希望を失わないための気候危機対策

10月24日(土)神奈川ネットワーク運動主催の学習会に参加しました。
題名は、「気候危機へ求められる私たちの行動」
講師は、気候ネットワーク 国際ディレクター CANJapan代表 の平田仁子さんです。

今、地球は確実にスピードを上げて温暖化しています。50年に一度といわれる規模の風雨災害が毎年どころか、年に何回も起こっているのは私たちの誰もが実感している事実でしょう。2015年から2019年の5年間は、観測史上一番暑かったそうです。今年の夏もまた猛暑でした。
今日の毎日新聞によれば、過去5年間に地球温暖化が関連しているとみられる影響があった自治体(都道府県と政令市)は、約8割に上るとのことです。うなずける数字です。

現在、地球は工業化前から比較して平均気温が1度上昇しています。たった1度で世界は様変わりしています。災害により住み慣れた地域を移動せざるを得ない人たちが増加しています。その数は紛争によるものより多いそうです。日本も例外ではありません。川沿いの住宅が流された人たちは、もうそこに住むことはかないません。多くの命も失われています。

現在でも頻発する山火事やサンゴの死滅危機など、環境への影響は顕著ですが、1.5度の上昇になるとその危機はもっと高まります。漁業の打撃、河川洪水、北極圏の氷の減少による海面上昇、そうすると沿岸洪水の危険も高まります。
もう何年も前ですが、気候学者の本を読んでいましたら、北極圏の氷が全部融けたら、海面は50m上昇すると書かれていました。思わず自分の住んでいるところの標高を調べてしまいました。大和市役所は、水没します。
びっくりして出会った人たちに話しましたが、反応はいまいちでした。ずっと未来の話でしょ、と。

いいえ、ずっと未来の話ではありません。早ければ、2030年、つまり10年後に平均気温は1.5度上昇すると言われています。2015年に採択されたパリ協定では、気温を2度未満に抑え、さらに1.5度未満に抑制を努力すると決めています。今世紀後半までに世界の温室ガス排出をゼロにするのが目標です。しかし、気温を1.5度上昇に抑えるには、2050年までに排出ゼロにする必要があるとのことです。

各国は、自国の政策と目標を定めていますが、それを達成したとしても、1.5度上昇を抑えることはできません。新聞等で危機を伝える報道は増えましたが、私たちの生活も特に変わってはいません。電気を使わない生活も、車をつかえない生活も想像できません。
今後、地球は、私たちの生活はどうなってしまうのでしょうか。Co2削減なんて夢物語じゃない?と、
とても絶望的な気持ちになります。

人類の活動の中で発電産業が、最大の温室ガス排出源です。
日本は、震災後、石炭火力発電所を増やし、今後もそれに依存する方針を示し、世界からバッシングを受けています。今、神奈川県でも横須賀市で、石炭火力発電所の新設が進められています。

火力に頼るのがよくないなら、やっぱり原子力発電所が有効でしょうか?
そのような声は高まってくると考えられます。原発事故を起こしたこの国で、今でも避難している人たちが苦境にあるこの国で、私は原発推進の声に頷くことはしたくはありません。

学習会では、「世界では発想の転換、実践が始まっている」事実が示されました。
太陽光などの自然エネルギー100%の発電は可能。その実践からしか、未来を作る事はできません。現在、再生可能エネルギーで発電するためのコストは急激に落ちています。太陽光発電はこの10年で、マイナス82%のコストダウンです。原子力を使うより、石炭を燃やすより、低コストで発電できるとなれば、企業も参入しやすくなります。規模が大きくなれば、雇用も増えます。少しづつではありますが、例えばドイツでは1日中自然エネルギー発電だけで電気を賄う日が出てくるなど、実践も進んでいます。

私たちひとり一人にできることは、発電に関することならば、「自然エネルギーで発電している会社から電気を買う」ことです。太陽光パネルを自宅につける方法より、より簡単に方向を転換できます。私もこのような会社から電気を買っていますが、電気代は特に変わりはありません。需要が増えれば、開発も進むはずです。

今後、温暖化の加速を止めるためには、産業構造の転換は不可避です。ヨーロッパでは、脱炭素と経済成長の両立を図るための「欧州グリーンディ―ル」という成長戦略が始まっています。

地球環境問題に関しては、もう仕方がないとか、経済のほうが大切とか理由をつけて、私たちは目をそらしがちです。しかし、生活できる地球環境がなければ、私たちは生きることができません。多くの人たちが、この危機的状況を知り、広めていく。そして政治の問題として、国にできることは何か、自治体にできることは何か、市民としてできることは何か、考え続けていくことからしか、変化は生まれません。
小さなことからでも、ひとり一人が考えを変えていき、希望を失わずに歩みを進めていけば、やがて大きな力になっていくはずです。