環境問題への対策は市民の自覚から(2019年12月一般質問より)

2019年秋の台風15号、19号は、温暖化の影響により被害が増大している事実を私たち市民につきつけました。12月にはCOP25(気候変動枠組み条約第25回締結国会議)が開かれ、国際的に議論が行われました。地球環境の悪化を食い止めるには、全世界的な取り組みが必須ですが、日本の取り組みは後ろ向きです。

神奈川ネットは12月の議会で「気候非常事態宣言」の決議を提出し、全員賛成で採択されました。自治体の温暖化対策は、自然エネルギーの普及促進などとあわせて、市民一人ひとりの自覚を促すことが大切です。

12月の議会では、環境問題について取り上げ、大和市の対策の現状とともに、新たな概念として環境問題を考えながら消費活動を行う「エシカル消費」について提案を行いました。大和市が気候非常事態宣言を行い、今後、環境問題への対策を強化することを強く望みます。

 

(以下、議会当日の発言と答弁内容です。答弁は緑字で示しています)

大項目1 環境問題について

中項目1 地球温暖化について

私たちの身近に起こった災害、台風15号、19号の被害を受けて、今回の議会では防災や環境問題に目が向けられました。地球環境の危機については、皆さん充分ご承知のことと思います。

自治体の取り組みで、防災は大切です。しかし、想定外の事態は起こり得るものだと私たちは身をもって知っているはずです。災害を未然に防ぐために環境を守っていくことに対しては、一人ひとりの意識変革が必要であり、市民に身近な自治体は、市民に呼びかける義務があると考えます。市民を守る立場から危機感を持って対策を推進すべきです。

本市の環境対策について、お聞きします。

① 身近に災害が頻発する近年に鑑み、防災の観点からも温暖化への取り組みは重要と考えます。地球温暖化と自治体の行うべき対策について市長の考えをお聞かせください。

(市長答弁)
地球温暖化の問題は、その予想される影響の大きさや深刻さから見て、人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題であり、温室効果ガスの削減は人類共通の課題であると認識している。

今月、スペインで開催されたCOP25では、パリ協定の本格実施に向けた最後の詰めの交渉が行われたが、近年、わが国でも地球温暖化が原因と言われる、過去に例のないような大雨や台風などで甚大な被害が度々報告されるなど、地球温暖化に関する対策は、全世界で取り組むべきものと捉えている。

温室効果ガスを削減し、地球温暖化を制御するためには、再生可能エネルギーのさらなる利用促進や、すべての市民・事業者がいっそう、環境に配慮した行動をとることが重要と考えており、本市としては、今後も様々な施策により、温室効果ガスを削減し、持続可能な社会の実現を目指していきたいと考えている。

 ② 現在、大和市の行っている対策について

本市では、平成21年度から、市民の再生可能エネルギーの活用を支援するために、太陽光発電システムの設置に対する補助を開始し、平成24年度には太陽熱、平成27年度にはHEMSとリチウムイオン蓄電池、平成30年度にはエネファームと、順次補助対象を追加するなど施策の充実を図ってきた。

また、学校・コミュニティーセンターなど、災害時には避難所となる市内公共施設に非常用電源としての利用も可能な、太陽光発電システムの設置も進めている。

さらに、環境配慮指針を図書館などに配下し、ホームページに公開するとともに、環境フェアなどのイベントで節電や車の利用を控えることを呼びかけたり、小中学校に「かんきょうノート」を配布して家族で環境配慮行動について考えてもらっており、今後も、様々な機会をとらえて普及啓発に取り組んでいく。 

③ 健康都市大学で環境問題に関する講義などもあったと聞いています。講義を聞いての市民の反応をお聞かせください。

健康都市大学の中心事業として市民が講師を担う「市民でつくる健康学部」の講義が毎日シリウスで開催されており活況を呈している。

そこでの講義内容は私が企画するものではなく、市民講師が自由に設定するもので、その中には環境問題をテーマにしたものもあること。

講義での市民の反応として、受講生にとったアンケートから、知らない内容で関心が沸いた、孫や若い人たちに安心して住める地球環境を残せさねばと考えさせられた、具体的な行動を考える出発点としたい、などの声が寄せられている。

 

中項目2 子ども議会の提案について

11月10日に教育委員会と市議会共催の子ども議会が開催されました。

子ども議会はテーマごとに小中学生の「発表」がありましたが、その提案は担当課には届いていないようです。4つの議題の中の「地球環境」は、将来を生きる子どもならではの危機感を持った提案でした。子どもといえども議員の提案に対しては、市は答える義務があるはずです。発表を聞いて、なぜそれが今、行われていないのか、疑問に思う提案もありました。

2つの発表を取り上げ、対策可能なのか、難しいのならなぜなのかお聞きします。

(1)エコキャップ運動について

小学生の子ども議員からエコキャップ運動についての提案がありました。学校では取り組んでいるものの、学校だけでなく、大和市全体で取り組むべきという提案です。

エコキャップ運動とは、ペットボトルのキャップを収集し、そのリサイクルで発生した利益を、発展途上国の子ども向けにワクチン代として寄付することを掲げている運動です。「地球環境問題」「資源活用」「国際貢献」の3つを活動テーマに設定しており、環境問題への意識向上に役立つものと思われますが、寄付金額より輸送コストの方が高いなどの批判もあります。

