会議の透明化について(2020年9月一般質問より)

「会議の透明化について」と題し、公文書の議事録公開と記録のないものについては、記録を残していくよう要望する一般質問を行いました。

 今年3月10日、新型コロナウイルス感染症に関わる事態について国は、行政文書の管理に関するガイドラインに規定する歴史的緊急事態に該当すると決定しました。政策判断に関わる会議録や資料を漏れなく公文書として記録、保存することを義務づけたものですが、3月28日に出された新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、コロナ対策の記録について、自治体も国に準じた対応に努めるとされています。

 公文書とは役所が意思決定する過程や結果を記録したものです。しっかり残し、後の世に検証を可能とすることで、行政が適正に運用されるためにあります。困難な事態に直面したとき、同類の困難にいかに対処したか、記録が残っていれば、そこからヒントも得られます。公文書は民主主義を支える国民の、市民の財産です。

大和市はこれまで新型コロナウイルス対策会議を1月から3月まで10回、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を4月から8月まで11回行っていることがホームページで公表されています。しかし、公表されているのは日時のみで、そのとき何について話し合われたのか、どんな話がなされたのかは分かりません。会議を何回しましたと公表することに何の意味があるのでしょうか。

 答弁では、これらの議事録は作成しているが、主に連絡事項なので公開を差し控えているということでした。情報公開請求により、これらの議事録を読んでみましたが、第何回では、何が議題に上がっているのかわかります。市民が情報公開請求をするために、そのとき何が話し合われたかだけでもその次第をHPに掲載することを要望しました。

 コロナ対策の特別定額給付金について、実施主体は市区町村ですから、地方自治の観点からは、本来、給付を行うかどうかから自治体で話し合いが持たれるべきものです。そのような観点を持って事務に臨んでいたのか、記録がなくては分かりません。手続をどうするかに翻弄されざるを得なかったことは理解できますが、非常時にあってこそ基本に立ち返ることが大切です。自治主体として、コロナ災害を後世に残そうと思うなら、対策を行った考えや発案の根拠など、議事録を作成することは必須なはずです。また、市独自の施策について、新型コロナ感染症対策に関する本市独自の施策については、例えばすぐに大和市おもいやりマスク着用条例が思い起こされますが、これについても何がしかの経緯があって急ぎ施行されたものと思います。これは専決処分という市長の権限で施行されました。

 しかし、これらの決定記録は残されていません。例えば、市長命令で担当課が条例文を作ったのだとしたら、いつどのような指示が出て、担当課内でどのように検討したのか、記録が残されているべきです。条例については、本来、議会に上程され、市民の負託を受けた議員が施行すべきか否か吟味すべきものです。もし、議会に上程されていれば、発布施行の是非の議論が残されていたはずです。

 2月27日には総理大臣が3月から全国の学校を休校するよう要請しました。小中学校の運営主体は自治体ですから、決定は市の教育委員会でなされるものです。大和市は3月2日から休校に入りましたが、準備を行ってから2~3日後に休校に入った自治体もあります。2月28日に急遽、教育委員が集められ、休校を決めた経緯は記録に残っていないとのことです。

 市の重要な施策を決める過程は、所管部で課題を出し、理事者が話し合って検証し、政策を選択するか否か決めます。その政策を選択した理由、選択されなかった理由がきちんと残されていれば、後の世に説明責任を果たしますし、同様の事案が起こったときの政策につながるはずです。現状はどうやらこのような記録は必要ないと考えられているようです。

 政策をつくるに当たっては、所管で精査し、決まったことは市民の皆さんには周知しているとのことですが、ちゃんとやって、その結果は市民に知らせているから、その過程や説明は要らないでしょうと言っているようなものです。大和市自治基本条例の第5条は「市民、市議会及び執行機関は、情報を共有することを原則とする」です。自治体は施策上の市民の疑問に対し真摯に答える義務があります。無論、市民のほうでも自治の基本理念を理解し、施策に対して常に疑問を持ち続ける努力が必要です。

 2017年4月に施行された公文書管理法第1条では、公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけられています。もう一度公文書とは何かを見直し、市民のなぜに答えることのできる市政運営を望みます。