外国人の子ども 就学への支援充実を(2019年12月一般質問より)

日本には、外国人の子どもを就学させねばならないという法律はありません。しかし外国人の子どもは増加しているため、文科省は外国人の子どもの受け入れ態勢の整備や就学後の教育の充実について数度にわたり通知しています。また2019年3月15日には、「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等について」という通知を出し、一層の充実を求めています。

 昨年、大和市に中学への就学を希望した外国人の子どもが、年齢超過のため受け入れを拒否されるという事態が起きました。その約1か月後緊急的対応を行い、現在は受け入れができています。3月の通知には、年齢超過の子どもも柔軟に受け入れる旨の記述があります。通知があった時点で検討がなされていたら、申し込みがあった時すぐに対応できたはずです。

 入管法の改正により、今後外国人の入国は増えるものと予想されます。来るのは「労働力」ではなく「人間」であり、「市民」となる人たちです。一人ひとりに寄り添った支援が求められます。

 

(以下は、議会当日の発言と答弁内容です。答弁内容概要は、緑字で示しています。)

大項目 外国人の子どもの就学について

「大和市さん、どうしちゃったの」というのが、外国人支援で活動している方からの最初の言葉でした。大和市は外国人の子どもの教育に熱心に取り組んでいると知っていての感想です。大和市に転居された外国人のお子さんの年齢が、本来は中学を卒業しているはずの16歳以上であるとの理由で、中学への編入ができないと言われたと、今年10月に相談されました。その後、教育委員会内で検討していただき、このお子さんは12月から市内の中学校に通うことができています。しかし、生徒が一度就学を拒否され、相談から編入までしばらく時間が空いてしまったことは、残念でなりません。

中項目1 大和市の今後の方向性について

教育基本法第四条は、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」と定めています。ただ、外国人に対しては就学の義務はありません。しかし、文科省は「外国人児童生徒教育の充実について」、「外国人の子どもの就学機会の確保に当たっての留意点について」等で、外国人の子どもの受け入れ態勢の整備や就学後の教育の充実について通知しています。また今年3月15日には、「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等について」という通知を出し、一層の充実を求めています。この通知をもとに、本市の今後の対応と方向性について質問します。

教育長にお聞きします。大和市の現状を鑑み、外国人の子供の就学に関して今後、どのように進めていくべきと考えているのでしょうか。

教育長答弁(中項目1と中項目3-の⑦)

近年、日本に在留する外国人が増加しており、入管法等の改正によりさらなる増加も予想される。

本市は県内市町村の中でも外国人が多く、令和元年5月1日現在、小学校248人、中学校237人の外国籍の子供たちが就学している。日本に居住する外国人には就学の義務はないが、公立の義務教育小中学校へ就学を希望する場合は、国際人権規約や児童の権利に関する条約の趣旨に則り受け入れを認めている。

受け入れにあたっては、日本語の支援が必要な児童生徒については、国際教室の案内や、日本語能力に応じて個別に日本語指導を行うプレクラス、また就学前の児童を対象としたプレスクールの活用を促すなどの配慮をしている。

また、文部科学省は、平成31年3月15日付で「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等について」を通知し、学齢を経過した外国人の受け入れも可能とした。

本市においては、今年度、このケースに該当する案件があり、教育委員会として就学を許可したところである。

今後、学齢を経過した外国人の受け入れについて、内規等を早急に整理した上で、個々のケースに柔軟に対応していく必要があると考えている。

中項目2 外国人の子どもの就学の促進及び就学状況の把握について

  1. 就学案内等の徹底

就学案内等の徹底に関して、通知では、教育委員会は、就学援助制度や公立の義務教育諸学校への入学も可能であることについて、広報誌やホームページ等の利用、説明会の開催等により学齢期の子供が就学の機会を逸しないよう広報すること、保護者に対して、住民基本台帳の情報に基づいて、公立の義務教育諸学校への入学手続等を記載した就学案内を通知することや就学援助制度の案内、「就学ガイドブック」の多言語化などを求めています。

