生活困窮者自立支援制度 住居確保給付金 これだけで十分か

生活困窮者自立支援制度の住居確保給付金が拡充されました。本来、失業者に対して家賃の一部を補助するための制度ですが、この4月に年齢と離職要件が緩和され、65歳以上の人や休職等により収入が減少した人も対象になりました。国のコロナ対策第1次補正を受けて、各市町村は6月の補正などで住宅確保給付金の予算を増額しています。

神奈川ネットでは、各市の状況を調査しました。通年で2~3人の利用しかなかった市が多いこの制度の申請は、この5月だけで100人以上を超える市が軒並み出ています。6月は、さらに申請が多いようです。現場では電話台数を増やし、対応人数を増やしても追いつかない状況でした。本来は丁寧に相談に乗るべき事業ですが、申請を郵送だけで受理せざるを得ないなど、業務量も大幅に増えています。

コロナ禍は、多くの人に家賃の支払いもできないほどの打撃を与えていることがわかります。各市の相談窓口には、県に自粛要請を受けた業種に関わる人だけでなく、開店休業を余儀なくされた店の従業員、美容関係者やスポーツのインストラクター、カメラマンやデザイナーなど、多業種にわたる人たちが相談に訪れています。外国籍の市民の相談もあります。

住宅確保給付金は短期的な対応としては必要なものです。しかし、直ちに生活の安定につながるものではありません。今まで生活になんら問題がなかった人が急に困難に陥っているこの状況を受けて、これからのことを考えていくことが必要です。

今回の制度の条件緩和によって申請が可能になった人は多くいますが、「常用就職をめざした求職活動等を行う」という要件が残っています。例えば、アルバイトをしながら俳優業、など自分の生きたい生き方、働き方は断念しなさいという制度です。主に非正規で働くこれらの人々は、コロナの影響を最も受けている人たちでもあります。対象を拡大するために、求職活動の要件は外すべきです。

また、生活資金は家賃だけではありません。食費や光熱費など、必要最低限の生活費は必要です。現在はまだ、先が見えません。新型コロナの影響が長期化することも考えられます。最後の砦である生活保護に移行する人を少しでも減らすためにも、住宅確保給付金制度の収入要件や資産要件の緩和、支給期間の延長などが必要です。

大雨が降ると、崖はもろいところから崩れていきます。全市民の生活の基礎が崩れることのないよう、いまこそ生活弱者への支援をさらに強化するときです。