案)」に次のように示されています。

「これまでの土地区画整理事業による一括市街化区域編入の考え方から、地区計画制度を活用した段階的な市街化区域編入の考え方へと方針を変更し、内山の市街化整備推進協議会でまとめた地区計画案をもとに、初回編入検討ブロックを対象に合意形成のための意見交換会や個別訪問を実施しました。」というものです。

平成29年9月の私の一般質問では、「今後は意見交換会での御意見等を踏まえ、この協議会の案をもとに、市による説明会やアンケート調査等を実施するとともに、県との協議を進め、初回編入検討ブロックにおける市の地区計画案を今年度中に作成する予定です。さらに、市の地区計画案が作成された段階で、改めて都市計画案としての説明会を実施するとともに、意向調査等を行いながら、地権者の方々の合意形成を図っていく」と答弁されています。質問します。

1、この答弁について計画案や説明会、アンケート調査のその後の実施状況をお答えください。

2、H29年12月には、個別訪問が始まりました。その時から1年余りが過ぎています。個別訪問の現在の実施状況と今後の対応についてお答えください。

答弁(市長)1、2一括答弁

まず初めに、内山地区に関しましては日ごろより積極的なまちづくり活動を行っている地区であると認識しており、特に内山の市街地整備推進協議会の皆様におかれましては、長きにわたり熱心な活動により地区計画(案)をまとめられ、その御労苦と御努力には敬意を表するとともに、感謝申し上げます。  さて、平成29年9月の答弁のとおり、当初は説明会やアンケートを実施し、初回編入検討ブロックにおける市の地区計画(案)を年度内に作成予定でおりましたが、意見交換会の参加率が低い状況を踏まえ、繰り返し説明会等を開催しても、同様な結果が懸念されるために実施を見送ることといたしました。そこで、より多くの地権者の方々の御意向を把握するために、初回編入検討ブロックの地権者の方々を対象に平成29年12月から戸別訪問を実施することにより、協議会の地区計画(案)を説明し、アンケートを行うなど、直接御意見をお聞きしながら意向把握を進めております。  戸別訪問の対象となる初回編入検討ブロックの地権者は約220名で、意向把握の状況としましては、市街化区域への編入について、賛成の方が約57%、多数の意見に合わせる方が約11%、反対の方が約8%、わからない方が約15%、未回答の方が約9%となっております。今後も戸別訪問を継続し、わからないと回答した方への丁寧な説明や未回答の方への意向把握に努め、御理解いただけるよう地権者の方々の合意形成を図ってまいります。
3、初回編入検討ブロックの市街化区域編入における現在の課題は何であるととらえていますか。

4、このまま合意形成が進捗しない場合に備えて、市はどのような打開策を考えていますか。

答弁(街づくり総務課長) 3、4一括答弁

これまでに延べ450回程度戸別訪問しておりますが、わからないと回答した方は、現状では判断がつかない、現状維持を希望するなどの意見が多く、未回答の方は、回答を拒否される方や空き家や要介護状態で連絡が困難な方などでございます。初回編入検討ブロックの合意形成を図る上で、おおむね8割以上の合意率を目指す必要があると考えておりますが、現状では反対の方と意向が不明確な方を合わせると3割以上となるため、できるだけこの割合を減らしていくことが課題となっております。合意形成の状況によっては、初回編入検討ブロックの範囲や地区計画(案)の見直しなども検討していく必要があるものと考えております。
5、内山の市街地整備推進協議会では、市街化推進に向けて市への協力も厭わないとしています。市と市民が一体となって進めていかなければ、市街化編入は進展しません。市として、協議会との連携をどのように考えているのでしょうか。

答弁(市長)
5、内山の市街地整備推進協議会との連携についてお答えいたします。  これまで協議会では、地区計画(案)作成のために、地区計画を検討する会の開催など熱心に活動され、市主催の意見交換会や戸別訪問にも御協力いただいております。今後は意向が不明確な方への再訪問や説明の際に協議会の皆様に御同行いただいたり、情報提供などに御協力いただきながら、協議会と一体となって初回編入検討ブロックの市街化区域編入の早期実現に努めてまいりますので、引き続き内山の市街地整備推進協議会の皆様の御協力をお願いしたいと存じます。

 

中項目2 都市計画道路について

内山地区の都市計画道路は、南大和相模原線と公所中央林間線があります。平成27年10月に出された中央林間地区街づくりビジョンでは、短期から中長期の視点で整備を進めるものと位置づけられています。短期とは、概ね4~5年後、中期とは10年後ほどです。

南大和相模原線を整備することは、50年も前から決まっています。平成27年9月の質問で、「地区計画の合意を街区ごとに進めることと並行して、都市計画道路の実施計画に取りかかるべき」と私は強調しましたが、残念ながら現在でもまだ行先は不透明なままです。

南大和相模原線について、平成27年時点での議会での答弁では、市長は「相模原市の都市計画道路とつながることで、広域的なネットワークとしての機能や効果が十分発揮されるものと考えられることから、早期の実現に向けまして、相模原市との協議を定期的に行いながら、整備手法や整備時期などについて具体的に申し入れを行っていきたい」と述べられ、地区計画による地区施設の道路整備について、街づくり計画部長は、「地区施設の道路によって後退していただく部分は原則市が買い取り、まとまった区間が確保された段階で道路として整備する」と具体的に答弁しています。

しかし、その2年後の答弁では、市長は公所中央林間線についての成果を強調していますが、南大和相模原線については、その後の進展はありません。地権者の方たちは、計画道路の整備はどうなっているのかやきもきしています。自分の土地を今後どのようにしておいたらいいのか決めるためにも、はっきりした市の姿勢を求めています。また、南大和相模原線の道路計画が決定されることにより、地区計画の合意がスムーズにいくという意見もあります。質問します。

