差別から一歩前進 朝鮮幼稚園が幼保無償化の対象に

 神奈川ネットは多文化共生のために「かながわの朝鮮学校交流ツアー」(通称トブロツアー)に賛同団体として参加しています。第5回となる今年は2月にオンライン形式で開催されます。
トブロツアーについては、文の最後参照

 私は実行委員の一人として10月から会議に参加しているのですが、先日、朝鮮学校の校長先生からうれしいお知らせがありました。
 国の2021年度予算で、幼児教育・保育無償化の対象になっていない朝鮮幼稚園に通う子どもに対しても1人当たり月2万円を給付することが閣議決定されたという知らせです。

 2019年5月に改正された「子ども・子育て支援法」には「すべての子どもが健やかに成長するように支援するもの」という基本理念が追加され、2019年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートしました。幼稚園や保育園のほか、条件を満たした認可外保育施設、ベビーシッターや一時預かりも無償化の対象となっていますが、施設を持たない形の幼児教育「森のようちえん」や、朝鮮幼稚園をはじめとする外国人幼稚園などは無償化の対象から除外されていました。外国人幼稚園に関しては「質の確認が難しい」という理由だそうです。

 日本に住む「すべての子ども」が対象ではなかったこの制度に対し、外国人幼稚園のほとんどを占める朝鮮幼稚園の教員たちは、無償化の適用を求め「日本に住んでいる我々を仲間外れにしないでほしい」と声をあげてきました。保護者や賛同する日本の市民たちも署名活動を行い、2020年6月には、46万筆の署名を文科省、財務省に提出しています。神奈川ネットも賛同団体として、署名に協力しました。

 今回、給付要件としては、現在無償化の対象となっている幼稚園等と同じ設備や開所時間、さらに適切な会計処理が確認できることなどが定められています。また、国の一定基準は設けるものの、たとえそれが満たされなくとも地方自治体の判断で認められれば対象になるよう基準が緩和されました。

 神奈川県は、県内の朝鮮学校に対し教科書に拉致問題の記述がない点を理由に、現在補助金の支給を停止しています。これに対し、神奈川県弁護士会が、子どもと無関係な理由で教育を受ける権利を侵す人種差別と認定し、支給を再開するよう警告を出すなど、神奈川県の姿勢は問題視されています。

 朝鮮学校に通う子どもたちは、在日4世や5世など長らく日本で暮らす市民です。朝鮮学校を見学すると、設備を新調できないなど教育に支障をきたしているのが分かります。その保護者達は、もちろん市民税や県民税を払っています。

 今回の子ども子育て新事業により、補助の拡大が進んだことは一歩前進です。この事業に取り組むかどうかは市町村の判断によります。該当市はこの件に対して、適正な判断を行い、県内のすべての朝鮮幼稚園の子どもが給付を受けることができるようにする必要があります。

 

トブロツアーとは? 第4回のチラシより

「朝鮮学校ってどんな学校?」 「なんで日本にたくさんの朝鮮人が住んでいるの?」 朝鮮学校の問題がマスコミなどで報じられるたびにそんな疑間が寄せられます。控数問題や核問題など朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への非難が煽られるたびに、朝鮮学校やそこに通う園児児童生徒へ の「ヘイト」が繰り返されます。
日本の敗戦により朝鮮半島が植民地から解放され、植民地支配の もとで奪われていた朝鮮語や本名を取り戻そうと朝鮮学校がスタートして今年で73年となります。 朝鮮学校に通う子どもたちは既に4世、5世の世代となるなど、この73年の間に朝鮮学校をめぐる 環境は大きく変化してきています。
私たちには、神奈川の「朝鮮学校」とそこに通う園児·児童·生徒、そして保護者、学校をよりどころとする在日朝鮮人のコミュニティについて、今一度その歴史、 現在、課題などについて認識を共有し、お互いを尊重しつつ「ともに」生きる地域社会を作っていく、そんな「出会い」の場が求められています。
また、神奈川では、これまでも多くの市民が「多文化共生」社会をめざし朝鮮学校を支援するとりくみをすすめています。いっそう幅の広いとりくみをすすめるため、お互いに学び会う機会を 広げることも必要です。
そんな思いから、私たちは「出会う(マンナミョ)・学ぶ(ベウミョ)・ともに(トブロ) in YOKOHAMA かながわの朝鮮学校交流ツアー」(略称トブロツアー)を企画しました。
このツアーは、年一度県下5校の朝鮮学校を会場に、朝鮮学校を支援する市民をはじめ、朝鮮学校関係者、地域のみなさんの 手で運営していこうとするものです。