子宮頸がん 選択できる情報提供と検診の重要性(2021年12月一般質問より)

子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐためのワクチンについて、厚生労働省は積極的な接種の呼びかけを来年4月に再開することを決め、この11月26日に自治体に通知しました。来年4月からは、全国の小学6年生から高校1年生のうちの接種対象者に自治体から予診票が届くようになります。準備が整った自治体は4月よりも前に実施することができるようです。接種を進めるにあたっては、接種後に何らかの症状が出た人の医療・相談体制を強化するとしています。また、国は接種年齢を過ぎても機会を逃した人を対象に無料で接種が受けられるようにすることも検討しています。

日本では、全てのワクチン接種は義務ではなく、希望する人のみとされています。ですから、接種する人や子どもの場合はその保護者が接種をするべきか否か、よくよく考えて決める必要があります。ほとんどの場合は何事もなく終わるものですから、ワクチンは接種するのが当たり前と考えている人も多いかと思いますが、場合によっては命に係わる本来は重い決断です。

病気やワクチンについて理解しないまま接種し、あるいは接種をせず、あとで後悔する人を少しでも減らしたい。これが私の願いです。

HPVワクチンは2013年4月、小学校6年から高校1年相当の女子が無料で接種を受けられる「定期接種」の対象となりましたが、その直後に接種した人に全身の痛みなどの症状が相次いで報告されたため、2か月後の6月に「積極的勧奨」を中断した経緯があります。

2013年に積極的勧奨を中止したワクチンと来年積極的勧奨を再開するワクチンは同じものです。子宮頸がんを発症しない人が増えることを期待して接種勧奨が始まるわけですが、同時に接種者が増えれば2013年当時のように健康被害を受ける人数も増えることが予想されます。厚労省発行のリーフレットによれば、ワクチンにより重篤な症状が現れた人は、1万人中5人です。

日本では2013年の積極的勧奨中止により、HPVワクチン接種は進んでいないため、その予防効果は外国のデータに頼るしかありません。効果を期待することはできるかもしれませんが、日本人への効果は未知数です。一方、被害の声は新聞報道等により聞くことが多いため、来年度から積極的勧奨が始まるにあたり、対象年齢の方やその保護者は不安になり、接種するべきかどうか悩む方も多いかと思います。

接種を勧奨する主体である自治体は、その不安に寄り添い、対象年齢の方が深く理解し、接種をするか否か、選択できる判断材料をより多く与えることが責務と考えます。大和市はワクチンの副反応の不安を持っている人に対しては、リーフレットを基にリスクとベネフィットを説明し、充分に理解したうえで判断していただけるよう保健師が丁寧に相談に応じているとのことでした。今後、積極的勧奨が行われると、相談も多くなることと思います。自治体では、接種する、しないを誘導することはできませんから、相談者が自ら考え選択できるより多くの情報提供が求められます。

リーフレットには、ワクチン接種によって子宮頸がんを予防できる確率は50~70%と書かれています。100%ではありません。ですから、リーフレットにも「ワクチンを接種していても、していなくても、20歳になったら2年に1回必ず子宮頸がん検診を受けてください。」と書かれています。早期発見のためには検診は重要です。怖いのは、予防のためにワクチンを打っておけば、もう子宮頸がんにはならないと思い込んでしまうことです。それによって検診をおろそかにし、発見が遅れ、命を落とすことにもなりかねません。
そうなれば本末転倒です。

国は20歳になった方に対してのみ無料で子宮頸がん検診を受けられるよう事業を実施していますが、大和市では年度末までに20歳、21歳、22歳、24歳、26歳、28歳になる方に対しても無料で検診を受診できる機会を設け、癌の早期発見、早期医療につなげられるよう努めています。

大和市は対象者に無料受診券を送っていますが、「子宮頸がん受診券」には「性交渉経験のない人は医師に相談のうえ、受診してください」とあります。私はそれを読んだとき、「そんなことを医者に告白しなくてはならないのか」と思ってしまいました。ネット上では、検診の時はうそをついてもいいですか、などという質問もありました。受診券の文言で受診をためらう人が出ないよう、市では、今後も対象者が受診しやすい環境を整えるよう努めていくことを確認しました。