1、早期の都市計画道路整備の実現に向け積極的な対応として現在、何を行っているのでしょうか。進行状況を教えてください。

2、南大和相模原線の道路整備と市街化は切っても切り離せないものです。

市街化を進めていくうえで、個別訪問の際に、地権者に対しどのように説明し、賛否を問うているのでしょうか。

3、市街化推進と共に今後、道路整備をどのように進めていく予定ですか。

答弁(街づくり総務課長) 1,2,3一括答弁

戸別訪問では、地区計画(案)の説明とともに、市街化区域編入に合わせ市が都市計画道路を整備していく際には、用地買収等に御協力いただくよう説明しながら、地権者の皆様の御意向を確認させていただいております。都市計画道路の整備実現に向け、現段階では、地区計画(案)による地区施設道路との接続部分や都市計画道路の交差部分の処理などについて、神奈川県警との交通協議のための相談を進めながら、課題を抽出している状況でございます。都市計画道路につきましては段階的な市街化区域編入に合わせて順次整備を予定しておりますが、今後は具体的な整備手法や整備時期を検討するとともに、引き続き関係機関等との協議を進めながら、円滑な整備の着手に向けて取り組んでまいります。

 

中項目3 中央林間自然の森の保全について

緑の保全については、私もこの議場でたびたび言及してまいりました。昨年6月には「貴重な財産である保全緑地を残していくために、地権者の意向を継続的に確認しながら、用地の買い取りを行うことにより、積極的に保全を図ってまいります。」という市長の力強い言葉をいただいています。

また市街化区域内のことではありますが、この定例会において上程されております議案「大和市生産緑地地区の区域の規模に関する条例について」では、生産緑地の規模を500㎡以上から300㎡以上へと変更することにしています。畑や果樹園を含めて少しの緑地でも残していこうという意向が感じられます。緑地は、開発してなくすものから保全するものへと変化しています。ましてや貴重な自然が残されている大規模緑地は、一度失ってしまったら、もう元に戻せません。

内山に関して言えば、自然の森は、昔から里山として利用され、残されてきたものです。家があり、畑があり、森がある今の環境を保持してこそ、森は「内山の宝」であり続けます。

市は、平成26年度に1500㎡を取得、市の所有地は約4,500㎡です。これは全体のまだ14%です。まだ圧倒的に地権者所有の森です。積極的に保全を図る意向があるならば、待ちの姿勢ではなく地権者へ積極的に接触し、買取りの動きを加速していただきたい。同時に市民へ「緑」の貴重さをさまざまな方法で啓発していってほしいと思います。質問します。

  1. 中央林間自然の森の保全について市はどうとらえているのでしょうか。

買取りの意向があった場合に備えて、みどり基金の用意があると聞いています。そこで質問します。

2.みどり基金の額と用地買い取りの申し出があった場合の対応についてお答えください。

答弁(環境農政部長)

  1. 中央林間自然の森は、本市北部に位置する緑の拠点であり、野草や野鳥が生息する貴重な樹林地として維持することを基本としていることから、山林所有者との借地契約を維持継続するとともに、地権者の意向を踏まえて私有地の買い取りを行うことにより保全を図っているところでございます。

2.保全緑地の用地買い取りの際にはみどり基金を活用しており、土地を除く基金の額につきましては平成29年度末、現金と有価証券で約14億円となっております。また、用地買い取りの申し出に備えて、用地測量費や不動産鑑定料などの事務費を毎年予算措置し、速やかな対応が可能となっております。

 

(答弁後の要望)

まず、個別訪問をのべ450回も行っているという職員のみなさまのご努力に敬意を表します。合意率8割以上を目指して今後も努力していただきたいと思いますが、個別訪問を始めてから1年以上たった今、まだ課題があるということは、今までのやり方では行き詰まり感があるのも事実です。

初回編入検討ブロックの範囲や地区計画案の見直しの検討も視野に入れているようですが、当事者である市街地整備推進協議会の方々と検討を続け、お互いに協力しながら推進していっていただきたいと要望いたします。

都市計画道路については、「段階的な市街化区域編入に合わせて、整備を予定しており、円滑な整備の着手に向けて取り組んでいく」という内容のご答弁をいただきました。市街地整備が決定した暁には、すみやかに道路整備に向けて着手するという意向を確認できました。市街化が決定しなければ、確かに道路の計測さえできません。道路の整備と市街化推進は、内山の整備の両輪です。早期の市街化整備実現に向けて、今後もとり組んでいっていただくことを要望します。

自然の森については、市が貴重なものであると認識しており、買取りにより保全を図っていくという意向を確認できました。みどり基金は、買取りを行うには充分な額があります。ただ、現在はわずかな寄付と利子でその額を保っているにすぎません。14億という基金があるということは、過去には緑の保全のために計画的に積み立てていたなど、増やす努力をしていたのだと推測いたしますが、今はそれがなされていません。

31年度の予算書によると、大規模緑地整備事業として事務費が357万円計上されています。これが測量費や鑑定料として買取りのために使われるのならば結構ですが、もし使われなかった場合にはその一部を基金に入れる仕組みを作るなど、工夫をして基金を増やす努力をしていただくよう要望いたします。基金を増やすことは、買取りによる保全を図るという市の意向を目に見える形で現わすものとなります。

中央林間地区街づくりビジョンの基本理念は、「緑と文化に包まれた誰もが住みたいと思えるまち中央林間」です。緑を守り、新たな街を作る今後の取り組みに期待いたします。