① 現在の取り組みについてお答えください。

住民登録がされている小学校入学年齢の外国籍の子供については、入学案内を送付して、小学校への修学に関する案内を行い、就学の意思について確認している。

また、小学校6年生に該当する外国籍の子供についても、入学案内を送付して、中学校への就学意思について確認している。

② 転入時の対応について

教育委員会では、市立小中学校への入学や転入を希望する外国人児童生徒に対して、面談を行う中で、日本語能力に応じて、個別に日本語指導を行うプレクラスや、就学前の児童を対象としたプレスクールへの参加を案内している。

また、学校に設置されている国際教室での学習が可能であることを保護者に説明し、子供が安心して学校生活を送ることができるよう支援している。

③ 就学援助制度の周知など、支援についての広報状況について、HPや広報だけではなく、直接情報が届く仕組みになっているのでしょうか。

就学援助制度について、市内小中学校に在籍する児童生徒にお知らせと申請書を合わせた資料を配布している。
また7カ国語に翻訳した就学援助制度のお知らせにより、外国人保護者への周知を図っている。

 

  1. 就学状況の把握と外国人関係行政機関との連携の促進

就学状況の把握と外国人関係行政機関との連携の促進では、住民基本台帳を基に外国人の子どもが就学している状況を把握することや保護者からの相談に応じるなど、継続して就学の機会の確保に努めること、情報の把握について他機関との連携を図ることについて、教育委員会に求めています。

④ 就学状況の把握等について、他課との連携はどうなっているのでしょうか。

現在は、大和市への転入手続き時に外国人の子供がいる場合、市民課で就学の案内をし、教育委員会へ来てもらい必要な手続きをしている。また、通訳が必要な場合は国際化協会に依頼している。

 

中項目3 学校への円滑な受け入れについて

  1. 就学後の決定に伴う柔軟な対応

就学後の決定に伴う柔軟な対応について、外国人の子供の居住地等の通学区域内の義務教育諸学校において受入れ体制が整備されていない場合には、地域の実情に応じ、受入れ体制が整備されている義務教育諸学校への通学を認めるなど、柔軟な対応を行うことを求めています。

本市の現状についてお聞きします。 

  • 小中学校における外国籍の子どもがいる学校数と人数

 

令和元年5月1日現在、外国籍の子供は全小中学校に在籍しており、その人数は385人である。

国際教室のある学校数について小中学校でそれぞれの数をお答えください。

 

 市内小中学校の国際教室設置コースは、小学校で14校、中学校で7校となっている。 

  • 国際教室のない学区に住む子どもの対応について

 

国際教室が設置されていない学区に住む外国人児童生徒は、転入人国際教室のある近隣の学校も選択することができる。

国際教室が設置されていない学校に在籍する外国人の児童生徒に対しては、外国人児童生徒教育相談や巡回教員により、日本語指導及び強化指導などの支援に取り組んでいる。

  1. 障害のある外国人の子供の就学先の決定

障がいのある子供については、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人や保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から判断すること、本人や保護者への丁寧な説明。「学びの場」を変更も可能な柔軟なものにすることを求めています。ここでは、特別支援学級に在籍する子どもについてお聞きします。

  • 特別支援学級に在籍する外国人の子どもはいますか。
  • 特別支援学級に在籍する子ども対応についてお聞かせください。

 

特別支援学級には、外国人児童生徒も在籍しており、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握した上で、個別の支援計画を作成し、日本語指導を含めた適切な指導及び必要な支援を行っている。

  1. 受け入れ学年の決定等

受け入れ学年の決定等については、
・日本語のコミュニケーション能力等により年齢相当学年の教育を受けることが適切でないと認められるとき、一時的又は正式に下学年の入学を認めることが可能であること。
・保護者等から学習の遅れに対する不安により、進級時の補充指導や進級や卒業の留保に関する要望がある要望がある場合には、補充指導等の実施の柔軟な対応をする。進級や卒業の保留も可能なこと。
・取扱いに当たっては、言語、教育制度や文化的背景が異なることに留意し、本人や保護者に丁寧に説明し、十分な理解を得ることが必要であること。
が書かれています。

