コロナ対策は、市民自ら考えることから(2020年6月一般質問より)

6月の大和市議会一般質問は、議会運営委員会の決定により、3日の日程が1日に縮小されて行われました。
議員一人当たり30分の持ち時間を会派当たり30分で質問となりました。議会運営委員会では、市民の権利を奪うものだと、時間の縮小に反対しましたが、残念ながらそう思わない議員の方が多く、本会議一般質問の日程と時間は短縮して行われました。神奈川ネットは3人の議員が10分づつ登壇し、私は新型コロナ対策に関連してと題して質問を行いました。

質問事項は、主に5つです。

1、非常事態における基礎自治体の在り方
2、科学的に納得して感染予防を行うことが、効果があること
3、納得して行動することは、教育の基本であること
4、学校の水道栓を感染しにくいものに変えること
5、大和市で配布している次亜塩素酸水の空間噴霧について

下記、質問と答弁内容です。

 

新型コロナウイルスの拡大とその後の世界において、私が最も危惧しているのは、市民による地方自治の衰退と中央集権の強化による監視社会の到来、また、感染予防のための消毒剤や殺菌剤の過剰な使用による化学物質過敏症患者の増加です。それを防ぐためにここで述べたいのは、市民自ら考えて行動することの大切さです。コロナ対応に関して、世界では、ドイツ政府のやり方に評価が集まっています。ドイツは都市封鎖を行いはしましたが、権力による強制によってではなく、弱い人々や医療システムを守るための唯一の方法であると、人々を納得させることに重きを置きました。例えば感染の予防、特に手を洗うことに関しても、行動を自分で理解し、納得して行う場合と、言われるがままにやる場合では、予防効果も違うはずです。疫病に対しては科学的に対策する必要があります。ここでは主に市民への啓発と学校での衛生教育について質問を行います。

中項目1、緊急事態宣言下における市の在り方について
緊急事態宣言下では、現場を知らない国と、対応に右往左往する県の実態が明らかになりました。市民が何に困っているのか、何を必要としているのか、実際に生活する人々の状況を最も把握できるのは基礎自治体です。指針がないと動けないと、国や県に頼るのではなく、責任問題を恐れず、きめ細やかな判断をし、早急に実行する必要があります。

質問
4月7日から5月25日まで緊急事態宣言が発布されました。感染状況によっては今後もまた発布される可能性もあります。国や県の決定に従わざるを得ない場面が多い中で、市民に最も近い市独自の施策の在り方について、市の考えをお答えください。

答弁
新型コロナウイルス感染症の対策につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき国が基本的対処方針を決定し、推進します。都道府県は、基本的対処方針に基づき、地域医療の確保や蔓延防止など中心的な役割を行い、市町村は、都道府県からの要請への対応や市民の皆様への情報提供等を行います。本市においては、このような役割にとどまらず、新型コロナウイルスが指定感染症に定められた1月28日には、新型コロナウイルス対策会議を開催し、緊急事態宣言発出後に直ちに設置した新型コロナウイルス感染症対策本部を含めると、これまで17回もの会議を重ね、市民の皆様のニーズを反映しながら、きめ細かい様々な対策を講じてまいりました。今後も引き続き必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

中項目2、公衆衛生について

大和市のホームページを開きますと、まず、感染症対策をしましょうとあり、手洗い、せきエチケットの図があります。ホームページやポスター、学校での配布物等では、手洗いをしましょうや、手の洗い方はありますが、なぜ手を洗うことが有効なのか知るための説明はありません。市民が公衆衛生を理解し、自発的に手を洗うことは、感染予防にとって非常に有効です。手洗いの理由と学校での予防対策についてお聞きします。

1、なぜ石けんで手を洗うことが新型コロナウイルス感染症対策に有効なのでしょうか。科学的な効果について説明してください。

答弁
新型コロナウイルスは、エンベロープという脂質からできた二重の膜を持ち、ものの表面に付着すると24時間から72時間くらい感染する力を持つと言われておりますが、手に付着したウイルスは水で洗い流すことができるため、手洗いは接触感染の防止に有効です。厚生労働省によれば、石けんによる手洗いは、石けんに含まれる界面活性剤の作用により新型コロナウイルスの膜を壊し、感染力を失わせることができるとのことから、さらなる効果が期待できるものと考えております。

2、知って、納得して行動することは、教育の基本です。現在、小中学校でも手を洗うことを徹底しているとは思いますが、児童生徒の手洗いについて、どのような教育を行っているのでしょうか。また、今後行う予定でしょうか。

3、このような事態にこそ、手洗いの有効性について、学齢によって興味を持てるような指導を行い、児童生徒に納得して行動を起こさせる教育をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁 2と3
教育委員会といたしましては、国の示す新しい生活様式を踏まえて学校教育活動を行うよう各学校に指導しており、特に手洗いの指導に関しましては、学校の1日の流れにおける手洗いの場面を具体的に示し、学級担任による指導、保健だよりでの情報提供などの取組をしております。また、児童生徒が新型コロナウイルスに関する知識を身につけ、感染リスクを自ら判断し、予防のための行動ができるようにすることが必要であると考えており、手洗いにつきましても、児童生徒一人一人が発達段階に応じて有効性を理解し、自ら納得して実践できるよう指導してまいります。