大和市の収集業務では、ペットボトルのキャップは容器包装プラとして回収していますが、市庁舎内などではプラとして一緒に回収せずに、分別して回収しているようです。ペットボトルのキャップは、容器包装プラとして出さずに、公共施設などにわざわざ持ってきている人も私の周りにはいます。有効な活用をされているものと思っての行動だと思います。

① 分別して集めたキャップは、どこに行き、どのように処理されているのでしょうか。

② ペットボトルキャップを分別することについて、市はどう考えているのでしょうか。

本市では、包装容器リサイクル法に基づき、ペットボトルのキャップは容器包装プラスチックとして回収し、容器包装リサイクル法で定められた指定法人に引き渡して、資源化している。

一方で、市内の1部の公共施設や民間施設では、施設管理者等が独自に、あるいは福祉団体等からの協力要請に応じてペットボトルキャップを分別して集め、発展途上国の子供向けワクチンの購入費用に充てたり福祉活動に利用するなど、市の資源化とは別に、いわゆるエコキャップ運動に取り組んでいる。

こうしたエコキャップ運動の意義は認識しているが、売却益と回収コストのバランスに課題があることや、実施団体の撤退により活動の縮小が見られることなどの現状から、今後も、市民の皆様が市の資源回収とエコキャップ運動を混同されないよう留意しながら、本誌としては容器包装プラスチックとしての資源活用を継続していく。

(2) 給食の牛乳容器について

小学生のこども市長から3Rの推進と学校給食の牛乳容器をリユース瓶にという提案がありました。

給食の牛乳瓶は、ある程度の年齢以上の市民にとっては、最も身近なリユース瓶です。私の小学校時代もガラスのリユース瓶でした。環境への関心に高まるにつれ、かつて行っていたことがなぜ今行われていないのか、疑問に思っている市民も多いはずです。

3Rとは、Reduceリデュース:減らす、Reuseリユース:繰り返し使う、Recycleリサイクル:再資源化するの略です。1.リデュース(ごみの発生抑制)、 2.リユース(再使用)、 3.リサイクル(ごみの再生利用)の優先順位で廃棄物の削減に努めるのがよいという考え方を示しています。

平成12年施行の循環型社会形成推進基本法は、日本における循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律です。基本法が整備されたことにより、廃棄物リサイクル政策の基盤が確立されました。
その第六条には、「循環資源については、その処分の量を減らすことにより環境への負荷を低減する必要があることにかんがみ、できる限り循環的な利用が行われなければならない」とあります。

環境影響評価による容器間での環境負荷評価の結果では、一般に空きびんの回収率が高く、使用回数が増えれば、紙パックよりもびんの方が環境負荷は小さいと評価されています。一方ガラス瓶は、重たい、輸送コストがかかる、割れる等の指摘もあります。

① 本市の給食は、いつ、どのような経緯で牛乳瓶から現在の紙パックに代わったのでしょうか。

② 環境負荷の観点から見て、リユースできる牛乳瓶の導入を模索すべきではないでしょうか。

本市の学校給食用の牛乳は、平成5年4月より、瓶容器から紙パック容器に移行いたしました。

移行に先立ち、教育委員会といたしましても、ゴミの減量化や地球環境への配慮から、納入業者に対し、ビン牛乳での継続を強く要請いたしましたが、生産ラインの老朽化による更新費用が多額であることなどから、継続ができないとの申し出がございました。

また、学校給食を賄える、代替業者がなかったことなどから、紙パック牛乳への移行はやむを得ないと総合的に判断した経緯があり、現在もその状況に変わりはございません。

瓶容器と紙パック容器について、移行当時、紙パックの処分は、約半数が焼却によるものでしたが、古紙再生の技術の進化により、現在は十分に再資源化が図られているものと考えております。

 

中項目3 環境教育について

子ども議会での発言でもわかる通り、子どもたちは環境問題にとても興味を持っています。グレタ・トゥーンベリさんをはじめとして、若者が環境問題について声をあげているのは、自分たちの将来、地球がどうなっているか、生物が生きていくのにふさわしい環境であるのか、危機感を持っているからに他なりません。まっすぐな危機感を大人が受け入れることは重要です。

子どもは時に、未来に対し、必要以上の不安を持つ存在でもあります。現在の地球環境に目を向け、現実的にひとりひとりがどのように生活すればいいのか、子どもが考えていく力をつける教育が必要です。

子どもが学ぶことにより、その保護者が変わる例もあります。

2017年2月に神奈川新聞に載った開成町(まち)の中学生の投書を紹介します。

「僕の家では、食器洗いに合成洗剤を使用している。このことについて、今までは何も感じなかったのだが、廃油から石けんを作るリサイクルについての授業が先日あり、興味を持ったので、自分でも調べてみた。