  •  受け入れ学年は、どのように決定しているのでしょうか。

 

外国人児童生徒の受け入れ学年は、学年に応じた学年の転入を原則としており、保護者が学年を下げての転入を希望する場合は、本人の日本語能力、母国での学習習得状況を考慮した上で、学年を決定している。

(4)学齢を経過した外国人への配慮について

外国又は日本で様々な理由から義務教育を修了しないまま学齢を経過した者については、各教育委員会の判断により、本人の学習歴や希望等を踏まえつつ、学校の収容能力や他の学齢生徒との関係等必要な配慮をした上で、公立の中学校での受け入れが可能であることを明記しています。16歳以上でも公立中学校に入れるか否かの判断を教育委員会が決めることができます。

今回の該当事項です。このことについては、緊急的な処置として受け入れてはいますが、現在、本市でルールづくりを進めていると聞いています。

  •  学齢を経過した外国人の受け入れ態勢の進捗状況についてお聞かせください。

 

(はじめの教育長答弁に含む)

中項目4 新たな通知等があった時の対応について

今回は、「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等について」が文科省から本年3月に通知されていたにもかかわらず、本市教育委員会では、内容について検討されておらず、事例が発生した時に直ちに対応することができませんでした。冒頭にも申し上げている通り、現在は学校に就学ができています。しかし、大和市民であるひとりの子どもが、学校に入れる見込みがないまま、不安の中で過ごさねばならない期間がひと月余りもあったことは、残念でなりません。

教育機関における対応の遅れは、その子どもや家族の生活および将来に重大な影響を及ぼしかねません。国から通知があるのは、対応の必要性があり、今後も課題となるからに他なりません。通知があった時点で迅速な対応が求められます。

今回の通知は、「各都道府県知事」「各都道府県教育委員会教育長」「各指定都市市長」「各指定都市教育委員会教育長」宛てであり、一般市宛ではありません。しかし、外国人の多い本市においては、該当する児童生徒がいる可能性が極めて高い事例です。

 通知等があった時点で、本市で発生する可能性が高い事例に関しては、その時該当者がいなくても、あらかじめルール作りを進めておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

新たな通知等があった場合、担当課が通知内容を確認し、早急に取り組むべきものや報告・検討が必要なものを判断しているが、今後より一層、周知徹底に努めていく。

(答弁後要望)

戦後スイスを代表する作家、マックス・フリッシュの言葉に、外国人労働者と受け入れ国が抱える問題を集約しているものがあります。日本も肝に銘じておくべき言葉でしょう。「労働力を呼んだら、来たのは人間であった」というものです。

教育長の答弁にもある通り、管法等の改正により外国人のさらなる増加も予想されます。一緒に子どもも入国したり、日本で生まれる子どもも増えるはずです。みな、市民です。現在でも本市には、385人の子どもが小中学校に在籍しているとのことです。小中学校入学前や入学後、公立以外の学校に通っているお子さんも合わせたら、もっともっと多いはずです。改めて本市の外国人の多さがわかりました。

外国人の就学に対する本市の対応は、現状でもしっかりしていることがわかり、安心しました。ただ、改善の余地もあります。例えば就学援助のお知らせは、7か国語で対応しているとのことですが、それ以外の言語圏の保護者には、日本語の書類しか渡していないとのことです。自分が外国に行って子どもを学校に入れると想像すれば容易くわかると思いますが、例えばタイに行って、タイ語がわからなかったら、せめて英語の説明書きが欲しいと思うのではないでしょうか。相手の立場に立った対応をお願いします。

通知内容に関するルール作りについては、内規等を早急に整理した上で、個々のケースに柔軟に対応していく必要がある、とはっきりお答えいただきました。よろしくお願いいたします。