4、感染予防には、洗った手で再び水道栓を触らないことも重要です。自動で水が出る水道栓は、感染症対策にとっては有効と考えます。現在、小中学校の水道栓はどのような形態のものが多いか、お答えください。

5、他市では、ひねる式の水道栓から、手のひらを使わないで開け閉めできるレバー式の水道栓に替えるところも出てきています。上部だけを替えるので、自動式に替えるより簡便に、費用もかからずできるはずです。早急に検討したらどうでしょうか。

答弁 4と5
本市における小中学校で現在利用されている水栓の形状につきましては、全体の約8割で回すタイプの水栓のものが設置されており、残り約2割でレバーハンドルやセンサー式の自動水栓のものとなっております。感染症対策やバリアフリーの観点から、既にレバーハンドルへの交換を検討しており、交換対象などを精査しているところでございます。

次亜塩素酸水の配布についてお聞きします。本市では、3月27日から現在に至るまで次亜塩素酸水を無料配布しています。5月25日の発行のやまとニュースによると、既に10万4527人に配布したとのことです。ホームページには、家具への直接噴霧方法などが載っていますが、利用者が増えれば増えるほど、各家庭や事業所等において様々な使い方がされる可能性があります。中には誤った使い方をされることも考えられます。それにより健康を害することもあるかもしれません。経産省の資料では、噴霧など空間除菌への使用への懸念を表明しています。その中のWHO、コロナ感染症に係る環境表面の洗浄・消毒では、消毒剤噴霧等の非接触手法の記述があります。引用します。

室内空間では、噴霧やミスト散布による環境表面への消毒剤の日常的な適用は、コロナ感染症については推奨されない。ある研究では、初期消毒戦略としての噴霧は、直接噴霧域外の汚染物質の除去には効果がないことが示されている。さらに、消毒剤の噴霧は、目、呼吸器または皮膚への刺激、それに伴う健康への影響を引き起こすリスクをもたらす可能性がある。ホルムアルデヒド、塩素系薬剤、または第4級アンモニウム化合物など、特定の化学物質の噴霧や霧化は、それが実施された施設の労働者の健康に悪影響を及ぼすため、推奨されていない。また、屋外であっても、消毒剤を散布することは人の健康を害する可能性がある。消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならないからである。さらに、塩素や他の有害化学物質を人体に噴霧すると、目や皮膚への刺激、吸入による気管支けいれん、吐き気や嘔吐などの消化器系への影響が生じる可能性がある。引用は以上です。

6、配布したからには、使用方法によっては危険があることを広く知らせる義務があります。自治体が配布したものは、多くの市民は安心して使います。しかし、ウイルスや菌を殺すものは、基本的には人体にも有害です。使用方法を知らせることは重要ですが、空間噴霧など、してはいけないことを広く周知する必要もあると考えますが、いかがでしょうか。

答弁
 本市が配布する次亜塩素酸水の用途は、机や手すり、衣類の除菌用として、チラシや市のホームページで御案内をしておりますので、空間噴霧についての掲載はしておりません。

化学物質過敏症の市民からは、殺菌剤や塩素などの過剰使用を懸念する声をいただいています。場合によっては公共施設や店舗などに入れない事態になる可能性もあります。殺菌剤に何を使用しているのか、市民に知らせることもサービスの一環です。

7、公共施設には次亜塩素酸で消毒していますなど、薬剤の名前を表示するべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁
化学物質過敏症には、匂いや触覚によるものなど様々なものがあることから、施設で使用している消毒薬等の種類の表示については、今後、調査研究をしてまいります。

8、同様に店舗等にも表示をお願いするべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁
市内店舗等では、感染症対策として様々な取組が行われている中で、消毒薬の使用も一つの選択肢となっていることは承知しており、各店舗で対応がなされるものと捉えております。

答弁後意見等

自分や大切な人の命を守るのは、私たち一人一人の行動にかかっています。権力に強制されるのではなく、市民が自ら考えて行動することが大切です。考えて行動する市民が増えることでしか、地方自治を守り、市民社会が強くなる方法はありません。市は今後も基礎自治体として市民のニーズを的確に把握して、何が今求められているか見極めていってください。

コロナ対策の会議については、どのように話し合い、対策を行っているのか、透明性を確保することが大切です。議事録の公表検討を要望いたします。

今後の対策について、例えばコロナ収束後は、マスクを100万枚備蓄することを検討しているようです。現在の状況を的確に捉え、最も必要なところである医療用をまず確保するなど、ニーズの掘り起こしに期待いたします。

石けんの効用については科学的に説明していただきました。学校現場でも、このような知識を広めて、アルコールなどの殺菌剤に頼るだけではなく、まずは手洗いの励行を実践してください。子供たちだけでなく、その保護者へも周知することは、感染予防にとってさらに有効と思います。

水道栓の交換について早速検討を始めてくださり、ありがとうございます。学校が避難所として使われることを考えても、使いやすい水道栓への交換は、高齢者等にも役立つと考えます。早期の導入に向けて早速動き始めていただくことを要望いたします。

次亜塩素酸水など殺菌剤に何を使っているのか表示することは、市民に選択の自由を与えることです。店舗では行っているところが多いようなので、市民サービスの一環として、公共施設でも薬剤の名前を常に表示していくことを求めます。