すると、家で使用している合成洗剤が川を汚染し、生態系を壊していることが分かった。人工的に作られた物質によるものだそうだ。しかし、廃油から作ったものも含め、石けんは川を汚さないこともわかった。

その後、授業で作った廃油石けんが出来上がり、持ち帰ったので実際に母に使ってもらった。感想は「(汚れの落ち具合など)普通の洗剤と変わらない」とのことだった。環境への負担が全く違う合成洗剤と石けんの使い勝手が、ほぼ同じだったのである。

廃油石けんを使用すれば、川も汚さない上、廃油という本来ごみになってしまうものを再生できる。廃油石けんはよいことばかりだと思った。

この廃油から作った石けんを使用することで、身近な自然を守ることができる。広く実践してもらいたいと感じた。」以上です。

① 市立の小中学生に対する環境教育の現状について

② 学校で行っている環境活動について

学習指導要領では、「環境の保全などの理念は、様々な課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組み、社会の持続可能な発展の担い手として個人を育成することにつながるものである」と記されてあり、小中学校において様々な教科の指導や体験活動等を通して、環境教育に取り組んでいる。

本市が進めている「やまとみどりの学校プログラム」の取り組みの中で、小中学校では資源とゴミ、エネルギーなどのテーマのもと、緑のカーテン設置や電気自動車体験学習、引地川クリーン作戦などの実践的な教育活動を行っている。

③ 学校での取り組みを地球温暖化などの環境問題とどのように結びつけて教育を行っているのでしょうか。

小中学校では理科や社会科において、地球温暖化や大気汚染、海洋汚染などの環境問題が、自分の将来に大きな影響があることを学ぶとともに、「大和市かんきょうノート」を活用し、児童生徒が、家庭における身近な取り組みを記録することで、環境問題に対する意識を高める活動に取り組んでいる。

中項目4 新たな視点の導入

環境を改善していくためには、国や自治体が行う取り組みはもちろんのこと、ひとりひとりの心がけや行動が必要です。最近、知られ始めた取り組みに「エシカル消費」というものがあります。

エシカルとは、「倫理的な、道理にかなった」という意味で、消費者一人ひとりが良識に基づいた買い物、すなわち、人や地域社会に配慮した商品やサービスを購入することや環境や資源保護に配慮した商品を購入し、それによって世界の様々な問題解決に貢献する消費行動を行うことです。フェアトレードもこれに含まれます。使う側の責任を問うという意味で、SDGsの持続可能な消費形態と同じ意味を含みます。

エシカル消費は、環境問題のみならず、被災地の復興や障がい者支援、途上国の生産者からの公正な取引を促進し、途上国の生産者や労働者の生活改善につながるものです。これは、環境に興味のある市民には広く浸透している概念です。その意味と価値を浸透させることで、市民の意識を向上させることは可能です。市がエシカル消費の概念について周知し、市民に環境について考えてもらう機会を提供していくべきではないかと考えます。

① 市は、エシカル消費についてどのように捉えているでしょうか。

② SDGsの目標12 「つくる責任・つかう責任」を達成するためにエシカル消費を市民に広く周知することについて、お答えください。

消費者庁が2015年5月から2年間にわたり「倫理的消費」調査研究会を開催。

この研究会では、人や社会、環境に配慮した消費行動の普及に向けて幅広い調査や議論がなされ、エシカル消費の枠組み作りがされた。

現在、消費者庁では、消費者が社会的課題を考慮し、課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うエシカル商品の普及、啓発に取り組んでいる。

SDGs17分野の目標の12番目に、持続可能な生産消費形態を確保すると示されており、この目標を達成するためには、「エシカル消費」の考え方は重要。

今年の8月に実施した「みんなの消費生活展」で、SDGsの目標12のポスターを掲示し、リーフレットを配架した。

今後は、さらに、エシカル消費に関するポスター等も新たに活用することで、周知に努めていきたい。

 

(質問後要望)

本市の環境に対する対策が、確認できました。環境については、現在、世界的に議論が盛んです。身近に危機が迫っていることが実感としてわかってきた人が増えているからではないでしょうか。COP25では、日本は化石賞という不名誉な賞をもらって話題となりました。国の対策は急務ですが、自治体レベルでは、私たち市民の心がけが何より大切と思います。

1970年代に「新しい社会運動」という理論が生まれました。「自分を変えることそのものも社会運動である」というものです。ただし、人は知らなければ行動できません。行動しなければ変わることができません。

先ほどご紹介した開成町の中学生も石けんの良さを知ることにより、行動に移せました。今回、エシカル消費について答弁していただき、ここにいるみなさんがその概念を知ることができました。例えば買い物するときに、値段だけで決めずに少しだけ高くても環境負荷の少ない製品を買う。遠くから来た野菜より、地場野菜を買う。そんな市民が増えれば、少しずつでも世の中は変わります。市民がそう思い続けることができるよう、市からも環境に対する啓発を続けていっていただくことを要望します。